中学受験を考えた際、まずは目標となる志望校を定めることはとても大切です。それが塾選びにもつながるからです。今回は、上手な志望校選びのポイントについて考えてみました。
目次
1.志望校選びが、中学受験を左右する?
1-1)自宅から片道1時間以内で通学できるか
1-2)教育方針をしっかり話し合う
1-3)学校を見に行く、評判をきく、入試傾向を調べる
2.5年生の夏までに志望校を決めよう
1.志望校選びが、中学受験を左右する?
「子どもに中学受験をさせてみようかな」…と考えても、具体的に何から始めたらいいのかわからない方もいるのではないでしょうか。まっさきに塾選びをする、という親もいますがその前に考えるべきことがあります。それが志望校選びです。まずはざっくりといいので志望校を選び、それに合わせた塾を選ぶことが大切です。
首都圏には約300校の私立中学校と12校の国立中学校、19校の公立中高一貫校があり(2016年9月現在)、その中からわが子にぴったりの学校を見つけるのは容易なことではないかもしれません。ある程度は親が主体となって志望校を選ぶ必要があります。
親が地方出身なら「御三家」すらわからないでしょうし、東京出身の親なら知っている学校もあるかもしれませんが、親世代が小学校だった頃と今では状況が大きく変わっていることもあります。
では、どのように志望校を選べばよいのでしょうか。重要な3つのポイントをお教えします。
1-1)自宅から片道1時間以内で通学できるか
お子さんが通える範囲の中学校を選ぶようにしましょう。いくら「いい学校」だからと通学に毎日何時間も費やすことは、お子さんにとって大きな負担になります。通学だけで疲れてしまい学校生活を楽しむことができないだけではなく、震災などが起きた場合の対応も不安ではないでしょうか。目安として片道1時間以内で通学できる中学校を選ぶとよいと思います。
まずは、自宅から1時間以内で通える中学校をリストアップしましょう。中学受験ガイドには路線図と学校の場所が掲載されているので、参考にしてみてください。自宅から1時間以内の場所に行きたい学校が少ない場合は、中学受験を考え直すきかっけになるかもしれません。
1-2)教育方針をしっかり話し合う
中学受験の準備は、一般的には小学校3年生の冬から始まります。その場合は小学校生活の半分を受験勉強に費やすことになります。子どもの時間だけではなく、親のサポートも必要ですし、高額な塾代もかかります。小さいころから打ち込んできた習い事やスポーツを断念したり、何かしら我慢しなければならないことも出てきます。
そんな時のために「こんな中学校に入れて、こんなことを学ばせたい」というような教育方針を夫婦でよく話し合っておくとよいと思います。「進学のことを考えて御三家に入れたい」「情操教育を大切にしている学校を選びたい」「偏差値40以下の中学校は受験しない」など、最初はざっくりとしたもので構いません。親の価値観が志望校を左右するので、しっかり考えておきましょう。
1-3)学校を見に行く、評判をきく、入試傾向を調べる
はじめから志望校をひとつに絞るのではなく、まずは「通学1時間以内」「ご家庭の教育方針」をもとに、10校ほどをピックアップしてみてください。その中に特に気になる学校があれば学校説明会や文化祭に足を運び、実際に学校を見てみることをおすすめします。周囲にその学校に通っている子どもがいるなら、話をいてみるのもよいですね。
そしてさらに、その学校の「入試傾向」を調べてみましょう。最近は学校によって入試問題の傾向が大きく異なることがあります。偏差値だけを見て「麻布が第一志望、早実が第二志望」「麻布が第一志望、慶應が第二志望」と決めてしまうと、受験勉強が非効率になってしまいます。併願校は第一志望の学校と入試問題の傾向が似ている学校を複数選ぶとよいでしょう。
たとえば、御三家のひとつである麻布中学の入試問題は、長文を読み解き、設問に対する自分の考えをまとめて記述する問題が中心となります。また、大学付属校のひとつである早実中学(早稲田実業学校中等部)の入試問題では大量に知識を身につける必要があり、情報をスピーディーに処理して後半の難問を解く時間を確保する必要があります。一方、慶應付属(慶應〔普〕・慶應中等部・SFC)の入試問題は基本的な問題は多い反面、特殊な社会科学の知識が必要な問題もあり、どちらかというと知識が大切な問題ともいえます。
2.5年生の夏までに志望校を決めよう
塾選びの前に大まかに志望校について考え、受験勉強を進めながら志望校を絞っていきましょう。通学時間やそれぞれのご家庭の教育方針、そして入試傾向などを見ていきながら、5年生の夏ごろには志望校を決めておくのが理想的といえます。
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