早稲田、慶応義塾の付属・系属中学校について。早慶狙いなら知っておくべきこと

西村則康近影

西村則康 名門指導会代表

40年以上、難関中学・高校受験指導一筋のカリスマ家庭教師。
「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で入り込む授業を実践している。受験を通じて親子の絆を強くするためのコミュニケーションをアドバイス、コーチング手法も取り入れ、親子が心底やる気になる付加価値の高い指導を行う。

目次

1. 御三家に比べると、早慶は難問が少ない
2. 早稲田、慶應の各校の校風
 【早稲田の付属校・系属校】
  ●早稲田大学高等学院 中学部(付属校・男子校)
  ●早稲田中学校・高等学校(系属校・男子校)
  ●早稲田中学校・高等学校(系属校・男子校)
 【慶應の付属校・系属校】
  ●慶應義塾普通部(付属校・男子校)
  ●慶應義塾中等部(付属校・共学校)
  ●慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部(付属校・共学校)
3. 早稲田、慶應の各校の入試傾向
4. 早慶の併願校に避けたい学校と入試のポイント

 難関私立大学として不動の人気を誇る、早稲田大学と慶應義塾大学。
両大学に入学するために中学受験で付属校・系属校に入学させたいと考える親御さんもいるでしょう。
今回は、早慶を受験するにあたって知っておくべきことをご紹介します。

1. 御三家に比べると、早慶は難問が少ない

 御三家の入試のほとんどが記述式ですが、早稲田・慶應の入試は全体的に選択問題が多く、記述はほとんどありません。
そのため、4教科すべてにおいて早稲田では7割、慶應では8割得点できてないと合格は難しいという特徴があります。

2. 早稲田、慶應の各校の校風

 両校にはそれぞれ複数の付属校、または系属校があります。
首都圏にある両校の付属校と系属校をご紹介します。

【早稲田の付属校・系属校】

●早稲田大学高等学院 中学部(付属校・男子校)

 2010年に早稲田大学として初の中学校を新設し、中高大一環教育に。
大学の授業のような発展的・専門的な授業が受けられることが魅力。
1学年120名。東京都練馬区上石神井所在。

●早稲田大学継続 早稲田実業学校 中等部・高等部(系属校・共学校)

 1901年、大隈重信により創設され、「智・徳・体」の三者の調和が取れた生徒の育成を教育理念に掲げる。
系属校だが、ほぼ100%が早稲田大学に推薦入学できる。
1学年男女125名。東京都国分寺市所在。

●早稲田中学校・高等学校(系属校・男子校)

 1895年、大隈重信の教育理念に基づき、坪内逍遙らによって創設。
中高6年の一環教育で、生徒の志望を尊重した進学指導を行っている。
いわゆる進学校。
1学年300名。高校募集なし。東京都新宿区馬場下町所在。

【慶應の付属校・系属校】

●慶應義塾普通部(付属校・男子校)

 1898年創立の歴史のある付属校で唯一の男子校。
堅実な校風で、服装や礼節などの規律を重んじる。
1学年240名、高校募集あり。併設小学校からの内部進学あり。横浜市港北区日吉本町所在。

●慶應義塾中等部(付属校・共学校)

 1947年創立。リベラルな校風で校則がない。
教員の専門や特技を活かした教科に捉われない内容を学べる。
1学年240名で、男女の比率は2:1。東京都港区三田、慶應義塾大学三田キャンパスに隣接している。

●慶應義塾湘南藤沢中等部・高等部(付属校・共学校)

 1992年創立の慶應義塾唯一の中高一貫校。特に英語教育にも力を入れており、ネイティブスピーカーの講師の数も多い。
1学年約160名。高校募集はあるが、一般枠はない。神奈川県藤沢市遠藤所在、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス内にある。

3. 早稲田、慶應の各校の入試傾向

 早稲田、慶應の各校の入試傾向はそれぞれ傾向がとても似ているので、受験対策が取りやすいという点もあります。
そしてどの学校にも共通して言えることは「御三家のような難問や奇問は出ない」「選択問題が中心で記述は少ない」などが挙げられます。

 早稲田の付属校・系属校3校の中で最も難易度が高いのが「早実(女子)」です。
また2010年に中学校が新設された早稲田大学高等学院の入試問題は、当初は受験者のレベルに合わなかったりしましたが、今は受験者のレベルに合った穏当な問題になっています。
きちんと勉強してきた子であれば合格は可能でしょう。

 慶應付属校の3校の入試問題は、どれもレベル的には同等です。
御三家の入試問題と比べれば、基本的に易しく、高得点を取ることが合否の決め手となります。
国語は素材文のレベルが高いので、小学生でちょっと背伸びした読書体験がある子に向いています。

4. 早慶の併願校に避けたい学校と入試のポイント

 早慶の付属校は偏差値の高い子が狙いますが、御三家を第一志望とする子が早慶を第二志望にするという選択肢はあまり望ましくありません。
なぜなら、入試問題の傾向が全く異なり、勉強量を増やしてしまうことになるからです。

 早慶を狙う子は第一志望にする子がほとんどです。
併願校で多いのは、男子なら明大明治、芝、世田谷、本郷。女子なら豊島岡、吉祥女子などです。
避けたい併願校は、偏差値的にそんなに差がない渋谷教育学園渋谷。

入試問題の傾向が全く異なるので避けた方がよいでしょう。
 中学受験に必要な幅広い知識を身につけ、日ごろから身の回りのことに関心を持つことが早慶入試のポイントといえるでしょう。

       

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