【関西中学受験情報】2021年度の関西エリアの男子難関中の受験状況 灘、東大寺、星光、甲陽、洛星

           都関近影            

都関靖治 関西統括

浜学園で算数科の中軸として長年活躍し、6年生男子最難関クラスから4年生の下位クラスまで全クラス帯の幅広い指導経験を持つ。 灘中、甲陽中、洛南中、神戸女学院中、東大寺中、星光中、洛南中、洛星中、白陵中など関西の最難関中に、多数の合格者を輩出してきている。

名門指導会において、関西エリア統括を担当している都関です。

 

■2021年度の関西エリアの中学入試①…受験状況

今回は、関西エリアで行われた2021年度の中学入試について、お知らせしていきたいと思います。

はじめに、学校より公開されている男子難関中の受験状況を見ていきます。

学校名

2021年度

2020年度

募集人数

受験者数

合格者数

実質倍率

募集人数

受験者数

合格者数

実質倍率

180

650

227

2.86倍

180

762

256

2.98倍

東大寺学園

200

869

402

2.16倍

176

909

361

2.52倍

大阪星光学院

190

703

278

2.53倍

190

695

297

2.34倍

甲陽学院

200

380

215

1.77倍

200

383

217

1.76倍

洛星(前期)

180

396

254

1.56倍

180

448

264

1.70倍

合計

950

2998

1376

926

3197

1395

※東大寺学園中は高校からの募集停止に伴い、募集人数が2020年度よりも増加しています。

上記の表のように、関西エリア2府2県の男子難関中学校の受験者数は、大阪星光学院中を除くと2020年度よりも減少しており、実質倍率も概ね下がって、やや「広き門」となっています。

■2021年度の関西エリアの中学入試②…得点状況

次に、科目別の得点状況を、同じく学校より公開されたデータで見ていきます。

下記は、合格者の科目別合格者平均点(※洛星中のみ受験者平均点)を2020年度と比較したものです。

合格者平均

国語1

80点

国語2

120点

算数1

100点

算数2

100点

理科

100点

合計

500点

2021年度

63.2

78.0

83.0

67.8

76.5

368.5

2020年度

58.1

79.9

72.0

71.2

66.7

347.9

 

東大寺学園

四科合格者平均

国語

100点

算数

100点

理科

100点

社会

100点

合計

400点

2021年度

66.1

61.6

68.2

73.3

271.4

2020年度

62.8

64.4

72.5

69.7

272.6

 

東大寺学園

三科合格者平均

国語

100点

算数

100点

理科

100点

合計

300点×4/3

2021年度

66.2

75.0

71.0

283.0

2020年度

61.8

75.1

74.8

282.2

 

大阪星光学院

合格者平均

国語

120点

算数

120点

理科

80点

社会

80点

合計

400点

2021年度

75.9

99.8

66.5

62.5

306.9

2020年度

79.6

82.2

58.8

63.5

285.3

 

甲陽学院

合格者平均

国語1・国語2

100点・100点

算数1・算数2

100点・100点

理科

100点

合計

500点

2021年度

116.2

143.8

56.4

316.4

2020年度

133.5

129.0

58.6

321.1

 

洛星(前期)

受験者平均

国語

120点

算数

120点

理科

100点

社会

100点

合計

440点

2021年度

70.7

68.4

71.1

74.2

281.4

2020年度

66.8

78.3

64.3

78.8

 

実質倍率は全体的に少し低くなったのですが、合格者平均点を見てみますと、灘中で20.6点、大阪星光学院中で21.6点と大幅に上昇している学校があります。

その内訳は、灘中の場合は、国語が3.2点、算数が7.6点、理科が9.8点と各科目で上昇しており、大阪星光学院中の場合は、国語が3.7点、社会も1点と合格者平均点が下がっていますが、算数は17.6点、理科も7.7点と大きく上がっています。

また、合格者平均点が前年よりも下がった甲陽学院中ですが、科目別でみると、算数の合格者平均点は14.8点と、これも大きく上昇しています。

実質倍率は下がりましたが、算数や理科の点数を伸ばしていく必要があるという点からは、受験生にとって厳しい入試であったことに違いはなさそうです。

■2022年度の入試に向けて

2021年度の中学入試では、昨年来の新型コロナウイルスの影響で小学校が一時休校となったことをうけてでしょうか、難関中の算数が、灘中をはじめとして、比較的解きやすい問題が多かったように感じました。

(令和3年度 灘中学校 入学試験問題 算数 第1日 より)

2 3つの容器A、B、Cにあわせて600mLの水が入っています。容器Bの水の体積は容器Aの水の体積の1.5倍です。容器Aから容器Bに水を40mL移すと、容器Bの水の体積は容器Cの水の体積の1.4倍になりました。水を移したあとの容器Bの水の体積は( )mLです。

12 ある立体の展開図を、幅が3cmの方眼紙にかくと、下の図の太線のようになりました。斜線をつけた三角形は正三角形です。また、正方形でない四角形の面はすべて長方形です。この立体の体積は( )cm3です。

灘中の場合、2021年度入試では上記のような取り組みやすい問題が出されたことや、直近3年間の算数1の合格者平均点が、2019年度の49.8点から、2020年度は72.0点、2021年度は83.0点と、2年連続して上昇していることを考えると、2022年度入試では算数の入試問題が難化する可能性が十分に考えられます。

大阪星光学院中も、算数の合格者平均点が、2017年度に87.4点、2018年度に88.3点と続けて上昇した翌年の2019年度では、74.8点と大幅に下がりました。

その後、2020年度に82.2点、そして今年が99.8点と上昇しましたので、2022年度の入試で再び合格者平均点が低くなる可能性があります。

ですから、新型コロナウイルスやその変異株が小学校などの学校教育にどのような影響を及ぼすのか、今の段階では予測がつきませんが、2020年の夏以降のように休校という事態がおこらない(そうあって欲しいと心より願っています)場合のことも見すえ、2022年度の受験生はこの2月から十分に対策を講じておくことが望ましいといえます。

       

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