目次
1. 難関校合格では圧倒的な実績を誇るサピックス
2. SAPIXはどんな塾?
3. 御三家・難関校突破のためのカリキュラム
4. 完全復習型の授業スタイル
5. 保護者の負担が少なくない
1.難関校合格では圧倒的な実績を誇るサピックス
中学受験界で知らない人はいない大手中学受験塾SAPIX(サピックス)。
言わずとしれた有名中学を中心に高い合格実績を誇る進学教室です。
特に難関校合格率では毎年群を抜いており、例えば2023年度開成中学校では
合格者419名のうち64%(268名)はSAPIX生、桜蔭中学校では290名中68%(197名)がSAPIX生
という結果を残しています。
数年前、このように難関校に圧倒的に強いといわれるSAPIXに入室の競争率が低い低学年のうちに在籍しておく、いわゆる「席取り」作戦がブームとなりました。
しかし、その後塾側が優秀な5.6年生の入塾余地を捻出するための対策ともみられる首都圏校舎の低学年「新規生徒募集停止」を突如発表したことで、SAPIX入塾を希望していた多くの受験家庭に大きな衝撃が走ったのは記憶に新しいところではないでしょうか。
このように非常に高い人気を誇るサピックスですが、全ての中学受験生がサピックスに入塾さえすれば難関校に合格できるかといえば必ずしもそうではありません。
むしろ、トップ校の合格を次々と勝ち取る生徒さんが続出する一方で、入塾から受験まで終始下位クラスのまま浮上できず、最終的にどこにも合格出来なかった、という生徒さんが意外なほど多く存在しているのが現実です。
驚異的な難関校合格者専有率を記録し続けるSAPIXとは一体どのような塾なのか。
どのような特徴を持ち、そこにはどんなメリットとデメリットがあるのか。
我が子や我が家とSAPIXの相性は良いのか。
SAPIXの生徒はどんな一週間を過ごしているのか。
SAPIXで結果を出すために大切なことはなにか…etc.
近々SAPIXに転塾や入塾を考えている受験生の皆さんや、サピックスに在籍しているものの違和感を覚えている受験生の皆さんに向け、今日から数回にわたりこの超有名塾について詳しくお伝えしていこうと思います。
2. SAPIXはどんな塾?
SAPIXの最大の特徴は、
●御三家・難関校突破のためのカリキュラム
●完全復習型の授業スタイル
●保護者の負担が少なくない
という3点です。
3. 御三家・難関校突破のためのカリキュラム
SAPIXのカリキュラム・オリジナルテキストは中堅以下の学校ではなく、潔いほどはっきりと、ただひたすらに御三家・難関校突破のみを見据えた作りになっています。
実際にSAPIXは長年御三家・難関校合格実績が非常に多く、長い年月をかけて過去問研究が尽くされ、カリキュラムや教材は非常に有効かつ一切無駄のない頼もしいものとなっています。
ここには確かに、御三家・難関校突破に向けた確かなメソッドが存在していると言えるでしょう。
授業に用いられるオリジナルテキストは他塾に比べ難易度が非常に高く、カリキュラム進度も圧倒的な速さです。
他塾では6年生の夏ごろまで新単元を学習することもありますが、SAPIXでは5年生のうちに受験に必要なほとんどの単元を修了し、6年生になると一気に本番に向けた実践演習が始まります。
SAPIXという塾はもちろん、ここに集うご家庭もまた、殆どが御三家や難関校を本気で狙っているご家庭といっても過言ではありません。
4. 完全復習型の授業スタイル
SAPIXの授業は基本的に予習不可能であり、テキストは「当日配布」され、家庭学習に重きが置かれた「完全復習型」の授業スタイルです。
カリキュラムは事前に発表されているものの、毎授業で最初に配布されるテキストは基本的に全ての生徒が当日初めて目にするものです。
つまり生徒たちは毎回初見のテーマや問題にその場で向き合わなくてはなりません。
また、テキストの形式も他塾のように半年~1年分を分厚い1冊の本にまとめたものではなく、1授業1冊の小冊子やプリント類であるという点に特徴があります。
授業は多くの場合いわゆる「出来る生徒」と講師の対話のような形でドンドン進んでいき、基本的に実戦の前に詳しいテーマ解説の時間が設けられている訳ではありません。
付いていけない場合は容赦なく置いて行かれてしまうことも往々にしてあります。
授業は実践演習が中心で、その授業回のテーマに対し、「どう考えるか」「どう解くか」「なぜそうなるか」等の深い理解を得ることや学習内容の定着を図る作業は各自が自宅で(場合に寄っては親御さんや家庭教師、個別指導などのフォローを得ながら)行います。
SAPIXの授業は復習ありきであり、復習なしには成績向上は無いと言えるでしょう。
5. 保護者の負担が少なくない
前述のとおりSAPIXは復習に重きが置かれているため、授業を受けて帰ってくるだけではその秀逸なオリジナルテキストの恩恵を受けることが出来ません。
つまり日々の「家庭学習」「復習」が習慣づいていることが前提であり、そうでない場合はまず我が子を日々机に向かわせる作業が必要になります。
幸いそこに苦労がない場合も、SAPIX教材や宿題は非常にレベルが高く量も膨大なので、自宅で扱う問題の取捨選択や宿題のフォロー、教材整理等は受験生一人には到底難しく、他塾に比べ保護者や第三者の手が必要になる機会は圧倒的に多いと言えます。
以上、ここまではSAPIXがどんな特徴を持つ塾であるかをお伝えしました。
次回以降は引き続き、SAPIX通塾のメリットとデメリット、我が子や我が家とSAPIXの相性、SAPIX生はどんな一週間を過ごしているのか等、SAPIXの気になる点や最新情報をを詳しくお話していきます。
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