目次
1. 子どもをサピックスに通わせる場合の親のサポート例
2. SAPIXとの相性チェックリスト
3. 相性を見極めるために大切なこと
御三家や難関中学受験で突出した合格実績を誇るSAPIX(サピックス)。
SAPIX紹介記事③では、中学受験界で知らない人はいない大手進学塾SAPIXに関して、「我が子や我が家とSAPIXの相性はどうなのか」を中心にお話ししてきました。
今回はその続編をお送りします。
1.子どもをサピックスに通わせる場合の親のサポート例
前回お話ししたSAPIXと相性が良いと言える生徒の特性についてはもちろんのこと、SAPIXとの相性を考えるうえで大切なことのひとつにご家庭の環境があります。
SAPIXはこれまでもお伝えしてきた通り、保護者の方の負担が少なくない塾の代表格です。
具体的には以下のようなサポートが必要になってくるので、これらのフォローが継続的に可能な状況であるかどうかも、よくチェックしておきましょう。
教材整理、管理
SAPIXの教材は他塾の一般的なテキストスタイルと異なり、授業毎に当日配布される冊子・プリント・小テスト形式です。
その量は非常に膨大で、生徒自身で全ての教材を必要な時(定期テスト対策や過去問の類題演習用など)に効率よく使えるよう管理しておくことは難しいため、基本的には保護者の方のサポートが欠かせません。※SAPIXの教材整理についてはこちら
送迎、宿題フォロー、スケジュール管理
SAPIXの授業は終了時刻が遅めです。
例えば2023年の春期講習で比較すると、
SAPIX 18:00
四谷大塚 16:50
日能研 16:30
早稲アカ 15:00
2023年の通常授業では
SAPIX 21:00
四谷大塚 20:40
日能研 20:45
早稲アカ 20:30
といった感じです。
総合時間で比較すると他塾に比べ決して多いわけではありませんが、終了時刻が遅くなりがちなので、校舎から家まで遠いなど、場合によっては送迎の必要も出てくるでしょう。
また、SAPIXは宿題量が膨大です。
そのため生徒それぞれが習熟度に応じて取捨選択の上で取り組む必要があるのですが、その判断を生徒本人が正確に行うことは至難の業です。
この作業は基本的に保護者の方など第三者が行うことが望ましいため、そのようなフォローが日常的に必要であることも覚えておきましょう。
前回の記事でもお話ししたように、SAPIXは完全復習型です。
授業内容の深い理解や定着演習は家庭学習にゆだねられている部分が大きいため、一週間・一か月の復習・宿題・定期テスト対策などの学習スケジュールをしっかりと組み、進捗状況を見ながら臨機応変に組み替えていく必要があります。
これもまた生徒自身で完璧に行うことは困難なため、保護者の方など第三者による日常的なフォローが欠かせない部分と言えるでしょう。
2. SAPIXとの相性チェックリスト
※当てはまるほどSAPIXと相性が良く、その恩恵を享受しやすい状況であると言えます。
★生徒の状況
・成績優秀(トップレベルに近い)、習熟度が高い
・学習意欲が高くやる気がある
・競争好きで負けず嫌いである
・ストレス耐性が高い(sapixの頻繁なクラス替えに一喜一憂しない)
・日々の家庭学習・復習の習慣があたりまえに定着している
・御三家、難関校突破に照準を当てたSAPIX教材の難度・授業の進度についていくことが出来る
・毎回授業内のみで、ある程度内容を理解して来ることが出来る
・授業内のみで十分な理解は出来ないが、家庭教師などで毎回確実にフォロー出来る態勢が整っている
・御三家、難関校突破を目指している
★ご家庭の状況
・我が子が毎日あたりまえに机に向かう習慣がある、もしくはそのようにサポートすることが可能である
・日々の教材整理、管理のサポートが可能である
・学習スケジュールの管理、日々の宿題フォローが可能である
・我が子が授業についていけない場合、家庭教師や個別指導などのフォロー態勢を整えることが可能である(経済面やスケジュール調整などあらゆる面で)
・場合によって送迎などのサポートが可能である
・御三家、難関校突破を目指している
3. 相性を見極めるために大切なこと
さて、皆さんの適性はいかがでしたでしょうか。
SAPIXとの相性を見極めるために大切なことはただ一つ、現状をありのまま正確に見ることです。
SAPIX通塾を考えるご家庭の中には、毎年一定数の「極端なブランド志向の方」「合格実績だけに目を奪われたSAPIX信者の方」「高すぎるプライドでお子さんの現状や苦痛に目を向けてあげられない方」「SAPIXからの転塾は恥と思い込んでいる方」がいらっしゃいます。
素晴らしい合格実績を誇る大手進学塾SAPIXですが、何度もお伝えしていますように、我が子とSAPIXの「相性」を確かめもせずお子さんをSAPIXに放り込んでしまったり、「入塾すれば安泰」と勘違いしてその後一切の状況確認・フォローしなかったりした場合に苦しむことになるのは、大切なお子さんご本人です。
「中学受験をするなら御三家・難関校突破に照準を当てたSAPIXでなければ」とか、「SAPIXについていけなければ負け・転塾は恥」というとらえ方や思い込みは非常に盲目的で危険です。
そして、このような態度で中学受験に臨んでしまったご家庭の多くが最後まで事態を好転できず、お子さんにとって苦しいだけの日々の末、いわゆる「全落ち」などの辛い結果を招いてしまうケースが多いことを、頭の片隅に留めておいていただけたら幸いです。
中学受験が出来るのは一生でたった1度きり。
お子様の自己肯定感を育み、ご家族の絆を強くするという素晴らしい側面を併せ持つ有意義な中学受験体験のためにも、どうか今回お伝えしたポイントを参考にSAPIXとの相性を注意深く確かめ、お子様ご自身にとってのびのびと実力を伸ばせる最適な進路を選んでいただければ幸いです。
見極めに迷う場合にはご家族だけで悩まず、ぜひ校舎の先生(在籍中の場合)や、中学受験指導の経験が豊富な、信頼できる専門家に相談してみてくださいね。
以上、シリーズ4回目の今回は、「我が子や我が家とSAPIXの相性はどうなのか」の続編をお送りしました。
次回以降のSAPIX紹介記事では「SAPIXの生徒はどんな一週間を過ごしているのか」「SAPIXで結果を出すために大切なことはなにか」等、SAPIXの気になる点や最新情報をさらに詳しくお話していきます。
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