目次
算数 5年生は「割合」「速さ」など 4年生は「数」に関する確認を
国語は文種ごとの具体的な読解法をテキストで確認することが重要
市販の問題集などを使う場合の注意点
12月、もうすぐ新年、そしてその次の月から塾では新しい学年が始まります。
今回は、12月のうちにやっておきたい科目ごとの学習のポイント、前半として算数と国語についてお話ししたいと思います。
算数 5年生は「割合」「速さ」など 4年生は「数」に関する確認を
5年生は、今年習った内容のうち最重要単元である「比と割合」について、不安があるなら冬期講習会の前に復習しておくのがいいでしょう。
特にサピックスのお子さんは、冬期講習が復習内容ではなくどんどん進むカリキュラムになっていますから、不安がある単元は冬期講習の前までに、しっかりと押さえておきたいものですね。
また四谷大塚/早稲アカも、以前のカリキュラムにくらべると進度が早くなっています。
講習会も予習内容の割合が多くなっていますから、「講習会で復習すればいい」という考え方がしにくくなっています。
その他「速さ」「速さと比」「濃さ」なども重要かつ入試にもよく出題される分野ですね。
過去のテストの正答率表を頼りに、正答率が高いのにも関わらずお子さんが多く間違っている分野がどこにあるのかを把握し、取り組んでみましょう。
4年生も同様ですが、特に数に関して、小数と分数の関係がしっかり理解できているかなどに注意しましょう。
1/2=0.5 1/4=0.25 1/8=0.125
といった関係を覚えておくことも重要です。
もちろんこれからさらに
3/4=0.75 3/8=0.375 5/8=0.625 7/8=0.875なども押さえておくと万全です。
約数や倍数も多くの塾ですでに習ったと思います。
通分や約分、また数に関する入試問題でも
「7で割ると3あまり、9で割ると5あまる最小の数は…」
といった形でよく出題される分野ですから、理解度をしっかりチェックしてみてください。
実はこれらの「数」に関する知識や感覚は、高学年のお子さんでも弱い子が多く、一度、力を入れて復習しておくことはおすすめです。
国語は文種ごとの具体的な読解法をテキストで確認することが重要
4年生、5年生の国語は、読解の分野では6年生での実戦的な読解学習の前の準備として、いろいろな文種(物語文・説明文・論説文・随筆・詩・短歌・俳句など)ごとの「読解法」を学ぶ時期にあたります。
たとえば論説文であれば
・文章を「意味段落」(意味ごとのまとまり)に分けることができる
・各段落の「中心文」を見つけることができる
・各段落の中心文をつなげて文章を要約することができる
・筆者の最も言いたいこと(=結論)を答えることができる
といった技術を具体的に学んで身につけるべき時期であり、それらを問題演習やテストなどで実践する訓練の時期です。
4年生くらいであれば、文章を読んで内容が分かれば「なんとなく」で解いても点が取れることもあるでしょう。
しかし学年が上がり文章の内容が難しくなってくると、この取り組み方ではうまくいかないことがほとんどです。
ぜひ今年1年のテストを振り返り、お子さんが苦手としている文章の種類があるのかを確認してみてください。
そしてテキストに立ち返り、その文種を読み解く際の「具体的な手順」がどのように説明されているかを、あらためて親子で確認してみましょう。
語句や文法事項に関しては、公立中学校で習うくらいの知識は受験勉強ですべて扱うと考えていいでしょう。
品詞の知識や活用なども同様です。
特にことわざや慣用句に関しては、知識が豊富であるに越したことはありません。
「◯をとがらせる」(不満そうな様子)
「◯◯をたたく」(はっと思い当たる)
「◯を丸くする」(驚いて目を見張る)
◯に体の一部を入れて答えさせる問題など、非常によく出題されるものですね。
これらはご家庭の会話の中でも培える知識ですので、ぜひ日常会話に慣用句やことわざをどんどん入れてみてください。
市販の問題集などを使う場合の注意点
復習に塾のテキストを使うのもいいのですが、必ずしも使いやすいとは言えないケースもあります。
サピックスやグノーブルのように、週ごとに1冊のプリント冊子になっているテキストでは、復習したい単元の冊子を探すのに一苦労、という場合もあります。
また塾のテキストは、塾の先生が教えることを前提に作られています。
そもそも自学自習に向かないつくりであることが多いのです。
そこで市販のテキスト、問題集を使って復習しようというご家庭も多いと思うのですが、1つご注意いただきたいことがあります。
それは「欲張りすぎない」ことです。
まずはピンポイントで「ここを復習したい」という単元をはっきりさせましょう。
その上で、買ってきたテキストのどの部分を使うといいかを確認します。
そして「その部分だけ」を使いましょう。
もちろん派生することやその分野の前提知識など、やりたいことはたくさんあるのですが、ここでお伝えしたいのは「買ってきたのだから全部やらないともったいない」という考え方を捨てることです。
「つまみ食い」と言ってもいいかもしれません。
まずは「必要最小限」を学習し、その上で必要性を感じたら周辺知識や前提知識など、さらに学習を広げる、というアプローチで試してみていただければと思います。
私が監修させていただき、中学受験情報局の主任相談員、前田昌宏先生が著者である「中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 算数」も、そのように使っていただけることを前提に作られています。
ぜひ市販の問題集の上手な使い方についても、考えてみていただければと思います。
「中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 算数・基本からはじめる超入門」
4年生から使っていただける「魔法ワザ」2023年12月19日発売です
次回は理科・社会の復習についてお伝えしたいと思います。
充実した冬休みにしましょう。
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