こんにちは。
名門指導会の西村則康です。
前回は6年生の過去問対策が始まってから、成績を伸ばし、志望校合格を達成するお子さんに共通する「4年生・5年生のうちに身につけている学習法」についてお話しました。
今回のメルマガでは、先日名門指導会のプロ講師の意見交換会でもテーマに挙がった、新学年が始まるまでに、「今何を意識して、どんな学習方法に切り替えていくべきいくべきか?」具体的にお話していきます。
【目次】
1. 【まずはチェック!】こんな勉強をしていませんか?成績が伸び悩む子と成績が伸びる子の違いとは?
2. 成績が最後まで伸びない誤った対策&このまま続けた場合に起こるトラブル
3. ご家庭で今できる対策は?小さなハードルでコツコツと確実に。
1. 【まずはチェック!】こんな勉強をしていませんか?成績が伸び悩む子と成績が伸びる子の違いとは?
前回のメルマガでは、
時間が経って忘れてしまうことと、問題を解いて、「何を使えばよいか?」気づけなくて正答できないことは、プロ家庭教師の観点では、本番試験までは一向に構わないこと
をお伝えしました。
ただ、まちがった問題を、一口に「あーそういうことだったのか」とお子さんが言うのにも、実は2つの大きな違いがあります。
A. 本当に、気づかなかっただけ or すぐに「あのやり方を使えばいいのか!」「あの話か!」と思い出せる場合。
B. 「そういうことか」と言いつつも、解説を読んでも上手くできず、テキストで1からやり直さなくてはいけない場合
この2つには大きな違いがあります。
お子さんが「1度しっかり理解して、頭には入っている」のがA。
Bは、「とりあえず、その時は解き方や、こう聞かれた時、今回のテストの範囲では、これを書けばいい」という勉強になってしまっていることが、すぐにわかります。
当然Aのパターンではお子さんの成績は伸びていきますが、
Bのパターンは、1度やったことを何度も覚え直しては忘れることを繰り返すため、どうしても成績は伸び悩みます。
1つチェックを用意したので、確認してみましょう。
下記のうち、当てはまることはいくつありますか?
□ 週テスト・月例(マンスリー)はある程度得点できるが、実力テストになると下がる
(or 週テストはできるが月テストはできない or 週テストもできない)
□ 家で何度も対策したのに、正答できないことがよくある
□ 小さなミスが重なり、点数が伸びないことが続いている
□ 問われ方が少し変わると、途端にできなくなってしまう
(テキストにある典型題や何度もやった形式の問題しか解けない)
□ 少し前にやったことを忘れて、思い出すのに時間がかかる or ほとんど1からやり直す必要がある(頭に残っていることが少ないと感じる)
□ できない問題を考えて理解するより、できていることをひたすら解くことが学習の主軸になっている
いくつ当てはまりますか?
1つでも心当たりがある場合は、日々の学習が「1問1問考えて理解する勉強」ではなく、「とにかく今日の宿題を覚えてしまう、その場しのぎの勉強」になっている可能性が高く、当てはまる物が多いほどその傾向が強いと言えます。
もちろん、これはお子さんを責めているわけではありません。
学年が進むに連れて、とにかく膨大な課題を終わらせることが優先され、どうしても目の前のことを覚えることで精一杯になってしまう中学受験の特性自体に課題があるのです。
親御さんが、そのことを踏まえて対策をすることが成績UPの鍵なります。
一方、6年生の最終盤でも成績を伸ばせるお子さんの学習を見てみると…
□ 実力テストは、テスト前に対策をして思い出しておけば、点数が取れる
□ 家で対策していることは、テストでも正答できる
□ 必要な作業が省略されず、ミスが少ない(同じミスを繰り返さない)
□ 問われ方が変わっても、落ち着いて考えれば1人で正答できる
□ 少し前にやったことは忘れていても、すぐに思い出せる
□ できない問題を考えて、理解する時間を嫌わない
とはいっても、もちろん、これは理想形です。
ここに如何に早く(理想は5年終了時だが、何とか6年夏までに)近づけるか?を考えていきます。
2. 成績が最後まで伸びない誤った対策&このまま続けた場合に起こるトラブル
改めてこのようにまとめると、既にお気づきと思いますが、「学年が上がったから、勉強量を増やす」「いろんな問題集を使う」といった対策だけでは、どうしても成績は伸びません。
短期的に覚えられる量が増えるだけで、頭に定着しないため、結局何度もやり直すという、成績が伸びない根本の原因は変わらないからです。
日々の勉強で、
「なぜ、そうなるのか?」
「なぜその解法を使うのか?」
を考える学習方法を少しずつ身につけ、「難しい」「わからない」問題こそ、考えた先に理解が育ち、成績が伸びることを実体験できなければ、中学受験の成績UPは叶いません。
つきなみな言葉ですが、「質」のない「量」に頼った勉強では、難関校の合格には到底届かないのが現実です。
これは、どんなに優秀なテキスト・教師がいても変わらない事実です。
既に、勉強した分だけ成績が上がる学習ルーティンができているお子さんだけが、適度に学習量を増やすことで成績を伸ばすことができます。
成績が伸び悩んでいるご家庭が、今のままの「とにかく覚える」という学習を続けてしまった場合どうなるのか?
もっともわかりすい弊害として、「受験最終盤の過去問演習」で成績が上がらなくることが挙げられます。
過去問は中堅校の問題を含め、塾のテキストに乗っている問題よりレベルが高く、1問を解くのにも、いくつもの知識を複合的に使用することが求められるのが当たり前で、4〜5年生で勉強してきた知識を総動員しなければ解けない問題です。
当然受験本番では毎年、初見の問題も出てくるため、通り一遍の暗記では乗り越えることができません。
というより、暗記だけで対応できる問題は、当然ほぼ全員が正答してきますので、受験の勝敗を分ける肝心の問題を正答することができないのです。
また、過去問対策自体でも大きな差が開き始めます。
6年生の夏までに必要な知識を頭に定着できなかった場合、まちがった問題を都度テキストに戻ってやり直す必要が出てきます。
これだけでも大きなタイムロスになりますが、また「やり方を覚える」だけになるので、次々に過去問をやっていく中で、やり直したことが頭からまた抜けてしまうのです。
これこそが、実際に6年生の今、終盤でグングン成績を上げていくお子さんと、どうしても点数が伸びないお子さんの大きな違いです。
もちろん「最終的に合格点を超えれば合格できる」ことは正しいのですが、**6年生の夏までに、「わからないことを考えて、納得して、理解する」学習法が確立できなければ、「最低点を超える勉強」ができないことを、まずはお父さん・お母さんが必ず理解してください。**
6年生の夏までに…と言いましたが、当然、4年・5年の早い段階から「考えて理解する学習ルーティン」を作れたお子さんほど、志望校合格は確実になっていきます。
6年前半の学習内容は、これまでの総復習です。
この中で、これまでの知識を「考え、納得し、理解する」レベルの学習ができれば、当然、過去問対策の効率は段違いになりますし、6年までに固まった知識が多いほど、6年前半の成績の伸びは驚異的になっていきます。
遅れるほど、取り返すのには時間がかかるため、6年終盤の追い上げに頼るより、今のうちに正しい学習ルーティンを身につける方が、お子さんの負担も少なく、かつ確実に志望校合格を達成できる可能性が高くなります。
大事なことなので、何度も読んで、ここまでをお父さん・お母さんには確実に理解していただきたいです。とはいっても理屈・理論はここまでにして、具体的にご家庭で今やるべきことについて触れていきましょう。
3. ご家庭で今できる対策は?まずは1問。小さなハードルでコツコツと確実に。
まず、お子さんの学習方法を変えていくにあたって、意識して欲しいことは、下記の5つのポイントです。
□ 問題を解くこと・宿題を終わらせることを「勉強」と考えない
□ わからない問題について、「やり直しなさい」「読みなさい」と、子どもだけで勉強させることを止める
□ 繰り返し解く前に、「なぜ、そうなるのか?」「何を使うのか?」という理屈を必ず考える
□ わからない問題の中から、最大限できることを増やすことを意識する
□ 回答に必要な作業は「なぜ、必要なのか?」納得を重視する(作業を省略しない)
成績を上げるには全教科共通して、「わからない問題を、考えて、納得し、理解する」までがワンセットです。
そのため、ただ塾の宿題を解くだけでなく、「わかっていない問題」「正答してても、実は覚えているだけの問題」を理解できるようにしてあげることが求められます。
改めて考えていただきたいことは、「これは小学生だけでできること」か?という点です。
余程簡単な問題なら、解説を読めば何とかなると思います。
ただ、教えることが専業の塾の先生の授業を聞いてもわからなかったことを、「小学生1人で理解しなさい」というのは到底無理がありますね。
そのため、子どもだけで勉強する…という選択肢は除外しなくてはなりません。
もちろん、お父さん・お母さんが忙しく、教えて上げることが難しい問題もたくさんあります。
1. まずは解説を読んで、正答できるかを確認
2. 正答でき、かつ、「なぜそうなるか?」を拙い言葉でも説明できればOK
3. 2が不可の場合、数問であれば、塾の先生に質問に行って対策
お父さん・お母さんの役割は、あくまで「理解できているか?わからないことの内、何をやるか?」のチェックに徹します。
塾の先生はスキルの差はあっても教えることが専業のため、塾の先生の解説を聞いて理解できない問題を家で解説すると、余計にわからなくなってしまうことの方が多いです。
そのことに注意して、「わからない問題」をまずは1問、しっかり理解する経験を積ませて上げてください。
この1問目が大事です。
この1問を通して、「どうやって勉強すれば成績が上がるのか?」を確実に体感してもらうのです。この積み重ねをしばらく続けていけば、お子さんだけでもできることは増えていきます。
1つ注意していただきたいのが、ご家庭で対策する場合は、この方法を全部の「わからない問題」には適用できない点です。
塾の先生に個別に解説してもらえるのは、多くて2問程度です。
他の生徒さんの質問にも答えないといけないため、この壁を超えることは非現実的と考えましょう。
とはいっても、どうしても専門的な指導がいるため、親が過剰に教えすぎるは却って逆効果になることにも注意してください。
ここまでは全ご家庭に取り組んでいただきたいです。
特に5年生は本当に時間が限られており、来年度の志望校合格を確実にするためには、6年生開始2ヶ月までには、正しい学習ルーティンを身に着けておきたいのが本音です。
また4年生も早期に正しい学習習慣を習得できると、本当に選べる学校の選択肢が増えます。
お父さん・お母さんが上手く対応できない場合や、お子さんが言うことを聞いてくれない場合で、今まで通りの学習を続けてしまうなら、プロ講師に頼ることも検討しましょう。
4. 困ったらプロに相談…でも「授業をやるだけ」の講師は逆効果になりやすい。
ご家庭だけで対策できることもありますが、やはりご家庭だけの力では限界があります。
より確実に、もっと早く結果を出すためには、必ずプロの家庭教師・個別指導の相談が必要です。
難関校合格の手堅い指導実績があるプロ講師の指導があれば、
わからない問題のうち何から手をつけていくのが最速か?またお子さんが、納得して、取り組みやすい問題はどれか?を考えることができ、1週間でできるようになることを、飛躍的に増やし、早急に正しい学習ルーティンを習得可能です。
ただ、もちろん、家庭教師・個別指導をつければ解決するという話ではありません。
ここまでお話したことを理解した上で、お子さんが自力で「理解することを目的に勉強する習慣」を作れる講師が求められます。
反対に「塾でわからなかったことを、もう1度授業をし直して、解説し、課題を出す」だけの先生を付けても、「今の塾の先生に質問しに行って、追加課題をもらうだけ」と変わりません。
このような、学習時間(量)が増えるだけの指導では、やはり効果が出にくことに留意してください。成績UPには、お子さんにあった、指導経験のある先生を選ぶことが何より重要になります。
5. プロ家庭教師の指導で達成できること/ただし、先生を決めるのは2月以降がオススメ
最後に、過去問レベルの問題にも十分対応できるだけの知識が身につく学習方法を、プロ講師がどのように習得させるのか?その流れを簡単に紹介します。
名門指導会のプロ講師の指導を例に挙げると、3つのポイントを徹底して、3ヶ月以内に「理解して納得し、自分で考えて新しいことを習得できる」学習法を習得することを目的に指導を行います。
STEP1. 「まずは、実はできていることに気づく」やる気の回復
STEP2. 「わからない問題が、次々理解できる」成功体験の積み重ね
STEP3. プロの指導を、自学でも発揮できるルーティン化
STEP1. 「まずは、実はできていることに気づく」やる気の回復
初回の指導で、次のテストで+5〜10点を狙います。
すでに十分理解しているけれど、上手く回答できていないだけ…といった、簡単に対策できることを重点的に対策し、**「頑張ったらできる」ことを実感してもらい、お子さんのモチベーションを上げます。このステップがあって初めて、「わからない問題」に挑戦する気持ちが芽生えます。**
**STEP2. 「わからない問題が、次々理解できる」成功体験の積み重ね**
わからない・できない問題に加え、「正答してるけど実は理解が不十分な問題」の中から、理解しやすいものから順に最速で対策していきます。
これまでできなかったことを、一緒にじっくり考え、適時声かけを行いながら、お子さん自身が考えて納得し、理解できるまでをサポートします。
**無理なくできる問題から初め、次第にレベルを上げながら、「考えればできる」という成功体験を次々に積んでいきます。**
**STEP3. プロの指導を、自学でも発揮できるルーティン化**
実際に講師とともに勉強する中で、「やり方」を実体験し、勉強において大切なポイントを都度伝えていきます。最終目標は、講師が隣についていないときに、わからないことも、自分で考えて、理解できるレベルの学習が自力でできるようになることです。
上記の流れを最長でも3ヶ月以内に達成するように、名門指導会では指導します。
参考になりましたでしょうか?
最後に、この記事を読まれて、家庭教師・プロ講師の指導を検討される場合、1点だけ注意があります。
それはプロ家庭教師・個別指導をご検討の際は、来年の2月に先生を決められることをオススメします。最難関校に合格実績のある先生は6年生のコマ数が増えており、新規の受付が難しいのが、中学受験業界の11月以降の特徴です。
名門指導会も体験授業も含めて、全講師の予定が一杯となっており、現在新規の受付を停止しております。
名門指導会では、6年生終了後の、優先予約も改めて募集しますので、ご検討の際は今しばらくお待ちいただけると幸いです。
この記事を読まれて、疑問・質問があれば、まずは私、西村がお答えしますので、info@meimon.jpまでご連絡をください。
受験相談・体験授業お申込み
必須の項目は必ず入力してください。
ご相談内容をより詳しく書いていただければより的確な回答をお渡しできます。