2・3月は新しい学習サイクルの構築を目指して

西村則康近影

西村則康 名門指導会代表

40年以上、難関中学・高校受験指導一筋のカリスマ家庭教師。
「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で入り込む授業を実践している。受験を通じて親子の絆を強くするためのコミュニケーションをアドバイス、コーチング手法も取り入れ、親子が心底やる気になる付加価値の高い指導を行う。

目次

1年でいちばんつまずきやすい時期
ポイントはこれまで「余裕」があったか
もうすでに「目一杯」になっているなら要注意

1年でいちばんつまずきやすい時期

各塾共に、受験が一段落し新年度の授業が始まりました。

新小5生にとっても新小6生にとっても、この2月から3月が大切な時期になりますね。

そして、今が1年で一番つまずきやすい時期でもあります。

それは、学習内容、レベルが一段階高まることで、これまでの学習スタイルが通用しなくなる危険性がある時期だからです。

この時期につまずく子が多い一方で、軽々と一段高くなった学習内容をクリアしていく
子どもたちもいます。

その見分け方は意外に簡単です。

ポイントはこれまで「余裕」があったか

これまでの生活に、じゅうぶんな余裕の時間があったかどうか。
これまでの生活に、豊かな気持ちの余裕があったか。

この2点から、これまでのお子さんの生活を振り返っていただきたいのです。

気持ちの余裕は、知的好奇心を育てる基盤になります。

いつもいつも勉強に追いまくられているという脅迫感を持っている子どもには知的好奇心が育たず、目先のテストの点数だけにこだわってしまうことになります。

「点数を取りたい」という気持ちは非常に大切です。

その気持ちが、お子さんを

「次のテストで点数を取るために、とりあえずやり方を丸暗記してしまおう」

という行動に向かわせるか、

「自分自身の頭の中で、納得いくまで考えて理解する」

ための行動に向かわせるかで、結果は大きく異なってきます。

もうすでに「目一杯」になっているなら要注意

「もう既に、目一杯になってしまっている」というお子さんは要注意です。

学年が上がれば、学習内容は一段難しくなり、しかも、学習しなければならない量は、1.5倍程度に増えます。

今すでに目一杯になっているという自覚があるなら、勉強量を減らして、その上で成績を上げていける勉強方法を見つけ出してあげる必要がありますね。

学習すべき内容を上手に取捨選択することで、一つ一つの問題に向き合う集中力が高まり、結果的に少ない学習量で成績を上げてきた子どもたちを、私は数多く見てきました。

もし、お子さんの日々の学習が、「あたふたとした、丸暗記学習」になっていると感じられたら、ここ1・2ヶ月の間に対策を取ってあげてください。

ポイントの1つに、4・5年生までは、できれば日曜日を丸一日空けた状態にしてほしいということがあります。(模試などの日を除く)

6年生になると、どうしてもやるべきことが多くなり、また特訓(早い塾では2月から日曜の特訓が始まります)などにより、日曜日の学習量が多くなります。

それは仕方がないことなのですが、4年生・5年生の段階で日曜日を学習で埋めてしまっていると、6年生になると破綻してしまうのです。

ぜひこの2ヶ月で、新しい学習サイクルの構築を目指してみてください。

春休み前に一度、振り返りができればいいですね。

       

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