目次
1. 勤労感謝の日のルーツは「新嘗祭」
2. 新嘗祭と大嘗祭・神嘗祭
3. 「国民の祝日」に関する知識は、差がつく知識
日毎に朝夕の冷え込みが厳しくなってきましたが、受験生の皆さんはお元気ですか?
11月23日は「勤労感謝の日」で、今年最後の「国民の祝日」です。
1. 勤労感謝の日のルーツは「新嘗祭」
「働く人に感謝する日かな」と、お父さんお母さんに毎日のお礼を言えた皆さんは偉いですね。
でも、「勤労感謝の日」の意味はそれだけではありませんよ。
今日は、2022年度の筑波大学駒場中学校でも出題された「勤労感謝の日」という国民の祝日について少しお話しますね。
「勤労感謝の日」は「勤労を尊び、生産を祝い、国民がたがいに感謝しあうこと」を趣旨とした「国民の祝日」ですが、もとは『新嘗祭(にいなめさい)』という、宮中で最も大切にされたお祭りの日でした。
新嘗祭の「新」は新穀=初穂(はつほ)、「嘗」は御馳走・神様にお供物をすることなどを意味するといわれ、当日は天皇が神様に新穀を奉り、自らも食して豊作の感謝を伝える儀式が催されます。
その歴史は長く、飛鳥時代から始まり現在でも毎年全国の神社で行われている日本の伝統的な行事であり、もともとは11月2回目の「卯」の日に行われていました。
それが後に11月23日に祭日として固定となっていたのですが、第二次世界大戦後、国家神道の色が強い「新嘗祭」はḠHQに目をつけられました。
なぜGHQの占領政策においてこの祝日や儀式が問題視されたのか、歴史を勉強している皆さんなら判りますよね。
そして、天皇の国事行為から切り離す形でこの祝日は儀式的な部分が排除され、名称も「勤労感謝の日」と改められたのです。
勤労を尊ぶことはもちろんですが、「勤労感謝の日」には、そのような歴史的背景や意味もあることを、ぜひ覚えておいてくださいね。
2. 新嘗祭と大嘗祭・神嘗祭
ところで、新嘗祭のうち、新天皇が即位して初めての新嘗祭のことを特に「大嘗祭(だいじょうさい)」と言います。
そして、似たお祭りに「神嘗祭(かんなめさい)」というものもあります。
神嘗祭は新嘗祭と同じく神様に五穀を奉納するお祭りですが、こちらは新嘗祭に先立ち10月に行われます。
装束などを一新することから「伊勢神宮の正月」とも言われており、新嘗祭と違って
・「祭日」ではあるけれど「祝日」では無い
・「色々な神々」ではなく「天照大神(あまてらすおおみかみ」に初穂を捧げるお祭りである
などの特徴があります。
収穫の恵みに対する感謝をまずは(日本神話で主神とされる)太陽の神アマテラスに伝え、さらに他の神々にも伝え、そして天皇が食す、という順序になっているのですね。
過去、男子御三家では「新嘗祭」「神嘗祭」「大嘗祭」の細かな違いまで問われた例もあるので、このあたりまでしっかり理解しておけたら良いですね。
3. 「国民の祝日」に関する知識は、差がつく知識
学習指導要領には、
「各々の国民の祝日に関心をもち,我が国の社会や文化における意義を考えることができるよう配慮すること。」
という文言があります。
中学受験にも実はよく出る「国民の祝日」ですが、サピックスでは社会科の1単元としてテキストも用意されている一方、ある大手塾では授業での扱いはほぼありません。
塾や先生の方針によって学習量が大きく異なる「国民の祝日」に関する知識は、知っておけば周りに大きく差がつけられるので、ぜひ身につけておきましょう。
まとめて受験直前に学習するのは大変ですから、お休みが嬉しい「国民の祝日」が来たら、その都度由来や意味を調べてみるのがおすすめですよ。
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