目次
1. 時事問題は学校からのメッセージ
2. 志望校の出題傾向を確認しよう
3. 時事問題への対策方法
4. 時事問題の演習は市販テキストで
限られたテスト時間の中で、以前は「捨て問」と見限る人も多かった時事問題。
近年は中学受験でも出題の比重が高まり、特に「科目横断型」の出題では必ずと言って良いほど社会問題が扱われています。
1. 時事問題は学校からのメッセージ
今世の中で何が起こっているのか。
それに対して自分は何が出来るのか。
入試問題で時事問題を扱うということは、生徒となる皆さんに「社会に関心を持ち、それを正しく捉え、自分なりに分析・思考し、行動する」ことができる人になって欲しいという、学校側からのメッセージでもあると思います。
しかし、時事問題対策は大手塾ではなかなかフォローしにくい分野です。
というのは、基本的に時事問題は出題範囲の指定が無く、中でもボリュームのある記述を伴うタイプの場合はマンツーマンの丁寧な添削指導が欠かせないからです。
ですからほとんどの場合、大手塾では入試直前に重大ニュースのチェックや授業が1,2回ある程度で、十分な対策指導は行われていないのが現状です。
2. 志望校の出題傾向を確認しよう
それでは、時事問題はどのように対策したら良いのでしょうか。
まず大切なのは、自分の志望校がどのように時事問題を扱っているかを知ることです。
少なくとも3~5年分の過去問を入手し、時事問題が出題されているか、されているならばどのような特徴があるのか、配点が公表されている場合は点数の比重はどの程度か、などを確かめましょう。
基本的に時事問題に範囲はありませんが、学校によっては出題範囲・もしくは「出題しない」範囲を明確にしています。
出題内容も、理科系を好む学校、社会系を好む学校、特定のトピックに関心を寄せている学校など、それぞれに特徴があることが分かります。
(どの科目で出題されているかもチェックしましょう。社会科とは限りません。)
次に重要なのは記述の有無です。
単純に名称を答える、簡単な説明をする程度なら問題ありませんが、
「このようなことが起こった背景にはどんなことがあると思いますか」
「解決するにはどうすれば良いか、自分の考えを述べなさい」
というようなボリュームのある記述、思考力を問われる記述が課せられている場合には、特にしっかりした対策が必要です。
3. 時事問題への対策方法
志望校の時事問題の傾向が確認できたら、早速それに合わせて対策を始めましょう。
一般的に、出題範囲が指定されていない場合も、その年の重大ニュースが扱われることが多いです。
入試問題作成時期の関係で、秋以降のニュースは基本的に出題されないと考えて大丈夫ですが、秋から本番直前までにまとめてその年のニュースを振り返るのではなく、できる限り、日々新聞やネットでニュースをチェックすることを日課にしておくのがおすすめです。
世の中の流れをリアルタイムで感じながら、その都度「自分はどう思うか」考えたり書き出したりしておくことは、特に自分の考えを求められるような思考型タイプの時事問題対策として大いに役立ちます。
また、もちろん扱われるのはその年の出来事ばかりとは限りませんから、大きな事件などが起こったときには、そこに至る経緯や、それにまつわる事柄・背景も資料集やネットを利用して深掘りしておきましょう。
記述を伴う時事問題で扱われやすいのは、答えのない問題や、長い間多くの人や国が協議し力を尽くしながらも解決できずに今に至っている問題です。
時間の余裕がない人はそのようなトピックに出会ったときだけでも、理解を深めておいてくださいね。
ふだんの学習から「ぶつ切りの知識」で満足せず、学んだ内容を体系的に整理し、つながりをもって理解する姿勢で取り組んでおくことも、時事問題の記述対策に非常に有効ですよ。
ニュースを毎日チェックするのは面倒ですが、「朝起きてすぐ」「夕飯を食べたら」等タイミングを決めておくと、食事や入浴と同じようにいつの間にか当たり前にこなせるようになるので安心してください。
要旨のまとめや意見の記述などは1週間に1回などでも構わないので、日常的にそのような心がけをしておくことで、本番の知識の厚みはまるで違ったものになります。
4. 時事問題の演習は市販テキストで
また、演習としては市販のテキストが使いやすいと思います。
夏の終わり~10月半ば頃には大手塾や出版社がこぞってその年の重大ニュースをまとめた参考書兼問題集を発行しますから、是非活用してくださいね。
何冊も購入する必要はありませんから、1~2冊、自分の志望校に出題の仕方やトピックの選び方が近いもの、自分が使いやすそうだと感じるものを手に入れて、早いうちから少しずつ取り組みましょう。
皆さんが万全の対策で時事問題への不安を払拭し、自信を持って本番に臨めることを願っています。
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