この中学受験、やめた方が良い?不安な君へ ~その➁~中学受験で得るもの

西村則康近影

西村則康 名門指導会代表

40年以上、難関中学・高校受験指導一筋のカリスマ家庭教師。
「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で入り込む授業を実践している。受験を通じて親子の絆を強くするためのコミュニケーションをアドバイス、コーチング手法も取り入れ、親子が心底やる気になる付加価値の高い指導を行う。

目次

なぜ中学受験を選ぶ人がいるのか
中学受験で得られる4つのメリット
高校受験の選択肢が少なくなっている
それでも中学受験を選ぶ理由とは

高く澄んだ空に、大きく深呼吸したくなる季節になりましたね。

前回は、本番が近づくにつれ大きくなりがちな「受験の不安」への対処についてお伝えしました。

記事の中では、受験をやめようかと迷う生徒さんについて例を挙げてお話ししました。

もちろん受験勉強を継続することだけが正解ではありません。
今回は、中学受験をする意味を、あらためて一緒に考えてみましょう。

なぜ中学受験を選ぶ人がいるのか

前回もお伝えしたように、中学受験で第一志望校に入学できる人は3人に1人と言われています。
つまり、残りの2人は第一志望校に入学出来ないのが現実です。

「公立中があるんだから、もう公立でよくない?」
「受験はお金もかかるし、遊ぶ時間もなくなるし……」
「今の私レベルの成績で、挑戦する意味あるのかなぁ」
「勉強は大変だし、家族もサポートが大変そう」

いずれの意見も不安も、一部真実であり、もっともです。

しかし、そんな厳しい中であっても中学受験率が増加傾向にあるのはなぜでしょうか。
そして、親子ともども「あの中学受験をして本当によかった。成功だった」と振り返るご家族が実際にたくさんいるのはなぜなのでしょうか。

中学受験で得られる4つのメリット

中学受験を通して受験生が得られるものとは何なのか。
まずは、その主なメリットを4つに分けて挙げてみましょう。

①精神面の成長が期待できる
・目標に向かってめげずに努力を続ける。
・コンディションのすぐれない時も力を発揮する。
・遊びたい気持ち、サボりたい気持ち、眠ってしまいたい気持ちなど、様々な感情や欲望をある程度自分でコントロールする。
・成績やクラスの昇降、噂話や周りの様子など、様々な精神的負担にも大きく左右されず、自分のことに集中できる強い心を持つ。

10代の多感な少年少女にとって、中学受験は体力面だけでなく、精神面でも厳しい環境にさらされる、負担の大きなチャレンジです。
しかし、それゆえ忍耐力、自制心、精神力が鍛えられる機会ともなり得るのです。

②家族の絆が深まる
中学受験は親の受験、とも言われるように、本人だけではなく、家族のプロジェクトであり、家族の挑戦といえます。

まだ年齢的に幼い受験生本人だけで学習内容や受験日程のスケジューリングをすることは出来ません。
宿題や課題のフォロー、塾の送り迎え、弁当作り、教材の管理など、様々な場面で保護者の方の手を借りることもあるでしょう。
本番までに本人が不安定になり、精神的に支えてもらう機会も何度も出てくるでしょう。

渦中ではそんなふうに感じる余裕は無いかもしれませんが、親子で泣いたり笑ったりしながら乗り越えていく、そんな波瀾万丈の数年間が、確かな家族の絆を育んでくれるのです。

これは、受験の最中や直後よりも、中学進学以降の長い人生における親子関係の中で深く実感するものです。
合否に関係なく、この経験を経たことで、より良好な(親子間でトラブルがあってもきちんと話し合い、互いを尊重しあって解決できるような)親子関係が築けた、互いの信頼が深まった、というご家庭はとても多いです。

③学ぶ喜びに出会える
まるで歯が立たなかった問題が自分の力で解けるようになる。
たくさんの知識が体系化し、様々なことが科目を超えて頭の中で繋がりを持っていく。

学ぶ喜びに出会えることは、中学受験における大きなメリットの一つです。
もちろん、中学進学後の学習にも素晴らしい影響を及ぼすでしょう。

④進学希望の大学に一歩近づける
将来進学を希望している大学があり、それが偏差値的に難関である場合、中高一貫校に入学すること、中学時代から学力の高いクラスメイトに囲まれた環境で仲間と切磋琢磨出来ることは一つのメリットと言えます。

一般的な公立校では、どうしても全員が納得して進められるよう授業が行われます。
そのような学校ではクラスメイトの学力も様々なので、常に高度な授業を受けることは難しいでしょう。

私立校では基本中高一貫のため高校受験が不要であり、その分大学受験を見据えた6年間のカリキュラムが組まれています。
6年間の学習範囲を高2までに終わらせ、最後の1年間は各自の希望する大学受験に向けた対策のために有効に使えるようになっています。
高校受験にかけるタイムロスを無くし、大学受験に集中して時間を使えるのです。
私立校にとって進学実績は人気に直結しますから、それぞれの学校が独自の取り組みを行い、大学受験指導にも力を入れているのが実情です。

以上が中学受験の主な4つのメリットです。

高校受験の選択肢が少なくなっている

また、中学受験を選ぶ理由として、近年は高校受験で入学できる私立中学校が減少しているため、中学受験でしか希望の学校に入学ができないから、というケースも多いでしょう。

冒頭で挙げた、自分は成績がイマイチだから中学受験にチャレンジしても無意味では?と考えている人には、いわゆる「御三家」や「超難関校」ばかりが中学受験で目指すべき学校ではないということを、知ってほしいと思います。

学校には、それぞれの設備や校風、宗教、教育理念などの個性があります。
10代は、学力的にはもちろん、精神的にもたくさんの刺激を受け大きく成長できる、かけがえのない時です。

IT技術、データサイエンスの素養を身に付けたい。
憧れの卒業生がいる。
入りたい部活がある。
教育理念に惚れ込んだ。
同じ大学を目指す仲間が集まっている。
園芸の授業がある。
国際教育のプログラムが充実している。
セーラー服が着たい!

決め手は何でも良いと思います。
皆さんが、それぞれの性格や考え、理想の学校生活、将来の夢などに見合う環境の中で、「一生の友」となり得る学友たちと共に、充実した素晴らしい日々を過ごせることが、なにより大切なことではないでしょうか。
そして、自分に合った環境のもとでのびのびと成長しながら仲間と切磋琢磨する中で、成績も驚くほど伸びてくる、ということもよくあります。

それでも中学受験を選ぶ理由とは

以前お伝えしたように、高校受験が合うタイプのお子さんもたくさんいますし、それを選ぶメリットももちろんあります。
しかし、これまで以上に不透明で、未来が誰にも予測できないこの時代に、教育や講師陣がどのようにあることで生徒たちが幸せになるサポートができるか、どのようにしたら、どんな世の中にも負けないような、自ら考え、行動するたくましさを育めるだろうかと、それぞれの理想像や課題感をもって取り組んでいるという点で言うと、相対的に、建学の精神が明確である私学の中高一貫教育が期待できるかもしれません。

中学、高校での6年間で得た様々な経験は、必ずや皆さんのその後の人生の力になります。

中学受験本番が近づき、受験をやめようかと真剣に悩んでいる人には、現在の学習状況はもちろんですが、自分が中学受験を目指す(目指してきた)理由、目指したい学校、思い描く理想の学校生活、将来のことなど、様々な角度から冷静に、他でもない「自分だけの」中学受験を捉え直し、決断をしてほしいと願っています。

言うまでもなく、中学受験生の皆さんが闘う相手は、究極的には去年の自分、昨日の自分、これまでの自分自身です。
皆さんが自分に打ち勝つ日々を重ねて、最後に自分を誇れますように。

皆さんが来年の春、そしてその後もずっと、晴れ晴れとした笑顔でいられるよう、心から応援しています。

受験で勝てる子の育て方
「受験で勝てる子の育て方」
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