目次
★読解の復習教材★
●SAPIX Bテキスト・各種テスト(6年)
●SAPIX 土曜特訓教材
● 『新小学問題集 中学入試編』(ステージⅠ・Ⅱ・Ⅲの3種)
御三家や難関中学受験で突出した合格実績を誇るSAPIX(サピックス)。
前回の紹介記事『SAPIXはどんな塾?2023 ~⑫SAPIX6年 前期 国語の苦手分野克服教材 (2)~』では、中学受験界で知らない人はいない大手進学塾SAPIXにおける6年前期の重要課題「苦手分野克服」でSAPIX生が実際に用いている国語の復習教材(知識分野)についてお伝えしました。
シリーズ13回目の今回は、国語の苦手分野克服でSAPIX生が実際に用いている、読解分野の教材等についてお話ししていきます。
★読解の復習教材★
知識分野と同じく、読解分野でも教材をSAPIXのオリジナルテキストに限定する必要はありません。
むしろ、一度取り組んだSAPIXの教材を用いた復習のみでは読解力は上がりません。
この後お話ししますが、講師にも相談しながら自分の志望校に合った復習用教材を見極め、学習を進めていきましょう。
まずは中学受験国語における読解復習(演習)で、SAPIXの6年生が実際に使用している教材をお伝えしていきます。
●SAPIX Bテキスト・各種テスト(6年)
ご存知の通り、SAPIXのBテキストやテストはいわゆる御三家・難関校入試(特に開成、麻布、駒場東邦など最難関の男子校)を長年研究し尽くした上で作られており、引用されている文章自体もそれらの学校の過去問から用いられているものが殆どです。
大手中学受験塾の中でもSAPIXの国語教材は扱っている文章のチョイス、オリジナル問題ともに非常に秀逸で上記のような学校の記述対策としては最も優れていると言っても過言ではありません。
ある程度読解・記述力のある人(SAPIXの各種テストの記述分野で常時6割以上は得点できる人)は、ぜひともこれらの復習をやりましょう。
その際、6年(もしくは余裕があれば5.6年)全てのテキストやテストの間違えた問題を解き直すのももちろんアリですが、基本的に読解の復習は知識分野の復習と異なり、一度解いたものの文章の内容や答えが記憶に残りやすいため効果が得られにくく、時間が限られている場合はあまりおすすめ出来ません。
これらの教材を使用しての復習は、あくまでもコツを掴むため・身体で答え方や型を覚えるための作業と思ってください。(時間がたっぷりあればもちろん全て解き直しをしてもOKです。それができる時間と根性と作業量があれば、読解力は必ず上がります。やり方は以下を参考にしてくださいね。)
大切なのは復習の際、ある程度(5〜10分程度)考えてもまるで太刀打ちできなければ、20-30分そこで止まってしまわずに、潔く答えを見ることです。
ただし、答えと解説を見て納得して終わりではありません。
それでは何の力にもなりません。
解答を読んで本文のどこからヒントを得たのか、その思考のプロセスを確認した上で、必ず模範解答を、そっくりそのままノートなどに書き写してください。
実際に手を動かしてこの作業をたくさんこなすことにより、それぞれの文種における問われ方、答え方、型が自然と身に付いて、コツが掴めてきます。
※模範解答を導くに至った思考のプロセスについては、残念ながらSAPIXテキストの解答には十分な解説が付属していません。
できることならばここで中学受験国語のプロ講師に解説を仰ぎ、しっかり理解・納得が出来てから書き写し作業に移ることが理想です。
(国語読解の復習による読解力アップには、家庭教師が非常に効果的です)
この繰り返しで力が付いていきます。
テストの方は、多少ですが解説欄に答えの導き方も解説されているのでそちらをよく読みましょう。
国語の読解力は一朝一夕ではアップしません。
しかし、やり方さえ間違わなければ、確実に得点出来るようになる分野です。
できればプロの力も借りつつ、地道に手を動かすことで、身体で文種ごとの解き方のコツを掴み取り、読解(記述)を得意分野に変えていきましょう。
●SAPIX 土曜特訓教材
SAPIXの各種テストやテキストよりは文章が短めで、問題のレベルもテキストと同等〜易しめのものが多いです。(テストよりは明らかに難易度が低いです)
ですから、テスト直しやテキストの復習はレベル的に少し困難、という人はこちらから取り組んでみましょう。
中学受験でよく問われる基本的な型を演習できる問題が多く、こちらの教材による復習は一般的な学校の読解対策としても効果的です。
● 『新小学問題集 中学入試編』(ステージⅠ・Ⅱ・Ⅲの3種)
教育開発出版
問題集本体と別冊解答つき
参考価格:2,420円
中学入試指導の現場に即した新基準シリーズ
学年配当内容を基準としたオリジナルカリキュラム
ステージⅠ・Ⅱ・Ⅲの構成
(Ⅰ・4年相当/Ⅱ・5年相当/Ⅲ・6年相当)
こちらは前述の土特教材よりさらにグッと易しく、文章も短く、記号問題が多めです。
基礎的な記号問題の演習もしたい、志望校に読解問題はあまり出ない、もしくはせいぜい15-50字程度のもののみ、等という場合におすすめです。
また、記述が大の苦手で基礎からやり直さないとまずい、テスト直しやテキストの復習どころではない!!という人も、こちらから取り組んでみると良いでしょう。
本来は塾用教材のため少し入手し辛いですが、教科書を扱っているような書店に行くと簡単に購入できます。
(ネット通販もありますが、Amazon等のサイトではボールペン付きで2倍近い価格になっているものもあるので、ペンが不要という方は気をつけてくださいね)
思考力・判断力・表現力に必要な基礎・基本をやり直したい人向けで、ジャンルごとに読解問題を学習できるのが特徴です。
ステージⅠ・Ⅱ・Ⅲの構成になっており、自分に合ったレベルのものを購入することができますが、Ⅰ・4年相当/Ⅱ・5年相当/Ⅲ・6年相当というオリジナルサイトの案内はSAPIX生に限っては当てはまりません。(SAPIXの授業で言うと、読解部分はそれぞれ3年・4年・5年相当程度と考えてください。)
さて、ここまでいくつか教材や復習のポイントをお伝えしましたが、前述の通り、国語の読解力は一度取り組んだSAPIXの教材を用いた復習のみでは上がりません。
国語の読解力アップの秘訣は、何をおいても実践演習です。
これらの基本的な復習作業を終えた後(夏期講習以降)は、できる限りプロの国語講師に相談しながら自分の志望校の出題傾向に合った教材(問題集・似通った傾向の学校の過去問)を見極め、過去問をメインにドンドン(初見の問題の)実践演習に取り組んでいきましょう!
以上、今回は国語の「苦手分野克服」でSAPIX生が実際に用いている読解分野の教材などについてお伝えしました。
ここまでSAPIX関連の記事が続きましたが、街にはクリスマスソングも流れ始め、6年生の皆さんはいよいよ本番を意識する時期になりましたので、次回はこの時期に関する学習の注意点等をお伝えします。
SAPIX6年前期の「苦手分野克服」作業を踏まえた後期スケジューリングについてもまたの機会にお伝えしますので、5年生以下の皆さんはしばしお待ち下さいね。
合格に向けて日々奮闘している皆さんに向けたこの記事が、少しでも力になれることを祈っています。
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