目次
1. 軽視できないSAPIXとの“相性”
2. なぜ「あのSAPIX」に通塾しても合格できないのか
3. どのような生徒・家庭がSAPIXに向いているのか
御三家や難関中学受験で突出した合格実績を誇るSAPIX(サピックス)。
SAPIX紹介記事➁では、中学受験界で知らない人はいない大手進学塾SAPIX通塾に関するメリット・デメリットをお伝えしました。
シリーズ3回目の今記事では、「我が子や我が家とSAPIXの相性はどうなのか」を中心にお話ししていきます。
1.軽視できないSAPIXとの“相性”
名実ともに御三家・難関校突破のトップ進学塾であるSAPIXにも、向き不向きが当然あります。
SAPIX紹介記事①でもお伝えした通り、全ての中学受験生がSAPIXに入塾さえすれば難関校に合格できるかといえば必ずしもそうではなく、むしろSAPIX入塾から受験本番まで終始下位クラスのまま浮上できず、最終的に一つも合格を勝ち取れなかった、というケースも意外なほど多いのがSAPIXの現実なのです。
2. なぜ「あのSAPIX」に通塾しても合格できないのか
そのようなケースが多い最大の理由は、御三家・難関校突破に非常に強いメソッドを持つSAPIXが「通塾(授業を受けて帰ってくる)だけでは恩恵が受けられない塾の代表格」であるからです。
SAPIXメソッドの恩恵を十分に享受するためには様々な条件があります。
お子さんやご家庭の状況によってはその恩恵を受け取ることが出来ないどころか、前回の記事でお伝えした「SAPIX通塾のメリット・デメリット」のうちのデメリットばかりを引き受けることになりかねません。
SAPIXへの通塾・転塾を考えていらっしゃる場合は、お子さんの性格や状況・ご家庭の方針や状況にSAPIXが本当に合っているのかどうか、ぜひ今回の記事も参考になりながらご家族でよく話し合い、相性を見極めた上で決断されることをおすすめいたします。
3. どのような生徒・家庭がSAPIXに向いているのか
それではどのような生徒・ご家庭がSAPIXに向いているのか、SAPIXの恩恵を十分に享受するために必要な条件は何なのか、具体的に見ていきましょう。
SAPIX最大の特徴はこれまでにもお伝えしてきた通り、
●御三家・難関校突破を見据えたカリキュラム
●完全復習型の授業スタイル
●保護者の負担が少なくない
という3点です。
完全復習型であるSAPIXの授業は予習が出来ないので、生徒たちは授業当日に初めてその日取り組む問題と対峙します。(※カリキュラムは年間スケジュールで発表されているため、単元のテーマを事前に把握しておくことは可能)
さらに授業内容は御三家・難関校突破を見据えたハイレベルな演習中心であり、それに付いて来られる約二割(成績上位)の生徒に照準を合わせ、彼らと講師との対話のような形式で容赦なくズンズン進んで行きます。
つまり、SAPIXの生徒には、授業中先生の話を集中して聞き、ハイスピードで難度の高い演習・解説に食らいついて行ける実力(処理能力)・姿勢が欠かせないということです。
SAPIXの授業は、やる気に満ちた集中力のある生徒、競争好きな生徒、SAPIXの出題レベルに難なくついていける生徒にとっては非常に新鮮でワクワクする時間です。
一方、やる気や集中力に欠ける生徒、周りと比較されることを好まないマイペースな生徒、SAPIXの難度やスピードについていくのが困難な生徒にとっては、ちんぷんかんぷんで挫折感しか得られない可能性すらある、無意味で苦しい時間になってしまうのです。
次に、家庭学習について。
たとえ授業中はその進度・難度に満足についていけなくとも、自宅でしっかりフォロー出来る態勢が整っている場合、SAPIXとの相性が悪いとは言い切れません。
完全復習型・ハイレベル演習中心のSAPIXでは、演習内容の深い理解・定着を家庭学習にゆだねています。
つまりは自宅で復習ができるレベルまで、授業内のみで、ある程度内容を理解して来られる状態であることがSAPIXの学習スタイルでうまくやっていく最低条件ということになりますが、そうでなくとも中学受験に精通した家庭教師などの第三者が毎授業内容を確実にフォロー出来る態勢が整っている場合は、授業内で理解が不十分である部分をその都度補い、次回授業に向けた十分な準備をすることが出来ますから、有意義なSAPIX通塾も可能=SAPIXとの相性は悪くない(SAPIXの恩恵を享受出来得る)と言えるのです。
(後編に続く)
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