【中学受験】25年度「新課程入試」で、中学受験はどう変わる?

西村則康近影

西村則康 名門指導会代表

40年以上、難関中学・高校受験指導一筋のカリスマ家庭教師。
「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で入り込む授業を実践している。受験を通じて親子の絆を強くするためのコミュニケーションをアドバイス、コーチング手法も取り入れ、親子が心底やる気になる付加価値の高い指導を行う。

目次

「生きる力」を育むことを目指す探究学習の時間
中学受験にも「探究学習」の場面を想定した出題が
重要性を増す「探究学習」

夏休みが始まり1週間が経ちました。

中学受験生の皆さんは夏期講習で忙しい毎日かと思いますが、少しずつ日々のリズムは掴めてきたでしょうか。

先日、東大入試に関するニュースをお伝えしましたが、今日も中学受験生の皆さんにとっては少し先のことである、高校の新課程についてお話したいと思います。

というのも、学習指導要領の改訂により、2022年度から始まった旧科目「総合的な学習の時間」に代わる新科目「総合的な探究の時間」の影響が、すでに皆さんの目指す「中学受験」の現場にも生じ始めているからです。

「生きる力」を育むことを目指す探究学習の時間

まずこの新課程ですが、これまで同様、課題発見から解決までの能力や主体的な学びを育む、という点は変わりません。

ポイントは、それに加え「資質・能力」の育成も行い、思考力・コミュニケーション能力などの能力育成、進路等に関する学習、自己理解や将来の在り方・生き方を考えるなどの学習も行うというところです。

そもそも、文部科学省がこの「総合的な探究の時間」導入を決めた理由は、生徒たちの「生きる力」=社会に求められる力を育成するためです。

現代社会はVUCAの時代※と言われ、AI化や情報技術の進展により社会の変化が激しく、社会の課題も複雑化しており、また人の価値観も多様化しています。

※VUCAとは、Volatility(変動)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)の頭文字をあわせたもので、現代社会が多様で複雑で、未来予測不可能な時代に直面していることを表すための造語です。

現代のように正解が一つではない時代においては知識を備えているだけでは不十分であり、それ以上に、自ら課題を見つけ、自ら解決方法を考え、選択し、実践していけるような力、周りの人たちと関わる中で新たな視点や課題を見出せる力、つまりは生きる力、社会に求められる力を育成することが非常に大切である、という考えから探究学習が注目されるようになり、この新課程導入にもつながりました。

(小学校でも「総合学習」としては2002年度から導入され、「探究的な学習に主体的・協働的に取り組むとともに、互いのよさを生かしながら、積極的に社会に参画する態度を養う」ものとされています。)

中学受験にも「探究学習」の場面を想定した出題が

導入当初は大人たち指導者側も手探りでしたが、2年が経過し、独自の充実した試みを行う高校も増え、いよいよ2025年度からは、大学入試も本格的に新学習指導要領(新課程)に合わせたものになります。

もちろん大学入学共通テストも大きく変わる予定で、たとえば、大学入試センターが公表している大学入学共通テストの試作問題では、単に知識を問うものではなく、「探究学習」の場面を想定したもの、たとえば会話文を用いた設問や、資料から情報を正確に読み取り、知識に基づきそれを分析・判断し、そこから導き出されるものをまとめあげる能力や表現力を問うような類のものが大きな割合を占めています。

このような動きを受け、満を持して中学入試の選抜方式を変更する学校も一気に増えてきたわけですが、たとえば、千葉県の光英VERITAS中は今年、SDGs(持続可能な開発目標)に関する探究入試を実施しました。

課題は、3つの資料(①松戸市の交通事情、②輸送と二酸化炭素排出量の関係、③近年新たに発明されたクルマ)をもとに、「地球環境をよくする、未来のクルマ社会を実現するためのクルマやしくみを考えよう」というもの。

現状や解決策をまとめて記述したうえで、それを一人ずつ発表し、質疑応答も行いました。(この枠の入試ではこの課題のみが合否判定の対象であり、学科試験はなし。受験者25名中8名が合格しました。)

また、6月には山脇学園中学校でも2025年度の中学入試における「理科探究入試」枠の新設が発表されました。

※これに伴い2020年から導入していた「探究サイエンス入試」は廃止(変更)、これまでの「国・算1科」入試の定員は10名減らし50名に変わるので、志望校に定めている人は注意しましょう。詳しくは公式HPでお確かめください。
https://www.yamawaki.ed.jp /

さらに、推薦入試枠に探究学習を取り入れる学校も現れ始めています。

重要性を増す「探究学習」

自分で課題を設定し(問いを立て)、自分でデータや資料を読み取り、調べ、分析し、自分なりの答えを探していく「探究学習」。

私も長年に渡り、「探究心」「熱中力」「好奇心」等のキーワードと共に、お子さんのそのような力を育む探究的学習(若しくは遊びやお手伝い)の大切さをお伝えして来ましたが、2025年度の本格的な新課程(大学)入試スタートを機に、この夏はその重要性や、それらをどのように育むことができるのかなど、またあらためて皆さんにお話ししていきたいと思います。

中学受験を目指す皆さんが、来年度の新課程入試開始に伴う変化に惑わされることなく、正しい情報を獲得・活用しながら、充実した受験生活を送れるよう願っています。

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