25年度【新課程入試】開始、「探求心」はどう育む?

西村則康近影

西村則康 名門指導会代表

40年以上、難関中学・高校受験指導一筋のカリスマ家庭教師。
「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で入り込む授業を実践している。受験を通じて親子の絆を強くするためのコミュニケーションをアドバイス、コーチング手法も取り入れ、親子が心底やる気になる付加価値の高い指導を行う。

目次

探究学習は日々の生活の中で実践することができる
身の回りのことに「なぜ」と思える環境を
子どもが熱中している子は思う存分やらせる

立秋とは名ばかりの猛暑が続いていますが、中学受験生の皆さんは元気に過ごしていますか?

先日の記事では、中学受験にも影響を及ぼし始めた、高校の新科目「総合的な探究の時間」についてお話ししました。

自ら課題を設定し(問いを立て)、自らデータや資料を読み取り、調べ、分析し、自分なりの答えを探していく「探究学習」。

私も長年に渡り、「熱中力」「好奇心」などのテーマと共に、お子さんの探究力の大切さをお伝えして来ました。

今日は、2025年度から正式に採用される大学新課程入試を機に、あらためてその重要性や、探究力を育むためにご家庭でできることについてお話ししたいと思います。

探究学習は日々の生活の中で実践することができる

正式な科目にはなっていませんが、探究学習は、小学校でも「総合的な学習」の中で取り入れられています。

ただし、まだその歴史は浅く、指導する側の大人がそのメソッドを確立できていなかったり、教え方が手探り状態であったりするのが現状です。

そして巷では「探究学習」と名を冠した習い事や塾もあれこれ出始めてはいますが、実は探究学習を行うのに、必ずしも授業や専門の講師、塾は必要ではありません。

というのも探究学習は、日々の生活や、お手伝い、遊びの中でいくらでも実践することができるからです。

そもそも探究学習というのは前述の通り、「自分なりの答えを探す」ところにポイントがあります。

つまり、日頃から自分なりに疑問を持ち、自分の頭で考える、という習慣をつけることが、その力を伸ばすことにつながるわけです。

特に幼少期や低学年の頃はたくさん時間がありますので、ぜひこの頃から

「なぜこうなるの?」
「どうしたらできるかな?」

など、たくさんの「ハテナ」をお子さんの頭の中に作ってあげることを意識してほしいと思います。

「なぜ?」と聞かれ続けるのはお家の方もなかなか大変ですが、それに対して常に正解を答えたり、説明をしたりする必要はありません。

「良いことに気がついたね。お父さんにもわからないよ、一緒に考えてみよう」

でも良いですし、

「じゃあ、このことは頭の中に置いておこうね。何かわかったら教えてね」

でも構いません。

まずは、たくさんの「ハテナ」を生み出すことが、探究心のもとになるのです。

身の回りのことに「なぜ」と思える環境を

なぜ?どうして?と全く言わないお子さんの場合は、お母さんやお父さんが

「空って青いねぇ。なぜだろうね」

とつぶやいたり、

「月が追いかけてくるね。どうしてかな」

などと声をかけてみたりするのも良いと思います。

身の回りのことに疑問を感じていいんだ、ということを、お家の方のそのような態度で、お子さんに学習させてあげるのです。

探究心は自然には生まれません。

これも学習だと考えて、なかなか「はてな」が生まれない場合も、あせらずそんなやりとりを毎日続けてみてくださいね。

また、最近は幼い頃からスケジュールがガチガチのお子さんも多く、そのために、自分から何かに興味を持ち、それについて探究する機会・時間を得ることが難しいケースも増えています。

本人の意思も希望も尊重されず、指示されるままの日々を過ごしていると、お子さんの熱中する力、探究する力はどんどん失われていきます。

どうか小さい頃は(ご本人があまり興味を示していない)習い事や塾を詰め込み過ぎず、お子さんが何に熱中しているか、普段のようすをよく見てあげたり、興味のありそうなことを一緒に楽しんだり、それについて話したりすることを大切にしてあげてほしいなと思います。

子どもが熱中している子は思う存分やらせる

そして、もう一つ大切にしていただきたいことが、お子さんが興味を持って何かに熱中しているときには、その対象がたとえお家の方から見てあまり有意義ではないと思えるものごとであるにせよ(図鑑や、砂遊びや、パズルなど)、温かい目で見守り、ぜひ思う存分やらせてあげてほしいということです。

そのようなとき、お子さんの頭の中では、自然と「思考訓練」が行われています。

自分たちが眺めている光景や音などに脳は反応し、

「このお魚と前に見たあのお魚は形が似ているな」
「でも違う名前だから、違う魚なんだな。じゃあ、どこが違うのかな」
「この砂山は、ここに穴をほったら崩れてしまうな」
「僕がここから、あの子があそこからほるとトンネルが繋がりそうだな」
「あれ?崩れちゃった。お水が少ないと崩れやすくなるのかな」

というように、物の類似性や相違点を確かめたり、原因を探り因果関係を発見したりと、無意識のうちにフル回転しているのです。

このような体験は、お子さんがねばり強く最後まで考え抜く力や、自分で考え解決策を見つける力や楽しみを大いに育んでくれるでしょう。

さらに、プラモデルや砂遊び、野菜を切るお手伝いなどが自然と立体図形の感覚を養ってくれるように、図鑑、パズル、おつかいなど、子どもが夢中になりやすい遊びやお手伝いには、探究力を育んでくれるだけでなく、受験に必須であるさまざまな感覚を養ってくれる場面もたくさんあります。

探究力は、将来どんな時も自分で人生を切り開いていく力や楽しめる力を養ってくれるのはもちろん、直近の目標である中学受験にかかわるさまざまな感覚を養い、学びを「自分ごと」「楽しいこと」と感じさせてくれます。
だからこそ、探究力のあるお子さんは、勉強量が少なくても、どんどん勉強ができるようにもなっていくのです。

ぜひ、時間のある幼児〜低学年の頃には特に、お子さんのやりたいこと、熱中していることを大らかな気持ちで一緒に楽しみながら、探究心を存分に育んであげてくださいね。

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「理系が得意になる子の育て方」
西村則康・辻義夫 著
¥1,650 WEDGE

       

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