中学受験

この中学受験、やめた方が良い?不安な君へ ~その➁~中学受験で得るもの

目次

なぜ中学受験を選ぶ人がいるのか
中学受験で得られる4つのメリット
高校受験の選択肢が少なくなっている
それでも中学受験を選ぶ理由とは

高く澄んだ空に、大きく深呼吸したくなる季節になりましたね。

前回は、本番が近づくにつれ大きくなりがちな「受験の不安」への対処についてお伝えしました。

記事の中では、受験をやめようかと迷う生徒さんについて例を挙げてお話ししました。

もちろん受験勉強を継続することだけが正解ではありません。
今回は、中学受験をする意味を、あらためて一緒に考えてみましょう。

なぜ中学受験を選ぶ人がいるのか

前回もお伝えしたように、中学受験で第一志望校に入学できる人は3人に1人と言われています。
つまり、残りの2人は第一志望校に入学出来ないのが現実です。

「公立中があるんだから、もう公立でよくない?」
「受験はお金もかかるし、遊ぶ時間もなくなるし……」
「今の私レベルの成績で、挑戦する意味あるのかなぁ」
「勉強は大変だし、家族もサポートが大変そう」

いずれの意見も不安も、一部真実であり、もっともです。

しかし、そんな厳しい中であっても中学受験率が増加傾向にあるのはなぜでしょうか。
そして、親子ともども「あの中学受験をして本当によかった。成功だった」と振り返るご家族が実際にたくさんいるのはなぜなのでしょうか。

中学受験で得られる4つのメリット

中学受験を通して受験生が得られるものとは何なのか。
まずは、その主なメリットを4つに分けて挙げてみましょう。

①精神面の成長が期待できる
・目標に向かってめげずに努力を続ける。
・コンディションのすぐれない時も力を発揮する。
・遊びたい気持ち、サボりたい気持ち、眠ってしまいたい気持ちなど、様々な感情や欲望をある程度自分でコントロールする。
・成績やクラスの昇降、噂話や周りの様子など、様々な精神的負担にも大きく左右されず、自分のことに集中できる強い心を持つ。

10代の多感な少年少女にとって、中学受験は体力面だけでなく、精神面でも厳しい環境にさらされる、負担の大きなチャレンジです。
しかし、それゆえ忍耐力、自制心、精神力が鍛えられる機会ともなり得るのです。

②家族の絆が深まる
中学受験は親の受験、とも言われるように、本人だけではなく、家族のプロジェクトであり、家族の挑戦といえます。

まだ年齢的に幼い受験生本人だけで学習内容や受験日程のスケジューリングをすることは出来ません。
宿題や課題のフォロー、塾の送り迎え、弁当作り、教材の管理など、様々な場面で保護者の方の手を借りることもあるでしょう。
本番までに本人が不安定になり、精神的に支えてもらう機会も何度も出てくるでしょう。

渦中ではそんなふうに感じる余裕は無いかもしれませんが、親子で泣いたり笑ったりしながら乗り越えていく、そんな波瀾万丈の数年間が、確かな家族の絆を育んでくれるのです。

これは、受験の最中や直後よりも、中学進学以降の長い人生における親子関係の中で深く実感するものです。
合否に関係なく、この経験を経たことで、より良好な(親子間でトラブルがあってもきちんと話し合い、互いを尊重しあって解決できるような)親子関係が築けた、互いの信頼が深まった、というご家庭はとても多いです。

③学ぶ喜びに出会える
まるで歯が立たなかった問題が自分の力で解けるようになる。
たくさんの知識が体系化し、様々なことが科目を超えて頭の中で繋がりを持っていく。

学ぶ喜びに出会えることは、中学受験における大きなメリットの一つです。
もちろん、中学進学後の学習にも素晴らしい影響を及ぼすでしょう。

④進学希望の大学に一歩近づける
将来進学を希望している大学があり、それが偏差値的に難関である場合、中高一貫校に入学すること、中学時代から学力の高いクラスメイトに囲まれた環境で仲間と切磋琢磨出来ることは一つのメリットと言えます。

一般的な公立校では、どうしても全員が納得して進められるよう授業が行われます。
そのような学校ではクラスメイトの学力も様々なので、常に高度な授業を受けることは難しいでしょう。

私立校では基本中高一貫のため高校受験が不要であり、その分大学受験を見据えた6年間のカリキュラムが組まれています。
6年間の学習範囲を高2までに終わらせ、最後の1年間は各自の希望する大学受験に向けた対策のために有効に使えるようになっています。
高校受験にかけるタイムロスを無くし、大学受験に集中して時間を使えるのです。
私立校にとって進学実績は人気に直結しますから、それぞれの学校が独自の取り組みを行い、大学受験指導にも力を入れているのが実情です。

以上が中学受験の主な4つのメリットです。

高校受験の選択肢が少なくなっている

また、中学受験を選ぶ理由として、近年は高校受験で入学できる私立中学校が減少しているため、中学受験でしか希望の学校に入学ができないから、というケースも多いでしょう。

冒頭で挙げた、自分は成績がイマイチだから中学受験にチャレンジしても無意味では?と考えている人には、いわゆる「御三家」や「超難関校」ばかりが中学受験で目指すべき学校ではないということを、知ってほしいと思います。

学校には、それぞれの設備や校風、宗教、教育理念などの個性があります。
10代は、学力的にはもちろん、精神的にもたくさんの刺激を受け大きく成長できる、かけがえのない時です。

IT技術、データサイエンスの素養を身に付けたい。
憧れの卒業生がいる。
入りたい部活がある。
教育理念に惚れ込んだ。
同じ大学を目指す仲間が集まっている。
園芸の授業がある。
国際教育のプログラムが充実している。
セーラー服が着たい!

決め手は何でも良いと思います。
皆さんが、それぞれの性格や考え、理想の学校生活、将来の夢などに見合う環境の中で、「一生の友」となり得る学友たちと共に、充実した素晴らしい日々を過ごせることが、なにより大切なことではないでしょうか。
そして、自分に合った環境のもとでのびのびと成長しながら仲間と切磋琢磨する中で、成績も驚くほど伸びてくる、ということもよくあります。

それでも中学受験を選ぶ理由とは

以前お伝えしたように、高校受験が合うタイプのお子さんもたくさんいますし、それを選ぶメリットももちろんあります。
しかし、これまで以上に不透明で、未来が誰にも予測できないこの時代に、教育や講師陣がどのようにあることで生徒たちが幸せになるサポートができるか、どのようにしたら、どんな世の中にも負けないような、自ら考え、行動するたくましさを育めるだろうかと、それぞれの理想像や課題感をもって取り組んでいるという点で言うと、相対的に、建学の精神が明確である私学の中高一貫教育が期待できるかもしれません。

中学、高校での6年間で得た様々な経験は、必ずや皆さんのその後の人生の力になります。

中学受験本番が近づき、受験をやめようかと真剣に悩んでいる人には、現在の学習状況はもちろんですが、自分が中学受験を目指す(目指してきた)理由、目指したい学校、思い描く理想の学校生活、将来のことなど、様々な角度から冷静に、他でもない「自分だけの」中学受験を捉え直し、決断をしてほしいと願っています。

言うまでもなく、中学受験生の皆さんが闘う相手は、究極的には去年の自分、昨日の自分、これまでの自分自身です。
皆さんが自分に打ち勝つ日々を重ねて、最後に自分を誇れますように。

皆さんが来年の春、そしてその後もずっと、晴れ晴れとした笑顔でいられるよう、心から応援しています。

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この中学受験、やめた方が良い?不安な君へ ~その①~

目次

まわりの子は偏差値を上げたのに…
希望と自信を持ち続けながら受験に挑むために
「◯◯中学校に合格できなければすべてが無駄」ではない

秋になり夏休みの成果がはっきりし始めると、毎年6年生の中から「中学受験をやめた方が良いか」と相談に来る人が現れます。

まわりの子は偏差値を上げたのに…

「周りはぐっと偏差値を上げたのに自分は変化なし」
「偏差値やクラスが落ちてしまった」

などのキッカケで自信をなくし、受験勉強に前向きになれなくなってしまったことが主な原因です。

その他の理由としては、

「今の成績ならば、あえて外部受験するより既に通っている私立小の併設中学校へそのまま内部進学した方が、偏差値的に見ても“お得”と判断しました」
「うちの地元は公立高校のレベルが高かったので、とりあえず公立中学に進学して、高校受験で難関公立高校を狙うことにします」

というケースも多いです。

これらの場合は、いくつか考えられる進学先から将来性を見据えてより有利な進学先を選ぶわけですから、どちらかと言えば前向きな進路変更と言えるでしょう。
(もちろんここで受験を中止せず、一層奮起し、より高みにトライする決意をするのも素晴らしいと思います)

しかしながら、前者のように単純に生徒さんの“気持ちが切れてしまって“中学受験を諦めるのはいささか残念ですし、その気持ちに対して、親御さんは長ければ4,5年に渡りサポートを続けてきたこともり、なかなか諦めがつかないものです。

もちろん本人のモチベーションが上がらなければ本番までの残り数ヶ月が虚しく無意味なものになるだけですし、無理に続けても結局のところ年末あたりに親御さんともども気持ちが切れてしまい、

「だから僕はあの時やめたいと言ったのに!」
「もともと受験したいと言い出したのはあなたじゃないの!最後までやりなさい!」
「こんな成績じゃどこにも受からないから今すぐやめろ!時間と金の無駄だ!俺は最初からこうなると思っていたんだ」

などと、家じゅうで罵り合いになってしまうことも少なからずあるようです。

希望と自信を持ち続けながら受験に挑むために

受験生の皆さんにとって最も辛いのは、「どうせがんばってもムリ」と感じながらがんばることですよね。
大人でもそうです。

ですから皆さんにはぜひ、「ちょっとがんばれば達成できそう」「自分ならきっとできる」という、希望と自信を持ち続けながら受験に挑んで欲しいのです。

そのために、まずは〈目標を高過ぎるところに設定せず、目の前の小さな成功体験を積み上げること〉を心がけてください。

いつもお伝えしている◯△×方式で復習する問題を取捨選択するときと同じで、現在の課題の中で、皆さんの手が届きそうなところからつぶし、着実に力と自信をつけていくことです。

そして、いつまでも不安をただ抱えているのではなく、次に挙げる3つの項目について、ぜひ冷静に考察してみてください。

1.夏が終わった今の段階で、志望校と現状の偏差値にどのくらいのギャップがあるのか
2.そのギャップを埋めるための方法として、どのようなことが考えられるか
3.現実問題として、ここから数ヶ月で偏差値をどのくらい上げられる見込みがあるか

この3点をはっきりさせると、中学受験を諦める前にまず、現状把握や志望校変更の必要性を冷静に判断できます。

「◯◯中学校に合格できなければすべてが無駄」ではない

6年生は秋以降、実践演習や模試を次々こなす1000本ノックのような怒涛の日々が続きます。

学力と志望校の偏差値にあまりにも大きなギャップが有る場合は、どんどん気持ちが苦しくなっていきます。

そういう場合には、

第一志望校と自分の現状は本当に合っているのか(あまりにも大きなギャップが有りすぎないか)、もしも難しいならば、第二志望校はどうなのか。それならば可能性はグッと上がるのか。
そして第二志望校にも、実は第一志望校に負けないくらいたくさん良い所があるのではないか。

というように冷静に視野を広げ、一つ一つ情報を確認したり、検討したりしてみてください。

「◯◯中学校に合格できなければ、なにもかもおしまいだ」といったことはありませんし、そのように追い詰められた気持ちから解放されれば、逆にモチベーションも上がり、成績も上がってくるものです。

また、これを読んでくださっている親御さん方にお伝えしたいのですが、お子さん本人だけではなく、お父さん、お母さんが「◯◯中学校に合格できなければ、今までやってきたことがすべて無駄になる。どうしよう」といった気持ちになってしまうことも、中学受験を控えたご家庭では少なくありません。

そうなると、入試間近の模試の結果に親御さんが翻弄されてしまい、そんな親御さんの姿を見て、お子さんがさらに動揺し、不安や無力感を強くしてしまう……という悪循環に陥ってしまいます。
ですから、入試が近づいてきたら親御さんはぜひ、多少無理にでも楽天的に振る舞っていただきたいのです。

中学受験で第一志望に合格できるお子さんは、ご存知の通り、「3人に1人」と言われています。
そうした厳しい現実のもとであっても、長い目で見て、親子ともども「あの中学受験をして本当に良かった。成功だった」と思い返すご家族がたくさんいます。

ぜひ、辛い時こそ冷静になって現状をよく確認し、ご家族みんなで力を合わせて、目の前のハードルをどう超えていく決断をするのか、よく話し合ってみてくださいね。

中学受験生の皆さんはもちろん、共に挑むご家族皆さまの幸せを心から願っています。
(次回、その②に続きます)

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25年度 時事問題対策、そろそろ本格始動!

目次

そろそろ今年の重大ニュースを振り返ろう
入試に出るのは9月までの出来事
自分なりの意見を持っておくことも大切
※最後に、オリンピックに関するミニクイズ★

不安定なお天気が続いていますね。

日中はまだムシムシしますが朝晩は肌寒い日もあり、体調を崩しやすい時です。

中学受験生の皆さんは体温調整しやすい格好を心がけて、ぜひ元気で過ごしてくださいね。

そろそろ今年の重大ニュースを振り返ろう

さて、夏の終わりは重大ニュースの振り返りに適した時期であると以前お伝えしました
夏休みの時点まででも、新紙幣発行・都知事選・パリオリンピック・ロシアによるウクライナ侵攻・能登半島地震・出生率過去最低・マイナ保険証など数多くの話題がありましたが、そこからの1ヶ月で重大ニュースはますます増えましたね。

中でも入試対策で特に気になるのが、いわゆる“令和の米騒動”。
皆さんのご家庭でも、8月〜9月半ば頃まではパンやお餅、麺が続いた時期があったのではないでしょうか。

私たち日本人にとって米は主食であり、スーパーにもコンビニにも並んでいて当たり前という感覚でいるので、いつ行ってもお米売り場がスッカラカン!という光景には驚きましたよね。

この頃はようやく新米が出回りお米が手に入らない状況は改善しましたが、果たしてその要因は何だったのでしょうか。

また、1918年にも日本では切迫した米不足により、軍隊が出動するほどの“米騒動”という名の大暴動が起きましたが、当時のそのような事態はなぜ起きたのでしょうか。
(ヒント:1917年にはシベリア出兵がありました)

私たちの文化や食習慣に深く関わっている「コメ」問題について、2025年度の中学入試ではおそらく多くの学校で問われると思います。

日本の米どころの位置や、米づくりには欠かせないそれらの地域を流れる「川」についての知識も、これを機にあらためてよく確認しておけると良いですね。

入試に出るのは9月までの出来事

入試で出題される時事ネタの時期は以前お話しした通り、前年の9月頃までが一般的です。
今年も11月6日に、中学受験の時事問題対策決定版と言っても過言ではない『2025年中学入試用サピックス重大ニュース』(サピックス小学部編)が発売されますから、ぜひそちらも参考にしてくださいね。

サピックスに限らず毎年大手の各塾が同様の参考書を発売するので、本屋さんで実物を手に取って、自分が読みやすいものや理解が弱い部分に詳しいものを選ぶのがおすすめですよ。
いずれを選んでも、予想問題や資料が充実していて効率的に時事問題対策が出来ると思います。

また、具体的な内容になりますが、『南海トラフ地震』もよくチェックしておきましょう。
発生した際には火山の噴火や津波被害が出ることも懸念されていますから、海や川の位置や地形などの地理的な知識、(海岸線の長さと津波被害の大きさの関連性など)データの読み取り・分析力も求められることが予想されます。
地理や歴史、公民に絡めてしっかりおさえておけると良いですね。

そして、女子校では(二次性徴は女子の方がやや早く訪れるという理由もあり)性別に関するテーマが扱われやすいです。
性別問題で関心を集めたオリンピック女子ボクシングの話題はよく振り返っておきましょう。(もちろん共学や男子校でも、今年は性に対する多様な考え方に関する出題が例年より狙われやすいと思われます)

自分なりの意見を持っておくことも大切

社会のニュースはただ見たり読んだりするだけでなく、それぞれの話題に対して、自分なりの意見を持っておくことも大切です。

いきなり自分の意見と言われても……という人は、自分以外の様々な人の意見(各新聞の記者たちの考えなど)をぜひチェックしてみてください。
そうすることで自分なりの考えや意見も少しずつ出てくると思います。

自分の考えや意見がつかめてきたら、ぜひそれらを書き出したり、機会があればお家の方や家庭教師、塾の社会科の先生などと話したりしてみましょう。

このような作業は手間も時間もかかりますが、要点把握の読解力や、自分の考えを端的にまとめる記述力を磨くなど、国語の鍛錬にも直結します。

なにより、より深く世の中を知り自分なりの意見を持つことは必ずや小学生の皆さん自身の大きな成長と自信に繋がるので、受験のためというよりむしろ自分自身のために、ぜひ日頃から私たちを取り巻く世の中の状況に関心を持ってもらえたらと思います。
そして、それに対して自ら考え、責任を持って行動できる頼もしい大人に育ってもらえたらとても嬉しく思います。

※最後に、オリンピックに関するミニクイズ★

全問正解を目指してレッツトライ!

【問題】
1. 国際オリンピック委員会の略称をアルファベットで答えよ。
2.東京2020オリンピック(2021年開催)から始まった、どの国の人にも一目で競技が判るように考えられた絵文字を何という?
3.オリンピックのマークの5つの輪の5色は何色?
4. 3の5色が採用されたのはなぜ?
5. 5つの輪が表すものは?
6. オリンピック開会式での選手入場、例年1番目と2番目はどんな選手団が入場する?
7. 2024年のオリンピック開催国・都市は?

【答え】
1.IOC
2.ピクトグラム
3. 赤・青・黄・緑・黒
4. ほとんどの国の国旗をその5色で表すことができるから。
5. アジア・ヨーロッパ・南北アメリカ・オーストラリア・アフリカ
6. 1番目:ギリシャ(オリンピック発祥)、2番目:難民選手団(紛争や迫害で故郷を追われた難民による選手団)
※ちなみに最後に入場するのが開催国による選手団です
7. フランス/パリ
※ちなみに大統領はエマニュエル・マクロン。国旗の模様は左から青・白・赤の3色です。

★結果はどうだったかな?
・全問正解/クーベルタンもびっくり!
・5~7問正解/博識だね(読めるかな?)
・1~4問正解/凡人だね(読めるかな?)
・正解なし/絶句(7くらい答えてほしかった……)

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10月も皆さんの毎日が、健康で充実したものになるよう願っています!

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6年生2学期「やるべきこと」を取捨選択しよう

目次

6年生の2学期はとても忙しい
この時期こそ取捨選択が重要
お子さんそれぞれの優先順位のつけ方は

まもなく10月。

2月1日に受験日を迎えるお子さんは、本番までちょうど4ヶ月。

関西など1月に入試が始まるお子さんにとっては、もう少し受験日までの期間は短くなります。

6年生の2学期はとても忙しい

6年生の2学期、各塾で本格的に志望校別の入試対策が行われます。

志望校別特訓と呼ばれる日曜日の授業ですが、毎週日曜日、ほぼ1日中拘束されるイメージです。

たとえばサピックスなら、「難関校SS特訓(サンデー・サピックス)」と呼ばれる志望校別特訓の講座が、9月から1月までの日曜日のほぼ毎週、9時〜18時45分の時間帯で行われます。

つまり日曜日はSS特訓以外のことはまずできない、と考えてよさそうです。少々の差はありますが、他の塾でもこのことは大して違いがありません。

志望校の対策に特化した講座ですから、おろそかになんてできませんね。

平日にはこれまで通り平常の授業が行われ、サピックスでは土曜日には1学期から行われている「土曜志望校別特訓」が行われています。

これに加えて各々、自分の志望校、受験予定校の過去問演習をしていかなければなりません。

とても忙しく、親御さんたちからは「やらなければいけないことがありすぎて、もうカオスです」という声まで聞こえてきます。

この時期こそ取捨選択が重要

過去問演習にはかなりまとまった時間が必要であることは、前回のコラム「過去問の演習と第一志望校で点が取れない問題について」でも説明しました。

・平常授業(平日・週2日〜3日)
・土曜特訓
・日曜特訓
・模試など
・過去問演習

と、ざっと一週間のメニューをあげただけでも「とても全部できるとは思えない」と思われる方が多いと思います。

つまり6年生の2学期こそ、取捨選択が重要だということになります。

とうてい全部やりきれる量ではないし、メニューの中には重複する内容もたくさんあります。

このことを理解しておくことは非常に重要です。

お子さんそれぞれの優先順位のつけ方は

それでは、やるべきことの優先順位はどのようにしてつければいいかを説明しておきます。

【志望校の日曜特訓コースに所属している場合】

お子さんが自分の志望校の名前を冠する志望校別特訓のコースに所属している場合は、そのコースの特訓授業(日曜日)が最重要になります。

それとともに、もちろん志望校、受験校の過去問演習も最重要です。

それにくらべると、平日の授業や土曜の特訓の優先度は下がります。

なので、たとえば「平常授業は、授業に行っている時間だけ最大限がんばり、家庭学習の中心は過去問演習と志望校別特訓の宿題」「土曜の特訓は休んで過去問演習の時間に充てる」といった工夫が有効です。

【志望校の日曜特訓コースに所属していない場合】

いくつかの理由で、お子さんが自分の志望校の特訓コースに所属していないケースがあります。
受講が資格制でその資格が取れなかったという場合や、志望校の特訓コースそのものがないといったケースです。

このような場合は、日曜特訓の優先度は大きく下がります。

過去問演習が最優先、残りの講座の中で特訓系の授業は入試問題を多く扱うので平常授業よりは優先する、という選択もありです。

また一方で、基礎学力や知識に不安があるお子さんは、平常授業の優先度を上げるという選択も考えられます。

お子さんの現状によって、ぜひ考えてみてください。

6年生以外の学年のお子さん、ご家庭も、ぜひ未来のシミュレーションとして、心づもりをしておいていただければと思います。

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ご希望の場合:継続的な指導開始(週1回~)

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※注意
継続指導の有無は体験授業後に決定していただけますが、この時期から6年生の指導を開始できる先生の枠は限られておりますので、継続的な授業を初めからご希望されない方は、お申込をお控えください。

ご案内できる枠数が限られておりますので、最短で成績を上げる学習プランをご希望の方は、お早めのお申込をよろしくお願いいたします。

過去問の演習と第一志望校で点が取れない問題について

目次

今は第一志望校の過去問で点が取れないのが普通
過去問演習にどれくらい時間が使えるか把握しよう
過去問演習の「順番」について

6年生の受験生は、すでに過去問の演習を始めているお子さんも多いと思います。

出来はいかがでしょうか?

「 思ったより点が取れない」「こんな得点で合格できるのだろうか」「やり方が悪いのか」そんなご質問やご心配をお聞きすることが多い時期です。

ここでは、過去問の演習についてお話ししたいと思います。

今は第一志望校の過去問で点が取れないのが普通

まず、9月のこの時期、第一志望校の過去問演習で十分に点が取れるというお子さんは、あまりいないと思います。

理由は いくつかありますが、1つ目の理由は、多くのお子さんにとって第一志望校は受験校の中でも最も難易度が高い学校だということです。(そういうケースが多いと思います)

自分が受験する学校の中で最も難しい学校の問題を解いているわけですから、なかなか点が取れないのは当然といえば当然です。

もうひとつの理由は、学習の段階で言うと、今は「インプットの学習」の段階が終わり、「 アウトプットの学習」の時期に入ったばかりということです。

これから本格的に、これまでつけた学力を「得点力」に変えていく時期になるのです。

だから「第一志望校の過去問で点が取れない」というお悩みは一旦置いて、ここからのスケジュールと戦略を立てていきましょう。

過去問演習にどれくらい時間が使えるか把握しよう

まず、過去問演習にはかなりたくさんの時間が必要です。

受験する学校が第一志望校1つだけ、というお子さんは、今では少数派だと思います。

首都圏のお子さんの場合、5校から7校程度の学校を受験される方が多いと思います。

受験する学校の過去問を5年分ずつやると考えると、7校✕4科目✕5年ですから、140本ものテストを演習しなければなりません。

全ての学校を5年分演習する必要はないと思いますから、例えば 第一志望校と第ニ志望校は 5年分、それ以外は1〜3年分という風に配分すると、それでも 数十本のテストを解くことになるとわかります。

これらをカレンダー上にプロットしていく必要がありますね。

6年生の後期、日曜には志望校別特訓がありテストの本数も増えるため、土日や祝日も全てが使えるとは限りません。

なので、予定している過去問を全部やるだけの時間をどうやって捻出するかは非常に大事な問題になります。

過去問演習の「順番」について

過去問をどの順番で演習するかというご質問も多いので、ここでアドバイスをお伝えしておきます。

冒頭に「第一志望校は受験する学校の中で最も難しい学校であるケースが多い」「 だから 9月の段階で解いても点が取れない可能性が高い」とお伝えしました。

つまり 過去問をしていく順番は「難度が低いものから高いものへ」が違和感なく取り組めるスタイルになります。

「前受け校」 そして受験する学校などは、あまり難度の高くない学校を選ばれているケースもあると思います。

あるいは、いわゆる「滑り止め」として受験を考えている学校の問題も、第一志望校の過去問よりは易しいと思います。

こういった学校の問題から始めて、(志望校別特訓での練習で徐々についてくる得点力も生かして)だんだん難しい問題の学校に移行していく、という順でスケジュールを組んでおくのがいいでしょう。

受験まで4ヶ月と少し、まだまだお子さんの得点力は伸びます。

ぜひここからの時間を大切に、合格を目指していただきたいと思います。

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名門指導会代表 西村則康 副代表 辻義夫が登壇!

<特別講義>学習塾では教えてくれない? 中学受験「過去問」徹底攻略術 教えます どの学校を受ける?試験の傾向からズバリ解説(日経クロスウーマン)

中学入試の合否を決めるともいわれる「模試&過去問対策」。「解けなかった問題をどうやって、どこまで家庭学習をすればいいのか」「間違い直しはどこまで、どうやればいいのか」といった、模試・過去問との向きあい方に悩んでいる保護者も多いのではないでしょうか。

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【サピックス・日能研・四谷大塚・早稲田アカデミー】学年別・秋の算数の学習ポイント

目次

高学年の算数の基盤となる4年生
比の学習でパラダイムが変わる5年生
志望校対策と過去問で得点力をつける6年生

夏休みが終わり、2学期が始まりました。

各学年、年度の後半は学習内容のレベルはぐっと上がってきます。

この記事では、学年別に年度の後半の算数の学習で気をつけたいことをお伝えします。

高学年の算数の基盤となる4年生

4年生の後半に、 四谷大塚、早稲田アカデミーでは速さの基本、割合の基本を学習します。
5年生で本格的に詳細に 学習をする分野ですが、4年生ではまず速さ、割合の基本的な意味、イメージを掴んでおくことが大切です。

また図形では、円とおうぎ形・多角形の性質など基本的な図形の性質を整理して覚えておく必要があります。
立体についても 立方体と直方体、円すいや角すいまで学習しますから、これらの図形も特徴をしっかりとおさえておきたいところですね。

比能研でも、4年生の後半に速さの基本を学習します。
また速さを表すグラフ(進行グラフ)も 学習しますので、グラフの傾きや縦軸・横軸が何を表しているかを理解する必要があります。

9月から10月にかけて、比能研だけでなく四谷大塚・早稲田アカデミーでも場合の数の基本を学習します。
基本的には樹形図を書いて確かめるところからのスタートですが、それらが 計算に結びついていくところを確実に理解しておく必要があります。

場合の数の問題については、入試問題でも「 手を動かしている間に規則性が見つかる」といったスタイルの問題が多いですから、この時期に手を動かして学習しておくことが大切になります。

学年の末には立体の体積や 表面積も学習します。
理解することはもちろんなのですが、実際に体積や表面積の複雑な計算を集中してこなし、 正しい答えを出すというところまでクリアしておきたいですね。

サピックスはあらゆる 塾の中でも最も進度が早い塾になりますが、約数と倍数については1学期に1回、そして夏期講習でも学習しています。
この考え方を使って分数の通分、たし算やひき算といった計算にもずいぶん習熟した状態で4年生を終えることになります。

逆に 割合に関しては、関連した事柄が出てくる回もあるのですが、本格的に学習するのは5年生になります。
速さに関する授業は4年生で1回、こちらも速さの基本的な考え方や意味を4年生でしっかり身につけて、使いこなすための詳細な学習は5年生になります。

講習会でもあまり同じことを繰り返さず、効率よく進んでいくカリキュラムになっているため「 積み残し」が多く出ていると自覚している場合は、比々の家庭学習で過去単元の復習を少しずつでも積み上げていくことが非常に大切になります。

比の学習でパラダイムが変わる5年生

5年生後半の算数で最も大切になるのは、比に関する学習です。
塾によって若干の進度の違いはありますが、たとえば 四谷大塚であれば夏期講習で学んだ比の概念をどんどん応用して学習を進めていくのが5年生の後半になります。

比の考え方を使って図形の問題、速さの問題、仕事算などの文章題、そして水槽の水位の問題なども解いていきます。

日能研は大手の4塾の中で最もカリキュラムの進度が緩やかな塾となっていますが、10月から比の学習が始まり、以降は 図形の問題や文章題、そして 速さや水位の問題など、多塾と同じように比の考え方を駆使する学習が続いていきます。

サピックスの5年生は、夏期講習までで比と割合の問題については、基本的な学習を一通り終えています。
2学期からは旅人算や 流水算・ 通過算・時計算などの速さに関する文章題、比を使って図形の面積を考える問題、倍数算や相当算など割合に関連した文章題など、こちらも比を使った学習のオンパレード です。

例えばこれまでは小数や分数を使って「◯◯倍」の計算をする必要があった問題を、比の考え方を使うと整数だけで解いてしまうことができます。

つまり比を使いこなせるかどうかで、作業の正確性や 速さ、そしてかかる労力など全てにおいて大きな差がつくようになります。

このことを心に留めて、比の学習に最大限の力を注いでいただければと思います。

志望校対策と過去問で得点力をつける6年生

6年生の秋は、どの塾に通っていても最も重要なのは志望校対策です。

学習の軸は3つ。

これまで通り平日に行われる 平常授業、そして日曜に行われる志望校対策の特訓授業、そして家庭で行う過去問演習です。

日曜特訓のコースにお子さんの第一志望のコースがあり、そのコース所属しているなら、日曜特訓の授業と宿題が最優先になります。
資格などの関係で第一志望校のコースに所属していない場合や、第一志望校のコースがそもそも設定されていない場合などは、最優先は家庭での過去問演習になります。

志望校への対策に直結するという意味で、上記の日曜特訓と過去問演習はどちらも大事なのですが、逆に平常授業はこれまでよりもぐっと優先順位が下がります。

平常授業に関しては、授業の中で最大限に理解を深め、家庭学習は日曜特訓の宿題や過去問演習を中心に行う、というスタイルで学習を進めていくといいでしょう。

ただし、理解社会などで基本的な知識が不足している場合は、平常授業での基本事項の復習を大切にしましょう。
「コアプラス」や「四科のまとめ」など、塾で指定されている暗記用教材を使って、平常授業の前に「一問一答」的な知識を一通り確認してから授業に臨むなど、基本知識を充実させることにも力を注いでいただきたいと思います。

苦手分野の克服や対策に関しては、できるだけ10月くらいまでにすませてしまいたいところです。
11月くらいからはむしろ点を取れる分野でしっかり入試問題での得点力をつけていく、というスタイルの学習に切り替えていきましょう。

以上、学年別に秋の算数の学習についてお伝えしてきました。

学校行事なども多く忙しい時期にはなりますが、しっかり算数の学力と得点力をつけていってください。

皆さんが秋の学習で大きく力をつけてくれることを祈っています。

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夏の終わりは、【時事問題】対策を準備しよう!

目次

夏の終わりは重大ニュースの振り返りに適した時期
新紙幣発行、都知事選、パリオリンピックなど今年も話題は多い
色々なニュースに触れ、自分なりの意見も持っておく

中学受験の社会科では対策が欠かせない時事問題。

近年はますます比重が大きくなり、ひと昔前のように最後に1問、というオマケ的な扱いではなく、大問ひとつ~ふたつ、あるいは全問を通してひとつの時事テーマをからめて問う、というスタイルも見かけるようになりました。

(2019年度麻布中学校の社会科では、全問を通して“東京オリンピック”をテーマにした内容が扱われました。)

夏の終わりは重大ニュースの振り返りに適した時期

作問の都合上、出題される時事ネタは毎年、前年の9月頃までのニュースがほとんどなので、秋の終わり~入試直前のニュースは基本的には扱われません。

ですから夏休み終盤は、時事問題の本格的な対策を行う準備段階として、それまでの重大ニュースを振り返っておくのにちょうどよい時期です。

今年は現時点までだけでも重要なニュースがたくさんあったので、全く知らない・分からない話題がないように、ぜひ今のうちに一通り確認しておいてくださいね。

新紙幣発行、都知事選、パリオリンピックなど今年も話題は多い

とくに、新紙幣発行、都知事選、ロシアのウクライナ侵攻、能登半島地震、南海トラフ地震臨時情報、出生率過去最低、歴史的な物価上昇と円安、日本の観測史上最も平均気温が高かった7月、マイナ保険証、パリ・オリンピックについては、中学受験の歴史や地理、公民にからめて出題しやすい話題なので気をつけましょう。

南海トラフ地震に関しては、火山の噴火や津波被害も懸念されているため、海や川の位置や地形などの地理的な知識、(海岸線の長さと津波被害の大きさの関連性など)データの読み取り・分析力が求められることも予想されます。

また、女子校では(二次性徴は女子の方がやや早く訪れるという理由もあり)性別に関するテーマが扱われやすいため、女子校志望の皆さんは、性別問題で関心を集めたオリンピック女子ボクシングの話題を特によく振り返っておくと良いでしょう。

(もちろん女子校だけでなく、この話題を引き合いに今年は多くの中学校で性に対する多様な考え方に関する出題があると思われます)

色々なニュースに触れ、自分なりの意見も持っておく

問題をあれこれ解くのは、秋になって大手塾出版の問題集が出揃ってからで構わないので、今はこれらのニュースについて、とにかくよく知っておくことが大切です。

記事を読んだり様々な意見をチェックしたりするのはもちろん、できればその際に、ニュースに関連する歴史や地理、公民の知識も合わせて確認し、結び付けておくと、さらに理解が深まります。

そうすると、自分なりの考えや意見も出てくると思うので、それらを書き出してみたり、機会があればお家の方や家庭教師、塾の社会科の先生などと話してみたりしましょう。

これらの作業は手間がかかり効果も見えにくいですが、時事問題対策の下準備としては非常に有効であり、読解力や表現力・記述力を磨く国語の鍛錬にも直結します。

そしてなにより、社会をより深く知り、自分なりの明確な意見を持つことは、あなた自身を一回り大人にし、大きな自信を与えてくれるでしょう。

ぜひ夏休みの最後に【時事問題】対策の準備にトライして、夏前とは一味違う、一回り大人になったあなたで9月を迎えてくださいね。

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9月は『黄金の合格曲線』の入り口 〜11月から成績を上げるために必要なこと〜

目次

6年生の9月は学習量を減らす時期?
8月末のテストが悪かった人へ
不安を取り除くためには、苦手分野の克服を
「黄金の合格曲線」を描こう

暑さもようやく一段落かと思えば、台風の影響で不安定な天気が続いていますね。

今回の台風はいつもに増して進路やスピードが掴みにくいので、通過する可能性がある地域の皆さんは常に情報をチェックし、登下校や塾の行き帰りはくれぐれも気をつけてくださいね。

6年生の9月は学習量を減らす時期?

さて、気がつけば夏休みも終わり、いよいよ9月です。

夏の終わりは

「夏休み、あれもこれも出来なかった」
「必死にがんばったけれど、力がついている気がしない」

と、誰もが焦りがちな時期です。

しかし今は、何よりもまず体調を整えることを優先しましょう。

夏休みも学校がある時と同じように早寝早起きを過ごしていた人でも、やはり毎日の学校と、そこからの塾通いという二重生活が久しぶりに再開すると、夏の疲れがドッと出てくるものです。

また、学校によっては9月・10月に運動会や学芸会、その練習もありますよね。

ですから、後期が始まるこのタイミングは、焦っていきなり勉強量を増やすより、むしろ少し減らし、睡眠時間をしっかり確保したほうが良いのです。

学校行事や無理なペースアップで息切れしたり、冬を迎える前に力尽きてしまい、ラストスパートに全力で臨めなくなったりしては元も子もありません。

勉強のペースは体調を整えてから戻し、徐々に上げていくぞと割り切って、その後しっかりと成績を上げ、受験本番にピークをもっていきましょう。

8月末のテストが悪かった人へ

また、夏の終わりの模試で芳しい結果が出なかった場合も、

「夏の努力が実らなかった」
「やり方を間違った、無意味だった」

とすぐ決めつけるのは早計です。

夏に全く勉強をせずダラダラ過ごしたというなら話は別ですが、そうでないならば、その原因は

・生活の乱れ(朝型に戻せていないなど)
・アウトプットできるほどには、まだ夏に仕入れた知識や技術を整理・定着しきれていない

ということが考えられます。

知識や技術(解き方)を詰め込むだけ詰め込んでも、それを自分のものとしてテストで使えるまでに整理・定着できていなければ、結果としてはもちろん出てきません。

ですが、皆さんが積み重ねてきた夏休みの頑張りは、これらをきちんと整理整頓し、演習を重ねてしっかり定着させれば、必ず嬉しい結果として成績に現れ始めます。
どうかここで慌てふためき、メンタルもペースもガタガタに……とならないように気をつけてくださいね。

不安を取り除くためには、苦手分野の克服を

そして、前述したこの時期特有の不安を取り除くためには、苦手分野の克服が一番です。

先ほどお伝えした(夏に仕入れた)知識・技術の演習・定着とともに、各教科の不安が残るジャンルをきちんと洗い出し、対策しておきましょう。

実戦演習はこれからいくらでもやれます。

というか、ここから先は授業も模試も家庭学習も実戦演習一色になりますから、苦手に取り組めるのは、今が最後のタイミングなのです。

苦手分野の克服は地味な作業ですし、「苦手」なのですからもちろん苦しいです。

そして、それが直近の模試に必ず出るわけではないですから、すぐに飛躍的な成長を感じられることもありません。

けれど、ここから本番までの実践演習で毎回後悔しないためにも、ぜひ不安を残したまま秋を終えることがないように、遅くても11月までにはこの作業をやり切りましょう。

「黄金の合格曲線」を描こう

9月、10月と一時的に成績が停滞したり、あるいは下がってしまったりしても焦らないことです。

忍耐が必要なしんどい時期ですが、そこでふんばり、しっかり自分に必要な学習をやり切れたら、そこから成績は徐々に上がっていきます。そして、学力も体力も、本番にピークを持っていきましょう。

これを私は「黄金の合格曲線」と呼んでいます。

ぜひこの曲線を目指して、今の時期を必要な停滞期と受け止め、モチベーションを保ってください。
そして、最後の1カ月は、得意な分野をさらに伸ばし、得点力に磨きをかけると同時に、モチベーションもMAXに持っていきます。

大丈夫、あなたなら出来ます。

私はこれまで最後の数ヶ月や、直前1ヶ月でグングン伸びていく子を何人も見てきました。

「わたしなら、ぼくなら、出来る!」

皆さんが最後まで自分自身を信じてやり抜き、晴れ晴れと素晴らしい春を迎えられることを私も信じています。

一緒にがんばっていきましょう。

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25年度【新課程入試】開始、「探求心」はどう育む?

目次

探究学習は日々の生活の中で実践することができる
身の回りのことに「なぜ」と思える環境を
子どもが熱中している子は思う存分やらせる

立秋とは名ばかりの猛暑が続いていますが、中学受験生の皆さんは元気に過ごしていますか?

先日の記事では、中学受験にも影響を及ぼし始めた、高校の新科目「総合的な探究の時間」についてお話ししました。

自ら課題を設定し(問いを立て)、自らデータや資料を読み取り、調べ、分析し、自分なりの答えを探していく「探究学習」。

私も長年に渡り、「熱中力」「好奇心」などのテーマと共に、お子さんの探究力の大切さをお伝えして来ました。

今日は、2025年度から正式に採用される大学新課程入試を機に、あらためてその重要性や、探究力を育むためにご家庭でできることについてお話ししたいと思います。

探究学習は日々の生活の中で実践することができる

正式な科目にはなっていませんが、探究学習は、小学校でも「総合的な学習」の中で取り入れられています。

ただし、まだその歴史は浅く、指導する側の大人がそのメソッドを確立できていなかったり、教え方が手探り状態であったりするのが現状です。

そして巷では「探究学習」と名を冠した習い事や塾もあれこれ出始めてはいますが、実は探究学習を行うのに、必ずしも授業や専門の講師、塾は必要ではありません。

というのも探究学習は、日々の生活や、お手伝い、遊びの中でいくらでも実践することができるからです。

そもそも探究学習というのは前述の通り、「自分なりの答えを探す」ところにポイントがあります。

つまり、日頃から自分なりに疑問を持ち、自分の頭で考える、という習慣をつけることが、その力を伸ばすことにつながるわけです。

特に幼少期や低学年の頃はたくさん時間がありますので、ぜひこの頃から

「なぜこうなるの?」
「どうしたらできるかな?」

など、たくさんの「ハテナ」をお子さんの頭の中に作ってあげることを意識してほしいと思います。

「なぜ?」と聞かれ続けるのはお家の方もなかなか大変ですが、それに対して常に正解を答えたり、説明をしたりする必要はありません。

「良いことに気がついたね。お父さんにもわからないよ、一緒に考えてみよう」

でも良いですし、

「じゃあ、このことは頭の中に置いておこうね。何かわかったら教えてね」

でも構いません。

まずは、たくさんの「ハテナ」を生み出すことが、探究心のもとになるのです。

身の回りのことに「なぜ」と思える環境を

なぜ?どうして?と全く言わないお子さんの場合は、お母さんやお父さんが

「空って青いねぇ。なぜだろうね」

とつぶやいたり、

「月が追いかけてくるね。どうしてかな」

などと声をかけてみたりするのも良いと思います。

身の回りのことに疑問を感じていいんだ、ということを、お家の方のそのような態度で、お子さんに学習させてあげるのです。

探究心は自然には生まれません。

これも学習だと考えて、なかなか「はてな」が生まれない場合も、あせらずそんなやりとりを毎日続けてみてくださいね。

また、最近は幼い頃からスケジュールがガチガチのお子さんも多く、そのために、自分から何かに興味を持ち、それについて探究する機会・時間を得ることが難しいケースも増えています。

本人の意思も希望も尊重されず、指示されるままの日々を過ごしていると、お子さんの熱中する力、探究する力はどんどん失われていきます。

どうか小さい頃は(ご本人があまり興味を示していない)習い事や塾を詰め込み過ぎず、お子さんが何に熱中しているか、普段のようすをよく見てあげたり、興味のありそうなことを一緒に楽しんだり、それについて話したりすることを大切にしてあげてほしいなと思います。

子どもが熱中している子は思う存分やらせる

そして、もう一つ大切にしていただきたいことが、お子さんが興味を持って何かに熱中しているときには、その対象がたとえお家の方から見てあまり有意義ではないと思えるものごとであるにせよ(図鑑や、砂遊びや、パズルなど)、温かい目で見守り、ぜひ思う存分やらせてあげてほしいということです。

そのようなとき、お子さんの頭の中では、自然と「思考訓練」が行われています。

自分たちが眺めている光景や音などに脳は反応し、

「このお魚と前に見たあのお魚は形が似ているな」
「でも違う名前だから、違う魚なんだな。じゃあ、どこが違うのかな」
「この砂山は、ここに穴をほったら崩れてしまうな」
「僕がここから、あの子があそこからほるとトンネルが繋がりそうだな」
「あれ?崩れちゃった。お水が少ないと崩れやすくなるのかな」

というように、物の類似性や相違点を確かめたり、原因を探り因果関係を発見したりと、無意識のうちにフル回転しているのです。

このような体験は、お子さんがねばり強く最後まで考え抜く力や、自分で考え解決策を見つける力や楽しみを大いに育んでくれるでしょう。

さらに、プラモデルや砂遊び、野菜を切るお手伝いなどが自然と立体図形の感覚を養ってくれるように、図鑑、パズル、おつかいなど、子どもが夢中になりやすい遊びやお手伝いには、探究力を育んでくれるだけでなく、受験に必須であるさまざまな感覚を養ってくれる場面もたくさんあります。

探究力は、将来どんな時も自分で人生を切り開いていく力や楽しめる力を養ってくれるのはもちろん、直近の目標である中学受験にかかわるさまざまな感覚を養い、学びを「自分ごと」「楽しいこと」と感じさせてくれます。
だからこそ、探究力のあるお子さんは、勉強量が少なくても、どんどん勉強ができるようにもなっていくのです。

ぜひ、時間のある幼児〜低学年の頃には特に、お子さんのやりたいこと、熱中していることを大らかな気持ちで一緒に楽しみながら、探究心を存分に育んであげてくださいね。

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【中学受験】25年度「新課程入試」で、中学受験はどう変わる?

目次

「生きる力」を育むことを目指す探究学習の時間
中学受験にも「探究学習」の場面を想定した出題が
重要性を増す「探究学習」

夏休みが始まり1週間が経ちました。

中学受験生の皆さんは夏期講習で忙しい毎日かと思いますが、少しずつ日々のリズムは掴めてきたでしょうか。

先日、東大入試に関するニュースをお伝えしましたが、今日も中学受験生の皆さんにとっては少し先のことである、高校の新課程についてお話したいと思います。

というのも、学習指導要領の改訂により、2022年度から始まった旧科目「総合的な学習の時間」に代わる新科目「総合的な探究の時間」の影響が、すでに皆さんの目指す「中学受験」の現場にも生じ始めているからです。

「生きる力」を育むことを目指す探究学習の時間

まずこの新課程ですが、これまで同様、課題発見から解決までの能力や主体的な学びを育む、という点は変わりません。

ポイントは、それに加え「資質・能力」の育成も行い、思考力・コミュニケーション能力などの能力育成、進路等に関する学習、自己理解や将来の在り方・生き方を考えるなどの学習も行うというところです。

そもそも、文部科学省がこの「総合的な探究の時間」導入を決めた理由は、生徒たちの「生きる力」=社会に求められる力を育成するためです。

現代社会はVUCAの時代※と言われ、AI化や情報技術の進展により社会の変化が激しく、社会の課題も複雑化しており、また人の価値観も多様化しています。

※VUCAとは、Volatility(変動)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑)、Ambiguity(曖昧)の頭文字をあわせたもので、現代社会が多様で複雑で、未来予測不可能な時代に直面していることを表すための造語です。

現代のように正解が一つではない時代においては知識を備えているだけでは不十分であり、それ以上に、自ら課題を見つけ、自ら解決方法を考え、選択し、実践していけるような力、周りの人たちと関わる中で新たな視点や課題を見出せる力、つまりは生きる力、社会に求められる力を育成することが非常に大切である、という考えから探究学習が注目されるようになり、この新課程導入にもつながりました。

(小学校でも「総合学習」としては2002年度から導入され、「探究的な学習に主体的・協働的に取り組むとともに、互いのよさを生かしながら、積極的に社会に参画する態度を養う」ものとされています。)

中学受験にも「探究学習」の場面を想定した出題が

導入当初は大人たち指導者側も手探りでしたが、2年が経過し、独自の充実した試みを行う高校も増え、いよいよ2025年度からは、大学入試も本格的に新学習指導要領(新課程)に合わせたものになります。

もちろん大学入学共通テストも大きく変わる予定で、たとえば、大学入試センターが公表している大学入学共通テストの試作問題では、単に知識を問うものではなく、「探究学習」の場面を想定したもの、たとえば会話文を用いた設問や、資料から情報を正確に読み取り、知識に基づきそれを分析・判断し、そこから導き出されるものをまとめあげる能力や表現力を問うような類のものが大きな割合を占めています。

このような動きを受け、満を持して中学入試の選抜方式を変更する学校も一気に増えてきたわけですが、たとえば、千葉県の光英VERITAS中は今年、SDGs(持続可能な開発目標)に関する探究入試を実施しました。

課題は、3つの資料(①松戸市の交通事情、②輸送と二酸化炭素排出量の関係、③近年新たに発明されたクルマ)をもとに、「地球環境をよくする、未来のクルマ社会を実現するためのクルマやしくみを考えよう」というもの。

現状や解決策をまとめて記述したうえで、それを一人ずつ発表し、質疑応答も行いました。(この枠の入試ではこの課題のみが合否判定の対象であり、学科試験はなし。受験者25名中8名が合格しました。)

また、6月には山脇学園中学校でも2025年度の中学入試における「理科探究入試」枠の新設が発表されました。

※これに伴い2020年から導入していた「探究サイエンス入試」は廃止(変更)、これまでの「国・算1科」入試の定員は10名減らし50名に変わるので、志望校に定めている人は注意しましょう。詳しくは公式HPでお確かめください。
https://www.yamawaki.ed.jp /

さらに、推薦入試枠に探究学習を取り入れる学校も現れ始めています。

重要性を増す「探究学習」

自分で課題を設定し(問いを立て)、自分でデータや資料を読み取り、調べ、分析し、自分なりの答えを探していく「探究学習」。

私も長年に渡り、「探究心」「熱中力」「好奇心」等のキーワードと共に、お子さんのそのような力を育む探究的学習(若しくは遊びやお手伝い)の大切さをお伝えして来ましたが、2025年度の本格的な新課程(大学)入試スタートを機に、この夏はその重要性や、それらをどのように育むことができるのかなど、またあらためて皆さんにお話ししていきたいと思います。

中学受験を目指す皆さんが、来年度の新課程入試開始に伴う変化に惑わされることなく、正しい情報を獲得・活用しながら、充実した受験生活を送れるよう願っています。

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