中学受験

【2023年冬期】冬期講習までにしておきたい4年生・5年生の復習のポイント(理科・社会編)

目次

新学年を意識した復習を行う
学年別 理科の学習ポイント
学年別 社会の学習ポイント
理科・社会のおすすめ参考書・問題集

暖冬と言われた2023年ですが、年末になりちらほらと降雪予報も聞こえて来ました。今年も残すところあと少し、風邪など引かず元気に乗り切りましょうね。

さて、先日4.5年生が12月のうちにやっておきたい科目ごとの学習ポイント、算数と国語についてお話ししましたので、今日は後半として理科と社会についてお話ししたいと思います。

冬休みは一年間で学習した内容の復習に最適なタイミングですが、前回お伝えしたようにSAPIXの場合は特に冬期講習が復習内容ではなくどんどん進むカリキュラムになっているので、不安な単元は冬期講習前までにしっかり押さえておきましょう。

また四谷大塚・早稲アカもここ数年で講習内容が変化し予習内容の扱いが増えてきています。

「講習で復習出来るから良いや」と思わず、同じくできるだけ冬期講習前や年内に復習を済ませておきたいですね。

新学年を意識した復習を行う

まず4年生ですが、2月から新小5カリキュラムがスタートすると、多くの塾で授業が週3日になります。

また4年から5年になるときには各教科(特に算数と国語)の進度や難度が一気に上がり、理科でも物理分野の高度な計算が、社会でも詳しい歴史の学習が始まります。

これまでならった内容は今のうちによく復習しておきましょう。

次に5年生です。

4年から5年への移行期よりは緩やかであるものの、同様に新年度の授業進度や難度はグッと上がります。

また、特にSAPIXに通う5年生で、夏期講習直後のマンスリーテストがボロボロだった人は要注意です。

これは夏の学習が詰め込みや単なる作業になってしまい、内容が身についていなかったことの表れです。

このような場合は、冬休みは量を減らしてでも「考える」機会や時間を学習の中に増やしてください。

この時期が、「なぜ?」「どうして?」と思考・理解して内容を確実に身に付ける学習習慣を得られる最後のチャンスと言っても過言では有りません。

4年生も5年生も、新年度に備えて冬休みにしっかり苦手分野を克服し、理想の学習スタイルを獲得しておくことで、安心してスタートが切れると思います。

一年間の心と身体の疲れをゆっくり癒しつつ、上手に時間を作って取り組んでくださいね。

次に、科目ごとのお話です。

学年別 理科の学習ポイント

4年生

4年生では講習までに植物についてや、生物どうしのつながり、水溶液など幅広く新しいことを学習してきましたね。

前述の通り、新年度が始まるとこれからは物理分野の高度な計算問題を扱うようになります。

これまで習った基礎知識はなかなか復習の機会が無くなるので、今のうちによくさらっておきましょう。

5年生

5年生は今年習った内容のうち特に苦手だったところ、積み残しのあるところを中心に的を絞って復習するのがおすすめです。

植物や昆虫については今後なかなか復習の機会が無いので、今が最後のチャンスと思って取り組みましょう。

音と光や天体については多くの人が苦戦しがちですが、この頃は気象分野も苦手な人が多いようです。

天気の変化についてと併せて日本の特徴的な四季や天気についても確認し、気圧配置やそれに応じた画像の判別もできるようにしておけると良いですね。

冬休みに天気予報で天気の変化を日々チェックするのも面白いと思いますよ。

ちなみにSAPIXの2023年冬期講習では磁力と電気、電磁石についてを中心に学習が進みます。

電気・電流の性質でつまずいた人はよく復習しておきましょう。

学年別 社会の学習ポイント

4年生

4年生では多くの塾で地理分野を中心に学習してきましたね。

今後は歴史の本格的な学習が入ってきます。

地理分野もこれからはそれぞれの地方の産業や気候、工業など、より詳しい内容などを扱っていきますので、都道府県の名前や基礎知識、位置・形、川・平野・半島などの重要地名はこの冬休み中にもれなく復習しておきましょう。

その際、出来れば漢字で書けるようにしておくのが理想です。

また、歴史の学習に備えて自分に合いそうな歴史漫画本を読んでみたり、ちょっとしたスキマ時間を使って、重要な用語を少しずつ頭に入れたりしておくのも良いですね。

5年生

5年生はここまでに様々な時代を学習してきましたね。

苦手な時代はありますか?

特に苦手な人が多く入試にも頻出の幕末や応仁の乱の頃に関しては、しっかり流れを理解し、重要事項・語句は暗記し直しておきましょう。

冬期講習では塾によって扱うテーマが大きく異なりますが、SAPIXでは戦争の時代を扱いますので、それ以前の流れをよく復習しておきましょう。

理科・社会のおすすめ参考書・問題集

最後に、理科・社会の復習・スキマ時間の学習におすすめの書籍を紹介します。


「楽しくおぼえてアタマに残る 謎解き理科用語」


「楽しくおぼえてアタマに残る 謎解き社会用語」

理科・社会で構成は違いますが、どちらも受験で必須になる重要用語に関して、受験生である小学生が自然と興味を持てるように工夫されています。

ただの丸暗記ものではなく、頭の中で「思考する」ことを意識して進められるように作られているので、勉強の仕方を改善したい人にもおすすめですよ。


「改訂版 頭がよくなる謎解き理科ドリル」

中学受験のやさしい問題から応用レベルまで身につくドリルです。

理科が楽しく、好きになるしかけが満載で、冬休みに親子で楽しむのにもってこいです。「ヒント」と「謎解きツール」を有効に活用しながらじっくり考えて、ひとつひとつていねいに解いてみてくださいね。

以下のシリーズは4年生にはまだ早いですが、理科が得意、大好き!という人は思い切ってチャレンジしてみても良いでしょう。


「中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 理科・知識思考問題」


「中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 理科・計算問題」


「中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 理科・表とグラフ問題」

合否の決め手となる知識を網羅しているので、塾内テスト対策や総復習はもちろん、入試直前の総まとめまで使えますよ。

また、思考力アップというより暗記がメインですが、SAPIXのコアプラスシリーズ・四谷大塚の「四科のまとめ」も、復習教材としては非常に頼もしく、よくまとまっています。
※「四科のまとめ」はネット書店でも購入できますが、ボールペン付きで割高になっています。
ボールペンがいらないという方は、四谷大塚のホームページで購入するとよいでしょう。

まだ習っていない部分も多いと思いますが、これまで習った部分についてはこの冬にぜひトライしてみてくださいね。

以上、今回は4.5年生が12月のうちにやっておきたい科目ごとの学習ポイントの後半として、理科と社会についてお話ししました。

寒さにも負けず、中学受験合格を目指してがんばっている皆さんに向けたこの記事が、少しでも力になれることを祈っています。

新学年、スケジューリングはここに気をつけよう!

目次

どのような一週間で1年を過ごしていくか考える
スケジュールは親子で立てるのがおすすめ
スケジューリングで意識しておきたい2つのこと

まだ寒さは続きそうですが、目を凝らせば桜の蕾もほころび、春の気配が感じられるようになりましたね。

どのような一週間で1年を過ごしていくか考える

さて、新年度が始まり一ヶ月が経とうとしています。

新4年生の皆さんの中には、この2月から塾に通い始めたというお子さんも多いと思いますが、新しい生活には慣れてきましたか?

現時点で通塾に大きな違和感を覚えているお子さんやご家庭は、以前の記事も参考にしながら、あらためて塾との相性を確かめてみてくださいね。

もしも転塾することになったとしても、今ならまだ頑張り次第ですぐに新しい塾のペースに追いつくことも、学習法に慣れることもできる時期です。

そして、この時期、塾との相性の見極めとともに大切なのが「スケジューリング」です。

中学受験勉強の本格的なスタートに当たり、ここから入試本番までのスケジュールを考えることはもちろん重要ですが、新4年生のスタート時点ではまだこの先3年間のことなど漠然として分からない、というのがほとんどのご家庭の感覚だと思います。

ですので、まずはこれから4年生の1年間を過ごしていく上で、一週間をどのような家庭学習のサイクルで進めていけばうまくいくかを第一に考えましょう。

大手進学塾の標準的なカリキュラムでは、4年生の通塾日数は週2日です。

まだ土日に授業があるケースは稀で、多くの塾は確認テストや公開テストがある程度です。

それぞれの塾のスケジュールを確認して計画していってくださいね。

スケジュールは親子で立てるのがおすすめ

スケジュールを立てるときに時に気をつけたいのは「本人だけで作らせない」、かつ、「親御さんだけで作ってしまわない」ことです。

中学受験生には塾の予習・復習・テスト対策などに加え、学校の宿題や、場合によってはクラブ活動や習い事もありますね。

そんな中、どう日々を過ごせば学習サイクルがうまく回るか考え、そのために優先順位を決めたり課題の取捨選択をしたりするのは、受験を成功させるために非常に重要です。

しかし、小学生本人だけでそれを行うのは無理がありますから、ここではぜひ親御さんが力を貸してあげてください。

ただし、「親が組んだスケジュール」というのは、往々にして本人のやる気を削いでしまうものです。

あくまでも計画はまず子ども自身に考えさせ、本人が「私(僕)が作ったスケジュール」と思えるようにサポートしてあげてくださいね。

その上で本人が見落としている内容や、効率的でない部分など気になる点があれば、

「国語の漢字と言葉のテストは火曜日にあるよね。それならいつ、その勉強をするのが良いかな?」
「水曜日はピアノがあるね。他の曜日と同じ量のドリルができるかな?」

というような具合で声がけしつつ、一緒にスケジュールを作り上げていきましょう。

このようなやり方を繰り返すことで、やがて本人自身が自らスケジュールを考えられるようになっていきますよ。

スケジューリングで意識しておきたい2つのこと

スケジュールを組む際、具体的な中身については、次の2つのことを意識しましょう。

ひとつは「逆算すること」です。

漢字と言葉のテストが火曜日、計算テストが木曜日、隔週に確認テスト……などというように各塾の固定した予定をリストアップし、「いつまでに何を済ませれば良いか」を考えて組み立てていくのがポイントです。

もうひとつは「欲張り過ぎない」ことです。

やる気満々のこの時期に組むスケジュールは、ついつい張り切って詰め込みがちです。

学校の宿題や突発的なイベント・体調不良など、少々負荷が増えたときにも無理なくこなしていけるよう、余裕を持って組むことがうまくいくコツです。

また、一度組んだら絶対にそれを守らなければならないわけではありません。

塾に入ったら最後までそこに通わなくてはならない訳では無いのと同様、初めに作ったスケジューリングで家庭学習がうまく回らない場合は適宜見直し、より良いものに作り変えていきましょう。

また、わたしたち大人も決めたことがうまくやりきれない日があるように、まだ小学生である本人たちには、なおさらそんな一日がたくさんあるでしょう。

親御さんは、お子さんがうまくいかなかった日にも、就寝前にはぜひ「よく頑張ったね」「明日はもっとうまくいくよ」などと笑顔で励まし、労ってあげてください。

叱咤激励もときには必要ですが、親御さんの笑顔こそが、長く険しい受験勉強に挑む子どもたちにとって何よりの心の支えになるはずです。

【中学受験】 大手各塾の“四大模試”を活用しよう!

目次

4月から始まる各塾の公開模試
SAPIX
四谷大塚
日能研
首都圏模試センター

桜の優しい色合いが心を和ませてくれますね。

千鳥ケ淵で毎年行われる“さくらまつり”は、4月2日までの開催予定を7日までに延長したそうです。
今年の桜は暖冬でボケた、とも言われており、開花がまばらで例年より長くお花見が楽しめるようです。

新年度で余裕がなかった人は、この週末にぜひお散歩に出かけてみてくださいね。

4月から始まる各塾の公開模試

さて、中学受験の各大手塾では4月から模試が始まります。

中学受験界隈では「4大模試」と呼ばれる代表的な模試があるのですが、それがSAPIX(サピックス)、四谷大塚、日能研、首都圏模試センター主催によるものです。
今月前半では以下の日程で予定されています。

SAPIX/4月14日(日)第一回志望校判定SO(サピックスオープン)
四谷大塚/4月7日(日)第一回合不合判定テスト
日能研/4月7日(日)実力判定テスト
首都圏模試センター/4月14日(日)合判模試
(いずれも6年生対象)

模試は受験生にとって非常に大切です。

自分の学力の到達度や、志望校との距離感が現在どれくらいなのか(同じ志望校を目指す受験生の中でどの辺りに位置しているか)の指針になります。
また、データをよく分析することで苦手な科目やそのジャンル、学習の抜けが明確になり、課題の把握にも役立ちます。

それぞれの模試で特徴やレベルが異なりますので、今日はその活用法についてお話しします。

SAPIX

こちらの「サピックスオープン」が、SAPIXの名物模試です。

いわゆる御三家や最難関校受験を見据えた模試のため、非常にレベルが高いです。
志望校が御三家や最難関校である場合は必ず受けておきましょう。

母体(試験を受ける生徒)の成績が高めなので、偏差値が低く出ることも特徴です。

サピックスオープンには主に、前期に実施される「志望校判定」、後期に実施される「合格力判定」、そして志望校の傾向を反映させてタイプ別に作成された「学校別」があります。

志望校判定は志望校・併願校の選定、合格力判定は志望校の決定・併願校の調整にも大いに役立ちます。
学校別は同じ目的を持つ生徒が集まるため、高い精度で結果が出るので、自分の志望校向けの模試がある場合はできるだけ受けるようにしましょう。

例年実施されている学校別模試
男子:麻布・栄光学園・開成・慶應藤沢・慶應中等部・慶應普通部・駒場東邦・渋谷教育学園渋谷・渋谷幕張・聖光学院・筑駒・灘・武蔵・早稲田・早稲田実業・早大学院

女子:桜蔭・慶應湘南藤沢・慶應中等部・渋谷教育学園渋谷・渋谷幕張・豊島岡・フェリス・雙葉・早稲田実業
※2024年度の詳細は7月頃、SAPIX公式ホームページに掲載予定です。

四谷大塚

こちらの代表的な模試は全6回実施される「合不合判定テスト」。
設立70年近い大手塾による、約50年も前から実施されている模試です。

受験生で受けない人はいないと言われるほどの、首都圏随一の模試であり、受験生が7000人程度にとどまるサピックスオープンとは異なり、幅広い成績層の1万2000人程度が受験します。

御三家・最難関校を強く意識したサピックスオープンとは異なるため難度はやや下がりますが、一問一問が多少易しくなる分、問題数が多く、特に算数はその傾向があり、スピードが鍵になります。
国語も文章はやや易しいものの記述量が多めなので注意しましょう。

時間配分に気をつけながら解く試験の練習や、実践的な判断力や感覚を養う目的としても有効です。

模試の結果は、SAPIXの偏差値より5〜7程度偏差値が高く出る傾向があります。

「採点済み答案」はテスト翌日pmからホームページで順次公開、「結果資料集」はテスト実施後の水曜日夕方から、ホームページで閲覧可、「個人成績表」はテスト実施後8~10日後に自宅に届きます。
解説IT授業があるので、弱点補強がしやすいのも特徴です。

またサピックスオープンと同様、試験会場は日本全国にある本当の中学校の教室を選べるため、こちらの模試を受験することで入試本番に近い緊張感や環境を体験でき、本番に向けた「会場慣れ」も期待できます。

※国公私立中学向けの合不合判定が有名ですが、年に2回、公立中高一貫校対策実力判定テストもあります。
公立中高一貫志望の場合はぜひ受験しましょう。
本番同様「適性検査」となるため、明確な科目ごとの試験ではありません。

日能研

日能研の全国公開模試は、6年4月は実力判定テスト、5・6月は志望校選定テスト、7月は志望校判定テスト、9月〜入試直前は合格判定テストと名称が異なりますが、大きな違いはありません。

SAPIX、四谷大塚よりも易しい標準レベルの出題内容です。
いわゆる中堅校を志望している場合は最適と言えるでしょう。 

結果はSAPIXの偏差値より6〜8程度高く出る傾向があります。

R4(ほかにR3・R2)という、独自のデータや入試結果から算出した、合格率80%(R2・3はそれぞれ50%・20%)を示す偏差値を用いており、入試の試験日・定員・入試科目の動きと「合格判定テスト」の結果から合格可能性(R4)を予想してまとめた一覧表があるのも特徴です。

「会員用Webサイト」では最短で試験日翌日に情報が掲載され、成績情報はもとより、学校情報、弱点の処方箋等、「志望校合格」がより具体的になるためのきめ細かな情報が得られます。

また、日能研の模試も現在は実際の中学校での受験が可能です。

首都圏模試センター

こちらの合判模試は標準よりかなり易しいレベルです。

小学校の授業をきちんと学習していれば満点とは行かずともある程度の成績が取りやすく、御三家・難関校志望の場合は結果が参考になりにくいと言えます。
中堅校〜偏差値がやや低めの学校を志望している場合は受けてみましょう。

塾が主催する模試ではないので受験者数は非常に多いです。各大手塾に比べて偏差値がかなり高めに出るため、そのままSAPIXや四谷大塚の偏差値と置き換えて考えないように注意しましょう。
具体的には、SAPIXよりも15くらい高めに出る傾向があります。

首都圏模試センターは合判模試のほかに、適性検査型模試も実施しています。
公立中高一貫校志望の場合は模試の機会が少ないため、四谷大塚の模試と併せてぜひ受験してみてください。

本番までに受けるべき模試の回数というものは特にありませんが、たくさん受ければ良いというものでは決してありません。
模試は基本的に土日祝日に実施されます。
基本的に受験するとなると1日がかりになってしまうので、その分勉強時間が削られることを忘れないようにしましょう。

受験後に分析や復習、浮き彫りになった課題の対策・演習を行う時間をきちんと確保できるよう、計画的に受けることが大切です。

5年生頃からは少なくとも受け始め、6年生では前期に少なくとも2〜3回、後期は月1回程度受けるのが平均的です。
ただし、模試どころではない状況の場合は、貴重な1日を模試より学習に割くべきケースもあります。
時期や一人一人の学習状況によりその判断は異なるので、迷ったらよく塾の先生や家庭教師に相談してみてください。

また、公立中高一貫校の場合は私立と問題傾向が大きく異なり、基本的に2科目や4科目といった試験ではありません。

文章力や思考力、科目を横断した総合力が求められるため、模試もそちらに特化して作られたものが必要です。

例年では以下のような模試が実施されているため参考にしてください。

四谷大塚:公立中高一貫対策実力判定テスト
日能研:公立中高一貫校適性検査テスト
首都圏模試センター:適性検査型模試
ena:都立中学校別合格判定テスト
早稲田アカデミー:適性検査対応力判定模試など

また、色々な模試を受けた方がよく実力が分かると思ってしまい、毎回あえて別な模試をチョイスする人もいますが、基本的には自分の志望校のタイプや偏差値のレベルに合わせ、どの模試を主軸にしていくのかを決めておくのがおすすめです。
学習到達度や現在の位置(合格可能性)の変化は、基本的に同じ模試を続けて受け、その中で結果がどう推移して行くかを追っていく方が正しく把握出来ますよ。

前述の通り、模試はたくさん受ければ良いものではなく、大切なのは受験後にそれをどう活かすかです。
結果に一喜一憂せず、冷静に自分の現状を受け止め、得意科目・ジャンル、苦手科目・ジャンルをよく分析してください。
そこから、志望校に向けて何が足りないか、どこを伸ばすべきかよく考え、本番までの時間を逆算して対策していきます。

復習をしっかり行い、1か月〜3か月後に再び同じものに取り組むのも良いでしょう。
この作業により復習の完成度が上がり、繰り返しやることで知識も記憶にしっかりと定着させることができます。

テストの分析〜志望校に向けた対策・本番までの計画を自分1人の力で行うのはなかなか難しいので、その際は塾の先生や、中学受験指導の経験豊富な家庭教師の手も借りるのがおすすめですよ。
毎日がんばっている皆さんの努力が最大限報われるよう、いつも応援しています。

2・3月は新しい学習サイクルの構築を目指して

目次

1年でいちばんつまずきやすい時期
ポイントはこれまで「余裕」があったか
もうすでに「目一杯」になっているなら要注意

1年でいちばんつまずきやすい時期

各塾共に、受験が一段落し新年度の授業が始まりました。

新小5生にとっても新小6生にとっても、この2月から3月が大切な時期になりますね。

そして、今が1年で一番つまずきやすい時期でもあります。

それは、学習内容、レベルが一段階高まることで、これまでの学習スタイルが通用しなくなる危険性がある時期だからです。

この時期につまずく子が多い一方で、軽々と一段高くなった学習内容をクリアしていく
子どもたちもいます。

その見分け方は意外に簡単です。

ポイントはこれまで「余裕」があったか

これまでの生活に、じゅうぶんな余裕の時間があったかどうか。
これまでの生活に、豊かな気持ちの余裕があったか。

この2点から、これまでのお子さんの生活を振り返っていただきたいのです。

気持ちの余裕は、知的好奇心を育てる基盤になります。

いつもいつも勉強に追いまくられているという脅迫感を持っている子どもには知的好奇心が育たず、目先のテストの点数だけにこだわってしまうことになります。

「点数を取りたい」という気持ちは非常に大切です。

その気持ちが、お子さんを

「次のテストで点数を取るために、とりあえずやり方を丸暗記してしまおう」

という行動に向かわせるか、

「自分自身の頭の中で、納得いくまで考えて理解する」

ための行動に向かわせるかで、結果は大きく異なってきます。

もうすでに「目一杯」になっているなら要注意

「もう既に、目一杯になってしまっている」というお子さんは要注意です。

学年が上がれば、学習内容は一段難しくなり、しかも、学習しなければならない量は、1.5倍程度に増えます。

今すでに目一杯になっているという自覚があるなら、勉強量を減らして、その上で成績を上げていける勉強方法を見つけ出してあげる必要がありますね。

学習すべき内容を上手に取捨選択することで、一つ一つの問題に向き合う集中力が高まり、結果的に少ない学習量で成績を上げてきた子どもたちを、私は数多く見てきました。

もし、お子さんの日々の学習が、「あたふたとした、丸暗記学習」になっていると感じられたら、ここ1・2ヶ月の間に対策を取ってあげてください。

ポイントの1つに、4・5年生までは、できれば日曜日を丸一日空けた状態にしてほしいということがあります。(模試などの日を除く)

6年生になると、どうしてもやるべきことが多くなり、また特訓(早い塾では2月から日曜の特訓が始まります)などにより、日曜日の学習量が多くなります。

それは仕方がないことなのですが、4年生・5年生の段階で日曜日を学習で埋めてしまっていると、6年生になると破綻してしまうのです。

ぜひこの2ヶ月で、新しい学習サイクルの構築を目指してみてください。

春休み前に一度、振り返りができればいいですね。

中学受験 2024年の軍配は? ~新年度、塾との相性を見極めよう~

目次

2024年度入試 ふるわなかったサピックス
今一度、塾の選び方について考えてみる時期
お子さんの進路も進学先も多様化している

暖冬もそろそろ終わりかという今日この頃、突然の大雪には驚きましたね。

当日関東では、跡見学園など受験最終日だったご家庭も少なくなかったようですが、皆さんは無事試験を終えることが出来ましたでしょうか。

多くの生徒さんが進学先も決まりホッとしているところかと思います。

受験生の皆さんはもちろん、様々な形で御本人をサポートされていた親御さん方も本当にお疲れ様でした。

2024年度入試 ふるわなかったサピックス

さて、2024年中学受験、蓋を開けるとその結果は今のところ早稲アカがやや躍進、SAPIXがふるわず、むしろ例年にない残念な結果、といった感じです。

特に開成や桜蔭など御三家の合格者数では、SAPIXが男女ともすべての学校が昨年から減少しており、聖光学院や渋幕などの人気校も同様の結果でした。

こちらのメルマガやコラムでもいつもお伝えしている通り、SAPIXの御三家・難関校対策やテキストには素晴らしいものがありますが、「SAPIXに入れば安心」では決してないということを、この結果も踏まえ、改めて認識していただければと思います。

入塾・転塾の最良のタイミングは新年度スタート(2月〜)ではありますが、どちらの塾を選ばれたご家庭も、塾とお子さんの相性に違和感を持たれている場合は無理して通わせ続けることなく、ぜひ一度、中学受験の経験豊富なプロ家庭教師や塾の先生によく相談なさってみてくださいね。

今一度、塾の選び方について考えてみる時期

長年SAPIXは御三家合格占有率でトップを走り続け、「御三家ならSAPIX一択」「SAPIXに入れば安心」と言われ続け、近年では受験学年での確実な通塾(席の確保)のため、低学年からの入塾・席の取り合いや、それに伴う各教室の生徒募集停止が話題になっていました。

しかし、今年のこのような結果を受け、優秀な成績の生徒さんたちが早稲アカなど今年合格率を伸ばした他塾への入塾・転塾を希望されることも大いに予想されます。

その場合、数年後には「サピ一強」と言われた時代も終わりを迎えることがあるかもしれません。

これを機にというわけではないですが、御三家や難関校を目指されているご家庭の皆さんは、どの塾が良い・悪い等の巷のウワサに流されず、お子さんの資質や性格・成績・志望校と、通われている塾の相性が本当に良いかどうか、私が主任相談員を務めるサイト「中学受験情報局」に書いたこちらの記事も参考に改めて見直してみてください。
(もちろん塾を使わない受験も、お子さんによっては選択肢の一つです)

お子さんの進路も進学先も多様化している

また、そもそも志望校や憧れのチャレンジ校が御三家・難関校ではない、というお子さんも今は増えていますね。

グローバル教育に熱心な学校に通わせたい、中高一貫で伸び伸びすごせる学校が良い、アクティブ・ラーニングで学べる授業を受けさせたい等々……

志望校自体の多様化に合わせ、多くの塾で、中高一貫校用の適性検査対策・作文対策など、以前より様々な対策や講座が用意されています。

我が子の志望校に特化した対策を行っている塾はどこか?合格実績が良い塾はどこか?

そんなことも、ぜひ各塾に問い合わせたり、調べてみたりして比較検討していただけたらと思います。

日々奮闘する中学受験生の皆さんに、この記事が少しでも力になれたら嬉しいです。

【新6年生のご家庭へ】新しい学年に備えて1月下旬にしておきたいこと

目次

正しいテスト結果の検証方法とは
6年生でどのクラスを目指すのか
範囲のない実力テストの解き直しを大事にしよう

1月も下旬、すでに新学年の組分けテストが行われた、という塾も多いと思います。

結果はどうだったでしょうか。

親御さんにはぜひ、結果を正しく検証していただきたいと思います。

正しいテスト結果の検証方法とは

テストの検証を「正しく」というのは「点数が足りない」「偏差値が下がった」といった結果だけでなく、間違った問題に関して、きちんと原因を確認しておいてほしいのです。

テストでの失点の原因は、大きく分けて次の5つがあります。

1. ミス
2. 知識不足・理解不足
3. 時間配分
4. 問題文の読み取り
5. 作業が雑など

1. のミスに関しては、本人や親御さんがミスだと思っていても、実は2.の「知識不足」ということが多くあります。

理科の計算、思考系の問題などで、問題文に示された条件を表のように整理してから解かなければ混乱して間違いやすい、という問題があります。

このような問題を頭の中だけで考えて解いているお子さんは、2.のように「表にすればいいということを知らなかった」というケースと、5.のように「わかっていたけど端折った」というケースでは、次のテストへの対策は大きく違ってきます。

ぜひ時間のある1月末〜2月初旬(6年生の受験時期は塾が休みになることも多いと思います)に、組分けテストを上記の1.〜5.に照らし、確認してみてください。

6年生でどのクラスを目指すのか

新6年生になる5年生のお子さん、親御さんは、ぜひ「新学年でどのクラスを目指すのか」を確認しておいてください。
もちろん「上のクラスほどいい」とも言えるのですが、志望校に合格するのに最低限度のクラスを目標にすればいいかを意識していただきたいのです。

お子さんの志望校に、どのクラスなら合格できる可能性が高いのか。
これは塾で教えている先生なら感覚的に知っていると思います。

ですから塾の先生に単刀直入に質問してみるのもいいですね。
また、新学年の説明会でデータを公開する塾もあると思います。

目指すところがわかれば、あとは現状とのギャップを確認しましょう。

ただギャップが大きいと、まず何に取り組めばいいかわからないし、目標があまりに離れていると感じると、モチベーションも下がります。

まずは「クラスを1つ上げるには、あと1つ、何ができればいいか」を考えるようにしましょう。

目標は、6年生の前期(7月まで)に目標のクラスに入ることです。
夏休み以降は、本格的な志望校別の対策に入っていくからです。

範囲のない実力テストの解き直しを大事にしよう

これは各学年共通なのですが「習ったばかりのときには覚えているが、時間がたつと忘れてしまう」というお悩みはよく聞きます。

もちろん過去のことを忘れていくのは自然なことなのですが、塾で目まぐるしくいろんな単元を習っていると、眼の前のことに忙殺されがちです。
こうなると、以前に習ったことを振り返る時間が取れなくなっていくのです。

そこで大切なのが、範囲のない「実力テスト」です。
もちろん、実力テストで結果を出せるといちばんいいのですが、テストは結果だけでなく内容もしっかり活用したいですね。

間違った問題に関しては全部解き直すのではなく、正答率表を活用し、一定以上の正答率で間違ったものを解き直しの対象にしましょう。
解き直しに関しては、上記の1.〜5.の項目を参考に「なぜ間違ったのか」「どうすれば次回のテストで得点できるか」を考えましょう。

テスト直しを嫌がるお子さんも多いのですが、間違った問題や点数、偏差値などの結果でお子さんを責めず「知識不足などが今見つかってよかった」「次に得点できればいいね」というアプローチでお子さんに接することができればいいですね。

新しい学年が始まる目前の1月後半、ぜひ組分けテストの解き直しを通して、新学年のテスト直しの「予行練習」をしてみてください。

【新5年生・新6年生のご家庭へ】塾での新しい学年を前に 親子で備えておきたい学習の準備

目次

4年生〜6年生、塾の負担の違い
学年が上がることによる、学習内容とレベルの違い
塾の授業の受け方にもアップデートが必要

1月、塾での新しい学年が迫っています。

特に新5年生、6年生のご家庭には、2月からの学習の変化を予測し、備えていただければと思います。

学年が上がると通塾日や塾での拘束時間が増え、学習量が多くなるというのはよく言われることですが、具体的な例を上げながら対策を考えていきましょう。

4年生〜6年生、塾の負担の違い

「学年が上がると塾の負担が大きくなる」と聞いたことがあると思います。
お子さんの塾での「学年がわり」をすでに経験されたご家庭のみなさんは、すでに身をもって体験されたのではないかと思います。

学年が上がるとどのくらい塾の負担が増えるのか、具体的に見てみましょう。

サピックスの場合、4年生は通常授業(デイリー)の授業は180分×週2回=360分。
5年生になると、180分×週3回=540分となります。
また1授業の長さも4年生が60分なのに対して、5年生は90分になり、1回の授業中の集中力も求められることがわかります。

これが6年生では、240分×週2回=480分と、平日の負担はぐっと減ったように見えますね。
しかしサピックスの場合は「土特」と呼ばれる特訓が毎週土曜、ほぼ必須となり、土曜の拘束時間は300分。
5年生のときに、平日の学習時間の不足を土曜になんとかしていたというご家庭は、時間のやりくりが苦しくなります。

他塾でも概ね同様で、日能研では4年生は週2日、5年生は週3日、6年生になると週3日に加えて2月から前期の「日曜特訓」が始まります。

いずれの塾でも、学年が上がるにつれて通塾時間や日数面での負担が増えます。

時間や日数の負担が大きくなるということは、塾でこなす問題量も多くなるということ。
したがって、家庭学習として指定される課題もどんどん増えるということです。

学年が上がることによる、学習内容とレベルの違い

見逃せないのが、学年が上がることで毎回の授業で習う内容も、当然レベルアップしていくということです。

4年生では1つの単元を2週に渡って学習していたものが、5先生では1週で、しかも4年生で学習した内容は「習得済み」という前提で授業が進められます。
たとえば日能研では、4年生の小数に関する学習は4週にわたるのですが、5年生ではたった1週しかありません。

国語の読解問題でも、扱う素材文の長さ、選択肢問題のそれぞれの字数も多くなっていきます。
同じ「長文読解の問題1問」でも、こなすのにかかる時間も労力も大きくなる、ということです。

このように、通塾日数が単純に週1日増えたというだけでなく、1回1回の授業で扱う内容も幅広く、レベルも上がっていきます。

この変化に対応するために、授業への取り組み方にも変化が求められることになります。

塾の授業の受け方にもアップデートが必要

学年がわりを控えた今、ぜひ授業の受け方に関しても、お子さんに「アップデート」を促してあげていただきたいと思います。

意識していただきたいのは、次の3点です。

1. 先生が話しているときにはノートを取らない

先生が説明をしている間も、黒板をノートに写すのに夢中になってしまって説明が聞けない・・・
これは、授業がわからなくなる子によくあるケースの1つです。
こういったことを防ぐために「先生が説明を始めたら、書いている途中でも手を止めて聞くんだよ」というアドバイスが、改めて必要なお子さんも多いと思います。

2. 先生の顔を見て話を聞く

先生の説明を聞くときには、ぜひ顔を上げて聞くように、お子さんにアドバイスをしてあげてください。
「話を聞くときには、人の目を見て聞きなさい」とはよく言われますが、やはり音声だけを聞くより、その人の身振り手振りをあわせて見たほうが、情報が多く入ってきます。

3. 先生に自分の顔を見せながら授業を受ける

授業中に先生を見るのも大切ですが、自分の顔を先生に見せるのも、とても大切なことです。
先生は、授業をしながら常に生徒たちの反応を見ています。
説明したときに反応が悪いようなら「今の説明ではちょっと分かりづらかったかな。ではもうちょっと噛み砕いて説明しようか…」と、より多くの子どもの理解度が上がるように工夫しているのです。

だから、お子さんが顔を上げて授業を受けていると、意識せずとも先生にメッセージを送ることができるんですね。

新学年を迎えるにあたり、上記のようなことを、あらためてお子さんに伝えていただければと思います。

「言われているようなことはやってみたけど、家庭ではどうにもならない」というご家庭もあるかもしれません。
オンライン相談などご相談の窓口を我々もご用意していますので、必要であればご連絡をいただければと思います。

【2023年冬期】冬期講習までにしておきたい4年生・5年生の復習のポイント(算数・国語編)

目次

算数 5年生は「割合」「速さ」など 4年生は「数」に関する確認を
国語は文種ごとの具体的な読解法をテキストで確認することが重要
市販の問題集などを使う場合の注意点

12月、もうすぐ新年、そしてその次の月から塾では新しい学年が始まります。

今回は、12月のうちにやっておきたい科目ごとの学習のポイント、前半として算数と国語についてお話ししたいと思います。

算数 5年生は「割合」「速さ」など 4年生は「数」に関する確認を

5年生は、今年習った内容のうち最重要単元である「比と割合」について、不安があるなら冬期講習会の前に復習しておくのがいいでしょう。

特にサピックスのお子さんは、冬期講習が復習内容ではなくどんどん進むカリキュラムになっていますから、不安がある単元は冬期講習の前までに、しっかりと押さえておきたいものですね。

また四谷大塚/早稲アカも、以前のカリキュラムにくらべると進度が早くなっています。
講習会も予習内容の割合が多くなっていますから、「講習会で復習すればいい」という考え方がしにくくなっています

その他「速さ」「速さと比」「濃さ」なども重要かつ入試にもよく出題される分野ですね。
過去のテストの正答率表を頼りに、正答率が高いのにも関わらずお子さんが多く間違っている分野がどこにあるのかを把握し、取り組んでみましょう。

4年生も同様ですが、特に数に関して、小数と分数の関係がしっかり理解できているかなどに注意しましょう。

1/2=0.5 1/4=0.25 1/8=0.125

といった関係を覚えておくことも重要です。

もちろんこれからさらに

3/4=0.75 3/8=0.375 5/8=0.625 7/8=0.875なども押さえておくと万全です。

約数や倍数も多くの塾ですでに習ったと思います。

通分や約分、また数に関する入試問題でも

「7で割ると3あまり、9で割ると5あまる最小の数は…」

といった形でよく出題される分野ですから、理解度をしっかりチェックしてみてください。

実はこれらの「数」に関する知識や感覚は、高学年のお子さんでも弱い子が多く、一度、力を入れて復習しておくことはおすすめです。

国語は文種ごとの具体的な読解法をテキストで確認することが重要

4年生、5年生の国語は、読解の分野では6年生での実戦的な読解学習の前の準備として、いろいろな文種(物語文・説明文・論説文・随筆・詩・短歌・俳句など)ごとの「読解法」を学ぶ時期にあたります。

たとえば論説文であれば

・文章を「意味段落」(意味ごとのまとまり)に分けることができる
・各段落の「中心文」を見つけることができる
・各段落の中心文をつなげて文章を要約することができる
・筆者の最も言いたいこと(=結論)を答えることができる

といった技術を具体的に学んで身につけるべき時期であり、それらを問題演習やテストなどで実践する訓練の時期です。

4年生くらいであれば、文章を読んで内容が分かれば「なんとなく」で解いても点が取れることもあるでしょう。

しかし学年が上がり文章の内容が難しくなってくると、この取り組み方ではうまくいかないことがほとんどです。

ぜひ今年1年のテストを振り返り、お子さんが苦手としている文章の種類があるのかを確認してみてください。
そしてテキストに立ち返り、その文種を読み解く際の「具体的な手順」がどのように説明されているかを、あらためて親子で確認してみましょう。

語句や文法事項に関しては、公立中学校で習うくらいの知識は受験勉強ですべて扱うと考えていいでしょう。
品詞の知識や活用なども同様です。

特にことわざや慣用句に関しては、知識が豊富であるに越したことはありません

「◯をとがらせる」(不満そうな様子)
「◯◯をたたく」(はっと思い当たる)
「◯を丸くする」(驚いて目を見張る)

◯に体の一部を入れて答えさせる問題など、非常によく出題されるものですね。

これらはご家庭の会話の中でも培える知識ですので、ぜひ日常会話に慣用句やことわざをどんどん入れてみてください。

市販の問題集などを使う場合の注意点

復習に塾のテキストを使うのもいいのですが、必ずしも使いやすいとは言えないケースもあります。

サピックスやグノーブルのように、週ごとに1冊のプリント冊子になっているテキストでは、復習したい単元の冊子を探すのに一苦労、という場合もあります。
また塾のテキストは、塾の先生が教えることを前提に作られています。

そもそも自学自習に向かないつくりであることが多いのです。

そこで市販のテキスト、問題集を使って復習しようというご家庭も多いと思うのですが、1つご注意いただきたいことがあります。

それは「欲張りすぎない」ことです。

まずはピンポイントで「ここを復習したい」という単元をはっきりさせましょう。
その上で、買ってきたテキストのどの部分を使うといいかを確認します。
そして「その部分だけ」を使いましょう。

もちろん派生することやその分野の前提知識など、やりたいことはたくさんあるのですが、ここでお伝えしたいのは「買ってきたのだから全部やらないともったいない」という考え方を捨てることです。

「つまみ食い」と言ってもいいかもしれません。

まずは「必要最小限」を学習し、その上で必要性を感じたら周辺知識や前提知識など、さらに学習を広げる、というアプローチで試してみていただければと思います。

私が監修させていただき、中学受験情報局の主任相談員、前田昌宏先生が著者である「中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 算数」も、そのように使っていただけることを前提に作られています。

ぜひ市販の問題集の上手な使い方についても、考えてみていただければと思います。


「中学受験 すらすら解ける魔法ワザ 算数・基本からはじめる超入門」
4年生から使っていただける「魔法ワザ」2023年12月19日発売です

次回は理科・社会の復習についてお伝えしたいと思います。

充実した冬休みにしましょう。

【受験直前の6年生のご家庭へ】受験直前、お子さんへの声かけで意識していただきたいこと

目次

受験直前に意識したい「2つの学習」
親御さんに気をつけていただきたいこと
家庭教師が直前期の指導で意識していること

この記事を執筆しているのは、2024年年初。

今回は、6年生受験直前のご家庭の親御さんに向けて、直前時期のお子さんへの声かけについて、気をつけていただきたいことをお伝えしようと思います。

受験直前に意識したい「2つの学習」

学習には2種類あると考えています。

1つは「攻める学習」。
これは、点数を加算するイメージで学習することです。
たとえば「この1問が取れればあと+10点」と考えながら学習するイメージです。

一方で「守りの学習」もあります。
「これができなければ5点マイナス、がんばらないと」と考えながらする学習です。
ミスに気をつけてする学習、といってもいいかもしれません。

どちらもとても大切なことで、入試直前のこの時期、どちらかといえば「守りの学習」に入りがちなお子さんも少なくないと思います。

しかし、この時期大切なのは「攻めの学習」と考えましょう。
守りの学習ばかりになると「不合格になったら…」と不安になったり「不合格になったら学校の友達、塾の仲間になんて言おう」といったことばかり考えがちです。

ぜひこの時期こそ「これができたらあと10点アップ、合格に近づけるよ!」というお声かけをお願いしたいと思います。

親御さんに気をつけていただきたいこと

この時期お子さんは、志望校・受験校の過去問をはじめ、大量に問題を解いていると思います。

過去問演習が2周目に入っている、というケースも多いでしょう。
親としては、やはり点数が気になるものですね。

そこで、以前間違って復習した問題をまた間違っている、以前覚え直したはずなのにまた忘れている、といったことがわかった場合に、ついついそのまま言葉してしまいそうになります。

「今ごろそんなでどうするの?」
「そんなことじゃ合格できないよ!」
という声かけです。

親御さんの不安をそのまま言葉にした上記のような声かけは、お子さんには親御さんの真意が伝わらないものになってしまいます。
自信をなくしたり、お子さんの不安も大きくなります。

こんなときには、次のような声かけを意識していただければと思います。

「今見つかってよかったね」
「覚えていないことに今気づいてよかったね」
「●●がわかっていないのに今気づいてよかったね」
「今ならまだ時間があるから大丈夫」

こう声かけしてもらうと、子どもは「まだがんばれば間に合う」と感じて前向きになれるものです。

家庭教師が直前期の指導で意識していること

私たち家庭教師がこの時期に最も意識するのは、「テストは4教科で競われる」ということです。
どの科目ならいちばん点が上げられそうか、今どの教科に力を入れれば4教科の合計点数を上げられそうか、に特に注目して指導します。

社会であれば、近年思考型問題は増えましたが、基本的な知識を知っていないとテストでは点数にはつながりません。理科の知識も同じです。
ですから、すき間時間をどう有効に使って基本的な知識を覚える、あるいは忘れないようにするかを、あらためて考えてあげていただきたいのです。

これまで「覚えては忘れ…」を繰り返してきているケースも多いと思います。
でも「また忘れている」と気づいても、上記のように「今気づいてよかったね」と声かけしてあげてください。

また「忘れてしまうことと覚え直すことの『イタチごっこ』は前日まで続く」とも声かけしてあげると、お子さんを安心させることができます。
知識については、「前日までに覚えれば大丈夫」という気持ちの余裕も大切です。

これまで、合格可能性がどうしても40%を超えなかった場合でも合格する子はいます。
このような子は、直前時期に集中力が高まり「攻めの学習」ができた子が多いと感じています。

ぜひ「今からでも本気を出せば大丈夫」と声かけをし続けてください。

そして「うちの子だから大丈夫」と信じて受験を迎えさせてあげていただければと思います。

6月はなぜ祝日が無いの? 新たな制定の可能性は?

目次

1. 「梅雨入り」の定義とは
2. 日本の祝日〜なぜ6月に祝日はないのか
3. 6月にどんな祝日があれば素敵かを考えてみる

雨が続いていますね。

中学受験生の皆さんは元気にやっていますか?

1. 「梅雨入り」の定義とは

関東地方にも梅雨入りが宣言され、紫陽花の花が美しく色づき、カタツムリたちも待ちに待った雨のシャワーに嬉しそうな様子が見られる今日この頃です。

実は気象庁による「梅雨入り」の決定には、雨の量や雨が続いた日数などの明確な基準はありません。

梅雨の定義は「春から夏に移行する過程で、その前後の時期と比べて雨が多くなり、日照が少なくなる季節現象」とされており、今までの天候とそこから1週間の予報をもとに、雨や曇りが多くなり始める頃を「梅雨入り」として発表しています。

ここのところ関東では雨が続いたかと思えばその後天気が回復し、そうかと思えばまた雨が降り……という状態のため、既に傘が手放せない毎日が到来していながらも、気象庁の梅雨入りの発表は延期され続けているというわけなのです。

しかし、いずれにせよ不安定で寒暖差の激しい時期です。

中学受験生の皆さんは、調節のしやすい服装で、身体を大切に過ごしてくださいね。

2. 日本の祝日〜なぜ6月に祝日はないのか

さて、身体を大切にするには睡眠、息抜きの散歩や運動、ちょっとした遠出が一番。

それに欠かせないのはやはり、たまの「お休みの日」ですよね。

先月はG.W.があり、塾の講習や模試がありつつも、少しは皆さんも息抜きが出来たのではないでしょうか。

しかし、ご存じの通り6月は祝日がありません。

カレンダーをめくって改めてガッカリしてしまった人もいたかもしれませんが、一体なぜ6月はお休みがないのでしょうか。

そもそも学校や会社が基本的にお休みになる「国民の祝日」は法律で定められた日であり、1年に16日あります。

その目的は日本の風習を育てるほか、感謝や敬意を表すため。

これまで、2020年の東京オリンピック開催年から10月第2月曜日の「体育の日」が「スポーツの日」と改称されたように、さまざまな理由で日程や名称が変更されたり、追加されたりしてきましたね。

ここで、2023年の国民の祝日を確認してみましょう。

・元日(1月1日)……1年の始まりを祝う
・成人の日(1月の第2月曜日)……新成人を祝い励ます
・建国記念の日(2月11日)……建国をしのび愛国心を養う
・天皇誕生日(2月23日)……天皇の誕生日を祝う
・春分の日(3月20〜21日頃)……自然をたたえ生物をいつくしむ
・昭和の日(4月29日)……昭和を顧み国の将来を思う
・憲法記念日(5月3日)……日本国憲法施行記念日
・みどりの日(5月4日)……自然の恩恵に感謝し豊かな心を育む
・こどもの日(5月5日)……子どもの人格を重んじ幸福を願うとともに母に感謝する
・海の日(7月第3月曜日)……海洋国国民として海に感謝し海洋国の繁栄を願う
・山の日(8月11日)……山の恩恵に感謝する
・敬老の日(9月第3月曜日)……老人を敬い長寿を祝う
・秋分の日(9月22日〜23日頃)……祖先を敬う
・スポーツの日(10月第2月曜日)……スポーツに親しみ健康な心身を培う
・文化の日(11月3日)……自由と平和を愛し文化をすすめる
・勤労感謝の日(11月23日)……勤労をたっとび生産を祝い国民互いに感謝し合う

以上

これらは皇室関連の伝統行事や何らかの記念日などが起源となっているのですが、6月には特別な皇室行事や記念行事がなかったため、祝日が無いまま今に至ります。
(2015年までは8月も祝日がありませんでしたが、11日に山の日が制定されました)

3. 6月にどんな祝日があれば素敵かを考えてみる

けれど、今後もずっと6月は1年のうちで唯一祝日が無い残念な月なのかといえば、そうとも限りません。

これまでは

・皇室関連の伝統行事や国に大きな出来事があった記念日などが特にない
・教育界からの反対が大きい(子どもたちの授業時間確保のため)
・経済界からの反対が大きい(多くの会社で定時株主総会が6月下旬であるため)

などの理由から、なかなか本格的に検討されることはありませんでしたが、ここ最近6月に祝日を作ろうという動きが高まってきています。

その大きな理由の一つが、過労死の問題です。

日本の祝日はアメリカやフランスの年間10日程度に比べれば非常に多いのですが、日本の長時間労働は世界的にも問題視されている上、職場でも有給がまだまだ取りづらいのが現実ですね。

そんな社会的背景もあって、過労死対策弁護団などから6月に祝日を制定するための要望が厚生労働省に提出されているのです。

祝日として候補に上がっている一つが、6月10日「時の記念日」です。

「時の記念日」は、天智天皇が日本初の水時計を作り、日本で初めて時計による時の知らせが行われたことを記念して制定されました。

長年お休みのなかった6月に、いつかこの時間の大切さを意識できる記念日が、祝日として制定されたら素敵ですね。

国民の祝日は、中学受験の時事問題でも頻出です。

今日お伝えした16日の国民の祝日はぜひ覚えておいてくださいね。

また、あなたなら6月にどんな祝日を作りたいか、日本の歴史を遡って考えてみるのも楽しいですね。