目次
4月から始まる各塾の公開模試
SAPIX
四谷大塚
日能研
首都圏模試センター
桜の優しい色合いが心を和ませてくれますね。
千鳥ケ淵で毎年行われる“さくらまつり”は、4月2日までの開催予定を7日までに延長したそうです。
今年の桜は暖冬でボケた、とも言われており、開花がまばらで例年より長くお花見が楽しめるようです。
新年度で余裕がなかった人は、この週末にぜひお散歩に出かけてみてくださいね。
4月から始まる各塾の公開模試
さて、中学受験の各大手塾では4月から模試が始まります。
中学受験界隈では「4大模試」と呼ばれる代表的な模試があるのですが、それがSAPIX(サピックス)、四谷大塚、日能研、首都圏模試センター主催によるものです。
今月前半では以下の日程で予定されています。
SAPIX/4月14日(日)第一回志望校判定SO(サピックスオープン)
四谷大塚/4月7日(日)第一回合不合判定テスト
日能研/4月7日(日)実力判定テスト
首都圏模試センター/4月14日(日)合判模試
(いずれも6年生対象)
模試は受験生にとって非常に大切です。
自分の学力の到達度や、志望校との距離感が現在どれくらいなのか(同じ志望校を目指す受験生の中でどの辺りに位置しているか)の指針になります。
また、データをよく分析することで苦手な科目やそのジャンル、学習の抜けが明確になり、課題の把握にも役立ちます。
それぞれの模試で特徴やレベルが異なりますので、今日はその活用法についてお話しします。
SAPIX
こちらの「サピックスオープン」が、SAPIXの名物模試です。
いわゆる御三家や最難関校受験を見据えた模試のため、非常にレベルが高いです。
志望校が御三家や最難関校である場合は必ず受けておきましょう。
母体(試験を受ける生徒)の成績が高めなので、偏差値が低く出ることも特徴です。
サピックスオープンには主に、前期に実施される「志望校判定」、後期に実施される「合格力判定」、そして志望校の傾向を反映させてタイプ別に作成された「学校別」があります。
志望校判定は志望校・併願校の選定、合格力判定は志望校の決定・併願校の調整にも大いに役立ちます。
学校別は同じ目的を持つ生徒が集まるため、高い精度で結果が出るので、自分の志望校向けの模試がある場合はできるだけ受けるようにしましょう。
例年実施されている学校別模試
男子:麻布・栄光学園・開成・慶應藤沢・慶應中等部・慶應普通部・駒場東邦・渋谷教育学園渋谷・渋谷幕張・聖光学院・筑駒・灘・武蔵・早稲田・早稲田実業・早大学院
女子:桜蔭・慶應湘南藤沢・慶應中等部・渋谷教育学園渋谷・渋谷幕張・豊島岡・フェリス・雙葉・早稲田実業
※2024年度の詳細は7月頃、SAPIX公式ホームページに掲載予定です。
四谷大塚
こちらの代表的な模試は全6回実施される「合不合判定テスト」。
設立70年近い大手塾による、約50年も前から実施されている模試です。
受験生で受けない人はいないと言われるほどの、首都圏随一の模試であり、受験生が7000人程度にとどまるサピックスオープンとは異なり、幅広い成績層の1万2000人程度が受験します。
御三家・最難関校を強く意識したサピックスオープンとは異なるため難度はやや下がりますが、一問一問が多少易しくなる分、問題数が多く、特に算数はその傾向があり、スピードが鍵になります。
国語も文章はやや易しいものの記述量が多めなので注意しましょう。
時間配分に気をつけながら解く試験の練習や、実践的な判断力や感覚を養う目的としても有効です。
模試の結果は、SAPIXの偏差値より5〜7程度偏差値が高く出る傾向があります。
「採点済み答案」はテスト翌日pmからホームページで順次公開、「結果資料集」はテスト実施後の水曜日夕方から、ホームページで閲覧可、「個人成績表」はテスト実施後8~10日後に自宅に届きます。
解説IT授業があるので、弱点補強がしやすいのも特徴です。
またサピックスオープンと同様、試験会場は日本全国にある本当の中学校の教室を選べるため、こちらの模試を受験することで入試本番に近い緊張感や環境を体験でき、本番に向けた「会場慣れ」も期待できます。
※国公私立中学向けの合不合判定が有名ですが、年に2回、公立中高一貫校対策実力判定テストもあります。
公立中高一貫志望の場合はぜひ受験しましょう。
本番同様「適性検査」となるため、明確な科目ごとの試験ではありません。
日能研
日能研の全国公開模試は、6年4月は実力判定テスト、5・6月は志望校選定テスト、7月は志望校判定テスト、9月〜入試直前は合格判定テストと名称が異なりますが、大きな違いはありません。
SAPIX、四谷大塚よりも易しい標準レベルの出題内容です。
いわゆる中堅校を志望している場合は最適と言えるでしょう。
結果はSAPIXの偏差値より6〜8程度高く出る傾向があります。
R4(ほかにR3・R2)という、独自のデータや入試結果から算出した、合格率80%(R2・3はそれぞれ50%・20%)を示す偏差値を用いており、入試の試験日・定員・入試科目の動きと「合格判定テスト」の結果から合格可能性(R4)を予想してまとめた一覧表があるのも特徴です。
「会員用Webサイト」では最短で試験日翌日に情報が掲載され、成績情報はもとより、学校情報、弱点の処方箋等、「志望校合格」がより具体的になるためのきめ細かな情報が得られます。
また、日能研の模試も現在は実際の中学校での受験が可能です。
首都圏模試センター
こちらの合判模試は標準よりかなり易しいレベルです。
小学校の授業をきちんと学習していれば満点とは行かずともある程度の成績が取りやすく、御三家・難関校志望の場合は結果が参考になりにくいと言えます。
中堅校〜偏差値がやや低めの学校を志望している場合は受けてみましょう。
塾が主催する模試ではないので受験者数は非常に多いです。各大手塾に比べて偏差値がかなり高めに出るため、そのままSAPIXや四谷大塚の偏差値と置き換えて考えないように注意しましょう。
具体的には、SAPIXよりも15くらい高めに出る傾向があります。
首都圏模試センターは合判模試のほかに、適性検査型模試も実施しています。
公立中高一貫校志望の場合は模試の機会が少ないため、四谷大塚の模試と併せてぜひ受験してみてください。
本番までに受けるべき模試の回数というものは特にありませんが、たくさん受ければ良いというものでは決してありません。
模試は基本的に土日祝日に実施されます。
基本的に受験するとなると1日がかりになってしまうので、その分勉強時間が削られることを忘れないようにしましょう。
受験後に分析や復習、浮き彫りになった課題の対策・演習を行う時間をきちんと確保できるよう、計画的に受けることが大切です。
5年生頃からは少なくとも受け始め、6年生では前期に少なくとも2〜3回、後期は月1回程度受けるのが平均的です。
ただし、模試どころではない状況の場合は、貴重な1日を模試より学習に割くべきケースもあります。
時期や一人一人の学習状況によりその判断は異なるので、迷ったらよく塾の先生や家庭教師に相談してみてください。
また、公立中高一貫校の場合は私立と問題傾向が大きく異なり、基本的に2科目や4科目といった試験ではありません。
文章力や思考力、科目を横断した総合力が求められるため、模試もそちらに特化して作られたものが必要です。
例年では以下のような模試が実施されているため参考にしてください。
四谷大塚:公立中高一貫対策実力判定テスト
日能研:公立中高一貫校適性検査テスト
首都圏模試センター:適性検査型模試
ena:都立中学校別合格判定テスト
早稲田アカデミー:適性検査対応力判定模試など
また、色々な模試を受けた方がよく実力が分かると思ってしまい、毎回あえて別な模試をチョイスする人もいますが、基本的には自分の志望校のタイプや偏差値のレベルに合わせ、どの模試を主軸にしていくのかを決めておくのがおすすめです。
学習到達度や現在の位置(合格可能性)の変化は、基本的に同じ模試を続けて受け、その中で結果がどう推移して行くかを追っていく方が正しく把握出来ますよ。
前述の通り、模試はたくさん受ければ良いものではなく、大切なのは受験後にそれをどう活かすかです。
結果に一喜一憂せず、冷静に自分の現状を受け止め、得意科目・ジャンル、苦手科目・ジャンルをよく分析してください。
そこから、志望校に向けて何が足りないか、どこを伸ばすべきかよく考え、本番までの時間を逆算して対策していきます。
復習をしっかり行い、1か月〜3か月後に再び同じものに取り組むのも良いでしょう。
この作業により復習の完成度が上がり、繰り返しやることで知識も記憶にしっかりと定着させることができます。
テストの分析〜志望校に向けた対策・本番までの計画を自分1人の力で行うのはなかなか難しいので、その際は塾の先生や、中学受験指導の経験豊富な家庭教師の手も借りるのがおすすめですよ。
毎日がんばっている皆さんの努力が最大限報われるよう、いつも応援しています。