中学受験

SAPIXはどんな塾?2023 ~⑪SAPIX6年 前期 国語の苦手分野克服教材 (1)~

目次

1. SAPIX6年生 国語の「苦手分野克服」に適した教材は?
2. 漢字の復習教材
●サピックスメソッド 漢字の要 STEP1
●サピックスメソッド 漢字の要STEP2
●サピックスメソッド 漢字の要 STEP3
●中学入試 でる順過去問 漢字 合格への2610問 四訂版
●漢字マスター一〇九五題6年 改訂新版

御三家や難関中学受験で突出した合格実績を誇るSAPIX(サピックス)。

前回の紹介記事⑩では、中学受験界で知らない人はいない大手進学塾SAPIXにおける、6年前期の重要課題「苦手分野克服」のポイントと、その際にSAPIX生が用いている算数の教材についてお伝えしました。

シリーズ11回目の今回は、国語の「苦手分野克服」のためにSAPIX生が実際に用いている教材についてお話ししていきます。

1. SAPIX6年生 国語の「苦手分野克服」に適した教材は?

得点力を底上げするためには、「苦手分野克服」が欠かせません。

そして、そのためには自分の弱点を正確に、漏れなく把握することが第一です。

自分が授業内や、問題を解いている際に感じている主観も大切ですが、ここでは「なんとなく」ではなく、直近一年程度のマンスリーや組分け、模試などの結果を用いて、徹底的に学習の抜けや苦手な部分を炙り出しましょう。

あまりにもフォローしなくてはならない部分が多い場合には、限られた時間の中で課題の取捨選択も必要になってきます。

生徒さん自身ではその的確な判断やスケジューリングはとても難しいので、できる限り炙り出しの段階からプロの力を借りつつ、どの分野を、どの時期に、どのような手順で復習していくのか、事前に良く計画を練るようにしてください。

また、国語も算数と同様、「苦手分野克服」の学習において必ずしも使用教材をSAPIXのオリジナルテキストのみに限定する必要はありません。

講師にも相談し、場合によっては自分の状況やレベルに合った市販の問題集も取り入れながら進めていきましょう。

それでは、算数に次いでご相談の多い国語の復習教材について、SAPIXの6年生が実際に用いているものを早速見ていきましょう。

2. 漢字の復習教材

中学受験国語の知識分野において要となるのは、もちろん漢字と語句です。
まずは、漢字教材からご紹介します。

●サピックスメソッド 漢字の要 STEP1

マスターブック
企画・制作:サピックス小学部
定価 :1,320円(税込)
サイズ:B5判
レベル:基礎〜標準

こちらはSAPIXのオリジナル教材です。
有名中学で出題された過去8年分の問題を徹底分析して、入試の「要(かなめ)」となる頻出漢字を厳選。
SAPIX小学部の受験指導を活かした独自の構成・配列により、毎日くり返し学習すれば有名中学に合格するための「漢字力」が身につきます。

細部ミスに注意すべき漢字、一文字で問われる漢字、字は易しいが意味の難しい漢字、難しい読みの熟語等狙われやすいテーマごとの学習のほかにも、同音異義語・同訓異字、各熟語、類義語・対義語、さらには筆順や画数、部首、かなづかい、送り仮名、漢字の成り立ちなどまで、あらゆるジャンル、テーマから学習出来る様に工夫された、非常に有効なテキストです。

高レベルの漢字が出題される学校を志望している人は、こちらとこちらのステップ2・3を完璧にしておけると大きな自信になります。

●サピックスメソッド 漢字の要 STEP2

単元別基礎演習
企画・制作:サピックス小学部
定価 :990円(税込)
サイズ:B5判 107頁
レベル:標準〜やや難

前述のテキストの続編。
過去8年間で出題された頻出の入試漢字を精選、SAPIX小学部独自の単元別編集で効率よく漢字の学力をアップできるテスト形式の問題集。
有名中学の入試問題にも挑戦することで、すばやく実力を確認して弱点を補強できる。
『漢字の要 STEP1 マスターブック』に完全対応。

ステップ1で入試に頻出のテーマは大方網羅しているのでテーマ的にはほぼ変わりません。
より実践的な部分が多いので、ぜひ繰り返し演習し、本番に役立つよう完璧にしておきましょう。

●サピックスメソッド 漢字の要 STEP3

入試実戦演習
企画・制作:サピックス小学部
定価 :990円(税込)
B5判 103頁
レベル:標準〜応用

前述のテキストの続編。
過去8年間で出題された頻出の入試漢字を厳選、中学入試に直結するサピックス独自の実戦テストを40回収録した問題集。
多種多様な問題形式に完全対応、最高レベルの漢字力を仕上げることが出来ます。
『漢字の要 STEP1 マスターブック』『漢字の要 STEP2 単元別基礎演習』と組み合わせて、いっそう効率的に漢字力を完成させましょう。
たとえ受験校の漢字が高レベルだから、自分は漢字が得意だから、などの理由があれども、いきなりこのテキストで復習することはお勧めしません。
こちらは実践演習としては非常に有効ですが、テーマごとの学習がなく、抜けが生じてしまうためです。
あくまでも1.2を完璧にした上で、仕上げとしてこちらの総まとめテキストを利用すると効果的です。

●中学入試 でる順過去問 漢字 合格への2610問 四訂版

旺文社
頁数:124p
価格:1,078円(税込)
レベル:基礎〜やや難

こちらは市販の問題集です。
近年の中学入試を徹底的に分析し、頻出度の高い問題を「でる順」に掲載してあります。
1つの単元は基本的には「まとめのページ」→「スピードチェック」→「入試問題にチャレンジ! 」の3ステップで構成されているので、無理なく着実に合格への力をつけることができます。
巻頭には国語の入試傾向とその対策がわかる分析記事が、巻末には入試直前に総確認ができる「直前チェック編」がついています。

●漢字マスター一〇九五題6年 改訂新版

みくに出版
日能研教務部
頁数:184p
価格:880円(税込)
レベル:基礎〜標準

こちらは日能研の漢字ドリルですが、書店やネットショップでも入手可能です。
中学入試を見すえた確かな漢字力がつく問題集、中学受験用教材のロングセラー『漢字マスター』シリーズの6年生版が、新学習指導要領に合わせて改訂されました。

1日3題取り組むと、1年で1095題(本書の全問題)を解くことができます。
難易度は低めなので難しい漢字が出題される学校の対策には向きませんが、1ページあたりの問題も少なく、また繰り返し同じ漢字が出てくるので漢字に苦手意識が強い人、一度ではなかなか身につかない人の基礎力定着には非常に効果的でおすすめです。

また本書は漢字や熟語が短文の中に織り込まれている問題形式がほとんどなので、「意味」「使い方」まで理解した学習ができることも特徴です。
入試によく出る「同音異義語・同訓異字」「反対語」「四字熟語」などもある程度対応しています。

以上、今回はSAPIX6年前期の重要課題である「苦手分野克服」の際にSAPIX生が実際に用いている教材(国語/漢字分野)についてお伝えしました。

次回以降は、「苦手分野克服」でSAPIX生が実際に用いている教材(国語/語句・読解分野)や、後期のスケジューリングで重視するポイントや具体例など、みなさんが気になる点をさらに詳しくお話していきます。

SAPIXに転塾・入塾を考えている皆さんや、すでに在籍しているものの違和感を覚えている受験生の皆さんに向けたこの記事が少しでも力になれることを祈っています。

SAPIXはどんな塾?2023 ~⑩SAPIX6年 前期スケジューリング (2)~

目次

1. SAPIX6年生 「苦手分野克服」のポイントは?
2. SAPIX6年生 「苦手分野克服」に適した算数の教材は?

御三家や難関中学受験で突出した合格実績を誇るSAPIX(サピックス)。

前回の紹介記事⑨では、中学受験界で知らない人はいない大手進学塾SAPIXの最重要カリキュラム『SS特訓』開始を踏まえた、6年前期の過ごし方・「苦手分野克服」の重要性についてお伝えしました。

シリーズ10回目の今回は、「苦手分野克服」のポイントや、SAPIX6年生がそのために実際に用いている教材(算数)についてお話していきます。

1. SAPIX6年生 「苦手分野克服」のポイントは?

前回お伝えした通り、6年前期の重要課題である「苦手分野克服」には、まず自分の主観はもちろん、マンスリーや組分け、その他模試などの結果を用いた正確な弱点把握が非常に大切です。

あまりにも学習の抜けが多い場合や、苦手分野が殆どといった場合には、課題の取捨選択も必要になってきます。

自分一人では難しいので、できる限りここではプロの力も借りながら、自分の苦手な単元や特定の計算、学習の抜けなどのあぶり出しを確実に行い、どの分野を、どの時期に、どのような手順で復習していくのか計画を練りましょう。

2. SAPIX6年生 「苦手分野克服」に適した算数の教材は?

「苦手分野克服」学習において、必ずしも使用教材をSAPIXのオリジナルテキストに限定する必要はありません。

講師にも相談し、場合によっては自分の状況やレベルに合った市販の問題集も取り入れながら進めていきましょう。

今回は、特にご相談の多い算数の復習教材について、SAPIXの6年生が実際に用いているものをいくつかご紹介します。

○サピックス分野別シリーズ 算数 標準20回テスト

1平面図形
2割合と比・和と差の文章題
3場合の数
4立体図形
5数の性質
6速さとグラフ
7規則性

1枚ずつ切り離して取り組める、ドリル風のSAPIXのオリジナル教材です。

校舎で分野ごとに必要なものだけ購入し、重要分野を集中的に学習したり、苦手を克服したりと効率良く学習出来ます。

タイトル サピックス分野別シリーズ 算数 標準20回テスト
企画・制作 サピックス小学部
判型(セット内容) B4判・別冊解答付き
価格 定価 各 1,100円(本体1,000円+税)
販売方法 校舎販売

○算数分野別問題集 ベイシック 基本60題

1割合
2比
3速さ
4平面図形(1)
5平面図形(2)

入試で重要な単元を確実にマスターするために編集された分野別問題集です。

4までは4・5年生の教材、5は5・6年生の教材として販売されています。
「例題」や「アプローチ」で考え方を定着させ、「ステップ」で理解度を確認、「チャレンジ」で応用問題に取り組み、基礎力の定着を図ります。
タイトル 算数分野別問題集 ベイシック 基本60題
企画・制作 サピックス小学部
判型(セット内容) B5判・別冊解答・解説付き
価格 定価 各 880円(本体800円+税)
販売方法 校舎販売

○土特教材

土特のテキストを復習に用いている生徒さんも多いです。
問題量が少なく、難易度も高すぎず低すぎない入試標準レベルの実践問題ばかりなので、さらっとやり直しておきたい程度の復習や、各分野の理解度が入試標準レベルに達しているか簡単に確かめたいときにも役立ちます。

○SAPIXメソッド 算数絶対基礎力の完成 パワーアップトレーニング 5年生

基礎の基礎からやり直す必要がある場合、こちらを使用しても良いでしょう。

50パターンの問題が、1パターンにつき10問ずつ、計500問収録されています。

サピックスで毎月配布される教材「基礎力トレーニング」で身につけた基礎力をパワーアップさせる目的で販売されていますが、基礎知識の復習にも有効です。

タイトル SAPIXメソッド 算数絶対基礎力の完成 パワーアップトレーニング 5年生
企画・制作 サピックス小学部
判型(セット内容) B5判・別冊解答・解説付き
価格 定価 1,320円(本体1,200円+税)
販売方法 校舎販売

○5・6年の通常テキスト・プリント類

ドリルや問題集ではなく、ふだんのテキストをフル活用する生徒さんも多いです。

たとえば「立体図形」の分野が苦手ならば、まず「立体図形」という名前の入った5・6年のテキストナンバー・プリント類をすべて洗い出し、まとめます

そして、それを基礎から一気にやっていきましょう。
(ドリルや問題集などで復習を行い、こちらを最終チェックに用いるのも有効です)

テキストやプリントのナンバーが若いものから取り組んでいくことで、自分はどのレベルまでは到達していて、どこから歯が立たないのかすぐに分かりますよ。

サピックスの通常テキストやプリントで取り上げられている問題は入試で扱われやすい厳選されたものばかりなので、この方法は分野ごとの力を確実に定着させる方法として非常に有効であり、おすすめです。

多少洗い出し作業に手間がかかるのがデメリットですが、徹底した復習がしたい場合は、準備の作業を親御さんなどにも手伝ってもらい、ぜひトライしてみてくださいね。

以上、今回はSAPIX6年前期の重要課題である「苦手分野克服」のポイントや、その際にSAPIX生が実際に用いている教材(算数)についてお伝えしました。

次回以降は、「苦手分野克服」でSAPIX生が実際に用いている教材(国語)や、後期のスケジューリングで重視するポイントや具体例など、みなさんが気になる点をさらに詳しくお話していきます。

SAPIXに転塾・入塾を考えている皆さんや、すでに在籍しているものの違和感を覚えている受験生の皆さんに向けたこの記事が少しでも力になれることを祈っています。

SAPIXはどんな塾?2023 ~⑨SAPIX6年 前期スケジューリング (1)~

目次

1. SAPIX6年 前期の過ごし方が、後期の伸びを決める
2. SAPIX6年 前期は「苦手分野克服」を徹底
3. SAPIX6年 「苦手分野克服」学習の進め方

御三家や難関中学受験で突出した合格実績を誇るSAPIX(サピックス)。

前回の紹介記事⑧では、中学受験界で知らない人はいない大手進学塾SAPIXに通う6年生の週間スケジュールに関して、後期から始まる『SS特訓』に焦点を当ててお伝えしました。

シリーズ9回目の今回は、前回ご紹介したSAPIXの最重要カリキュラム『SS特訓』の後期開始を踏まえ、SAPIX6年ではどのようにスケジューリングをすると良いのか、前期のうちに重視しておきたいポイントを詳しくお話ししていきます。

1. SAPIX6年 前期の過ごし方が、後期の伸びを決める

SAPIXの6年前期は、受験本番を迎える最終学年の一年間の中でも、まだギリギリ「余裕がある」と言うことができる時期です。

そしてこの前期の過ごし方こそが、夏期講習や過去問対策スタート以降の成績の伸び方・後期の追い込みスケジュールに大きな影響を及ぼしてくることをぜひ覚えておいてください。

重要なのは6年生の夏期講習前から最悪でも講習終了頃までに、日々のルーティンや毎週プラスαして行っている学習とは別に、しっかり時間をとって、各教科・分野の「苦手分野克服」を済ませておくことです。

2. SAPIX6年 前期は「苦手分野克服」を徹底

苦手分野克服の必要性をきちんと認識せず、6年前期を日々に追われてなんとなく過ごしてしまうと、夏期講習以降、実践演習や過去問対策が本格的に始まる、いわゆる「得点力アップ」の力をつけるべき時期に、同時進行で苦手分野克服のための学習に取り組まなくてはならなくなってしまいます。

これは追い込みの大切な時期において非常に足手まといな作業であり、非効率的です。

本番に向けて自分の得意科目・得意分野の実力をさらに伸ばし、本番で確実に得点に結びつけられるようにする「得点力アップ」のための学習と、「苦手分野克服」のための学習は全く別物です。
本来は、後者をきちんと終えた上で最終的な得点力アップの作業に入るべきであり、それでこそ効果も出せるのです。

つまり、前半のいい加減な過ごし方による苦手分野克服のやり残しは、夏休み以降いよいよ本番に向けた「志望校対策」演習に全身全霊で取り組もうという時期に、それにかける時間と体力を大幅に奪い、最終的な合否に大きな悪影響を与えることに繋がりかねないということです。

ですから6年前期のスケジューリングは特に慎重に、自分の苦手分野克服のために必要なことは何かをしっかり見極めて行いましょう。

ここでは是非、個別指導や家庭教師など中学受験指導のベテランの力も活用してください。

理科・社会ももちろんですが、特に配点の高い算数・国語に苦手分野が残っている場合は特に徹底してやっておきましょう。

積み残してしまった苦手分野克服に集中して取り組めるのは6年前期が最後の、そして最良のタイミングなのです。

3. SAPIX6年 「苦手分野克服」学習の進め方

まずはこのように取り組み始めましょう。

1.ここ数ヶ月〜1年の模試や小テストの結果を参考に、自分がどの科目の、どの分野が弱いのかを洗い出す。
2.どの教材を使い、どのような順序で行うのが効果的なのかを見極める。

ただし、教材は必ずしもSAPIXのテストやオリジナル教材が最適とは限りません。
各々の状況により、市販のテキストやドリルの方が効果的な場合も大いにあります。

また、テストからの洗い出しも、意外と自分だけでは大切な部分を見落としがちです。
(例えば算数において、問題点は「特定の分野」ではなく「特定の種類の計算」であり、そこでいつも失点しているケースなど)

6年前期のスケジューリングにおいて中学受験のベテラン講師等に助言をもらう際には、この段階から参加してもらうことがおすすめです。
問題点の正確な洗い出しや使用教材、取り組む順序の決定は、苦手分野克服の要です。

なんとなくではなく、ぜひ丁寧に行ってくださいね。

以上、今回はSAPIXの最重要カリキュラム『SS特訓』の後期開始を踏まえ、SAPIX6年で前期のうちに重視しておきたい「苦手分野克服」学習についてお伝えしました。

次回以降は「苦手分野克服」や復習の際にSAPIX生が用いている教材のご紹介、後期のスケジューリングで重視するポイントや具体例など、みなさんが気になる点をさらに詳しくお話していきます。

SAPIXに転塾・入塾を考えている皆さんや、すでに在籍しているものの違和感を覚えている受験生の皆さんに向けたこの記事が少しでも力になれることを祈っています。

SAPIXはどんな塾?2023 ~⑦SAPIX生 6年後期の一週間(1)~

目次

1. SAPIX 6年生後期 週間スケジューリングを再考しよう
2. SAPIX 6年生後期 通塾スケジュールはどう変わる?
3. SS特訓 単科講座は6コース

御三家や難関中学受験で突出した合格実績を誇るSAPIX(サピックス)。

前回の紹介記事⑥では、中学受験界で知らない人はいない大手進学塾SAPIXに通う6年生【前期】の具体的な週間スケジュール例や学習のルーティンにしていること、+αの学習などについてお伝えしました。

シリーズ7回目の今回以降は続編として、主に6年生後期のスケジューリングに焦点を当ててお話していきます。

1. SAPIX 6年生後期 週間スケジューリングを再考しよう

前回お伝えした通り、最終学年の6年生では前期と後期で週間スケジュールを見直す必要があります。

現在の学習状況や後期の通塾スケジュールをきちんと把握し、改めて最適な学習スケジュールを組み直すことが最後の成績の伸びや最終結果を大きく左右します。

なんとなく後期に突入するのではなく、計画性を持って丁寧にやっていきましょう。

2. SAPIX 6年生後期 通塾スケジュールはどう変わる?

まずは、SAPIX 6年生後期の通塾スケジュール内容を詳しく見ていきます。

〈前期まで〉

◯授業日数 2日/週(主に火曜・木曜)
      +土曜志望校別特訓
◯科目   算数・国語・理科・社会

◯時間   80分×3コマ(1日につき3科目)
      ※土特は75分×4コマ(4科目)

*ある首都圏校舎の例*
▫︎火曜:17:00-21:00(平常授業)
    算数80分×2コマ
    理科80分×1コマ

▫︎木曜:17:00-21:00(平常授業)
    国語80分×2コマ
    社会80分×1コマ

▫︎土曜:14:00-19:00(土曜志望校別特訓)
    算数・国語・理科・社会×各75分(各1コマ)

以上が前期の基本スケジュールです。

〈後期から〉

後期は上記に加え、下記の授業がスタートします。

▫︎日曜:9:00~18:45(難関校SS特訓/サンデー・サピックス)
志望校別講座 80分授業×4コマ
単科講座  100分授業×2コマ
(13:00-13:45はお昼休憩)

具体的な時間割はこのようなものです。
〈SS特訓 時間割〉(一例)
志望校別講座(社会) 9:00-10:20
志望校別講座(算数) 10:20-11:40
志望校別講座(国語) 11:40-13:00
昼休憩       13:00-13:45
志望校別講座(理科) 13:45-15:05
単科講座(算数・思考力) 15:15-16:55
単科講座(国語・記述表現力) 17:05-18:45

SAPIXの授業は平常・講習共に基本的に30分以上の大きな休憩を取らないことが特徴の一つですが、後期から始まるこのSS特訓(サンデー・サピックス)では13:00-13:45に昼休憩が設けてあり、生徒は弁当持参になります。

講座は志望校別講座と単科講座の大きく2つに分かれており、生徒は午前と午後にそれぞれ自分の選択した講座に参加します。

講座が無い日は基本的に模試があるため、後期からの日曜日は基本的にまとまった家庭学習の時間が取れなくなると考えておきましょう。

3. SS特訓 単科講座は6コース

単科講座には以下の6コースがあります。

〈SS特訓 コース一覧〉

・算数 思考力講座
・ 〃  解法力講座
・国語 記述表現力講座
・ 〃  読解力講座
・理科 知識論理力講座
・社会 知識論理力講座

「単科講座」とは、9月〜1月までの5ヶ月間で苦手分野を集中的に学習し、弱点克服することを目的とした教科別特訓講座です。
上記の6講座から一人一人が自分の志望校や現在の学習状況に応じて、希望する講座を2つ選択受講できます。

6年後期における全ての課題のうち最重要課題はもちろん各々の志望校対策・過去問演習ですが、これらはSAPIXの授業内では扱いません。
よってSAPIXでは6年後期のSAPIXカリキュラムの中で、このSS特訓を最重視しています。(SS特訓内の重視度はもちろん志望校別講座>単科講座です)

このSS特訓こそがSAPIXのずば抜けた合格率の決め手であるといっても過言ではなく、SAPIの講師陣も6年後期で提供する授業の中ではこの講座の受講・復習を最優先としているわけですが、生徒さん自身やご家庭の中だけで受講に最適な単科講座を見極めることはなかなか難しいようで、毎年多くのご相談を受けています。

そこで次回はまず、単科講座それぞれの内容や選択のポイントについて詳しくお話していきます。
ぜひ参考にしてみてくださいね。

以上、今回はSAPIX生の6年後期スケジュールについてお話しました。

次回以降はSAPIX 6年後期から始まるSS特訓の講座内容や選択方法のヒント、後期のスケジューリングで重視するポイントや具体例、復習におすすめの教材など、みなさんが気になる点をさらにくわしくお話していきます。

SAPIXに転塾・入塾を考えている皆さんや、サピックスに在籍しているものの違和感を覚えている受験生の皆さんに向けたこの記事が、少しでも力になれることを祈っています。

SAPIXはどんな塾?2023 ~⑥SAPIX生はどんな一週間を過ごしているか(2)~

目次

1. SAPIX 6年生の通塾スケジュール
2. SAPIX 6年生が、日々のルーティンにしていること
3. SAPIX 6年生が、日々のルーティン外で主に組み込んでいること
4. SAPIX6年生の、具体的な一週間のスケジューリング例
5. まとめ

御三家や難関中学受験で突出した合格実績を誇るSAPIX(サピックス)。
前回の紹介記事⑤では、中学受験界で知らない人はいない大手進学塾SAPIXの一週間についてお伝えしました。

シリーズ6回目の今回は、各学年のスケジュールと授業の狙い・特徴をお伝えした「SAPIX生はどんな一週間を過ごしているか」の続編として、最終学年である6年生が具体的にどのような学習スケジュールを組んでいるかお伝えしていきます。

SAPIXに通う6年生が日々の通学や通塾の合間にどのように膨大な宿題・課題を組み込んでいるか、ぜひスケジューリングの参考にしてみてくださいね。

1. SAPIX 6年生の通塾スケジュール

前回の内容と一部重複しますが、まずは週間スケジュールを確認しましょう。

授業日数 2日/週(主に火曜・木曜)
科目   算数・国語・理科・社会
時間   80分×3コマ

(ある校舎の例)
火曜:算数80分×2コマ
   理科80分×1コマ
木曜:国語80分×2コマ
   社会80分×1コマ

6年生の授業は、実際には5年生の2月から始まります。
1日あたりの授業がこれまでより1時間多くなるため体力的な負担が増えることはもちろん、塾から自宅まで距離がある場合は帰宅自体が遅くなるため、当日の復習が難しくなることもあるでしょう。

また、平常授業に加えて土曜には『土特(土曜志望校別特訓)』が始まります。
時間は14:00〜19:00
75分×4コマ(4科目)です。

さらに、9月からは日曜の『SS特訓(サンデーSAPIX)』もスタートします。

2. SAPIX 6年生が、日々のルーティンにしていること

どんなに忙しくてもアスリートに日々の筋トレが欠かせないように、中学受験生にとって欠かせないのが主要科目の基礎訓練です。

多くのSAPIX生は、主に以下のことを日々のルーティンにしています。
・「基礎力トレーニング」(算数)
・「漢字の要」「言葉ナビ」(国語)
・毎授業の復習(全科目。小テストを含む)

〈毎授業の復習について〉

当日行う派と翌日に行う派に分かれます。
どちらでも構いませんので、本人の体力や塾からの帰宅時間に合わせて無理のないスケジューリングをしましょう。

その日の調子で行う日を判断するよりも、どちらにやるかきちんと決めて置く方が、リズムを作りやすくおすすめです。

ちなみに、5年生までは週末にまとめて復習をしていた人も多いと思いますが、6年からは厳禁です。
さまざまな特訓や、志望校判定SO(サピックスオープン)、合格力判定SO、学校別SO.などの模擬試験が土日にもバンバン入ってくるので、平常授業の復習は必ず平日のうちに、かつ授業毎に行う習慣をつけましょう。

⚠️注意点⚠

6年生になるとこれまで以上に宿題や課題が増え、その全てを行うことは難しくなります。
そして、全てに手をつけることよりも自分にとって必要な問題を取捨選択し、それを完璧に自分のものにすることの方が遥かに効率的であり効果的であることを覚えておいてください。

自分にとって必要な問題の取捨選択が判断できない場合は、塾の先生や中学受験指導の経験豊富な家庭教師など、第三者の力を借りることがおすすめです。
最終学年の限られた時間を有効に使いましょう。

3. SAPIX 6年生が、日々のルーティン外で主に組み込んでいること

コアプラス(理科、社会)
過去問演習、復習
苦手分野の克服(特に算数・国語。6年生前期が重要)
模試の復習
得点源の強化
など

⚠️注意点⚠

基本的にSAPIXの授業は延長をしないことになっています。
しかし、質問教室や学習・進路相談などで帰宅がかなり遅くなることも増えてくるでしょう。
そのようなとき、躍起になって夜中まで当日の復習や日々の課題をやろうとしないこと。

この時期は体調を崩しやすいので、睡眠時間はできるだけ8時間は確保するようにしましょう。
また、朝はいつも6時〜6時半には起きるようにして、少しずつ本番の試験開始時刻には目が冴えている状態になるよう、身体のサイクルを整えていきましょう。

睡眠不足は体調だけでなく、精神面や翌日のパフォーマンスにも影響します。
朝のルーティンは余裕を持ったスケジュールにしておき、夜にできなかった分を翌朝カバーできるようにしておくことがおすすめです。

4. SAPIX6年生の、具体的な一週間のスケジューリング例

それでは、実際のスケジュール例を見てみましょう。

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★例1★(※前期の場合。火・木平常授業、ルーティン学習以外を記載)

○月曜日(塾なし)
算数:デイリー復習(間違えたものや、その類題)
理科:デイリー復習(間違えたものや、その類題)

○火曜日(平常授業/算数・理科)
算数:基礎力テスト・デイリー復習(間違えたものや、その類題)
理科:デイリー復習・コアプラス(間違えたものや、その類題)

○水曜日(塾なし)
調整日①
国語:漢字の要・言葉ナビ(翌日の小テスト対策)
その他

○木曜日(平常授業/国語・社会)
国語:デイリー復習(間違えたもの、知識分野の類題)
社会:デイリー復習(間違えたものや、その類題)

○金曜日(塾なし)
全科目:土特の宿題

○土曜日(土曜特訓/国語・算数・理科・社会)
算数:朝/土特の宿題が残っていればやる、夕/当日の復習
国語:朝/土特の宿題が残っていればやる、夕/当日の復習
理科:当日の復習
社会:当日の復習

○日曜日(塾なし)
調整日②
算数:苦手分野克服
その他(模試の復習、コアプラスなど)

★例2★(※前期の場合。火・木平常授業、ルーティン学習以外を記載)

○月曜日(塾なし)
算数:デイリー復習(間違えたものや、その類題)
理科:デイリー復習(間違えたものや、その類題)
社会:土特の復習

○火曜日(平常授業/国語・社会)
算数:土特の復習

○水曜日(塾なし)
国語:デイリー復習(間違えたもの、知識分野の類題)、土特の復習
社会:デイリー復習(間違えたものや、その類題)
その他(コアプラスなど)

○木曜日(平常授業/算数・理科)
算数以外:土特の宿題

○金曜日(塾なし)
算数:デイリー復習(間違えたものや、その類題)
理科:デイリー復習(間違えたものや、その類題)
国語:苦手分野克服(読解)

○土曜日(土曜特訓/国語・算数・理科・社会)
算数:基礎力テスト復習、苦手分野克服
国語:当日の復習
理科:当日の復習

○日曜日(塾なし)
調整日
※塾のある日は30分程度、塾のない日は平日約4時間の学習を想定。

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5. まとめ

以上、2つの週間スケジュール例をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
この他に、どちらの生徒さんの場合も日々のルーティン学習として、朝晩の時間に漢字や計算などの基礎訓練を取り入れています。
朝食前、入浴後など、自分にあったスキマ時間を見つけてスケジュールを組んでみてくださいね。

また、今回は6年生【前期】の週間学習スケジュール例をご紹介しましたが、6年生【後期】は改めて、学習や通塾状況に合わせてスケジューリングをし直す必要があります。
前期・後期それぞれで最適な学習スケジュールを組むことが、最終学年での成績の伸びや最終結果を大きく左右するので、ここはしっかりやっていきましょう。

以上、今回はSAPIXに通う6年生の、一週間の具体的な学習スケジュール【前期】をお話ししました。

次回以降は、6年生の前期と後期のスケジューリングで重視するポイントの違いとその理由、後期スケジュールの具体例、復習におすすめの教材などについてお話していきます。

SAPIXに転塾・入塾を考えている皆さんや、サピックスに在籍しているものの違和感を覚えている受験生の皆さんに向けたこの記事が、少しでも力になれることを祈っています。

SAPIXはどんな塾?2023 ~⑤SAPIX生はどんな一週間を過ごしているか⑴~

目次

1. 1年生
2. 2年生
3. 3年生
4. 4年生
5. 5年生
6. 6年生

御三家や難関中学受験で突出した合格実績を誇るSAPIX(サピックス)。

これまでの紹介記事「SAPIXはどんな塾?2023 ~③SAPIXとの相性を見極める 前編~」「SAPIXはどんな塾?2023 ~④SAPIXとの相性を見極める 後編~」では、中学受験界で知らない人はいない大手進学塾SAPIXと「我が子や我が家の相性はどうなのか」を中心にお伝えしました。

シリーズ5回目の今回からは、「SAPIX生はどんな一週間を過ごしているか」についてお話していきます。

まずは、SAPIX生の授業日数・科目数・時間を、各学年のねらいや授業の特徴と併せて見ていきましょう。

1. 1年生

テーマ:まずは学ぶことに興味を持たせてあげる。

授業日数 1回/週
科目   算数・国語
時間   45分×2コマ/日

低学年の授業で大切なことは、まず学習に興味を持ち、楽しく授業を受けること。

文字を読むこと、書くこと、数字の面白さなどにたくさん触れることが出来ます。

「わかることがおもしろい」と思わせる指導で、子どもたちの学びたいという気持ちを引き出し、子どもの目が自然と学習に向いていくことがねらいとされています。

この時期は毎日少しずつ勉強する習慣をつけていきましょう。

また、感性や知性を豊かにすることも大切な時です。

週1日の通塾なので習い事などと両立もしやすく、日曜日は家族とゆっくり過ごすこともできます。

2. 2年生

テーマ:学ぶ楽しさを知り、将来の学力の土台を作る。

授業日数 1日/週
科目   算数・国語
時間   50分×2コマ/日

1年生に引き続き、学ぶ楽しさに触れられることを大切にした授業です。

「自分の力で問題が解けたときのうれしさ」「考えることの楽しさ」「文章を読むことの楽しさ」を知ることを大切にしながら、授業時間が1コマあたり5分長くなります。

サピックスではこのように無理なく少しずつ時間や日数を増やし、子どもがテストの際に最後まで集中してやり抜ける力を育んでいけるよう工夫しています。

まだ日数は変わらず週に1度、コマ数も2コマのままなので、大きな負担はありません。

また、2年生は学習する習慣を着実に身につける時期でもあり、黒板授業は、正しく思考する過程を発見してもらい、その喜びを通して豊かな感性や知性を育てていくことをねらいとしています。

低学年での正しい学習は高学年になってからの理解力に大きく影響します。

図形や立体感覚を磨いたり、良い文章にふれて語感や言葉のリズムを自然と身につけたりして、将来につながる学力の土台作りを進めていく学年です。

3. 3年生

テーマ:思考力・表現力育成のスタート。学ぶ喜びを実感する。

授業日数 1日/週
科目   算数・国語・理科・社会
時間   60分×2コマ/日

3年生は、思考力・表現力育成のスタート時期。

ここまでは教わることが主でしたが、3年生頃からサピックスでは、授業を通して学習する喜び、発見する驚きなどを体験しながら「自分で考え、工夫する」学習態度を養い、じっくり観察、判断、表現できるよう導いていきます。

このことは受験に役立つのはもちろん、子どもの生き方をも豊かにしてくれます。

学習内容についても、論理的な思考力が要求される問題が増えてきますので、「習っていない」などといってすぐに投げ出すのではなく、「今までに学習してきたことを使って何とか解けないだろうか」と考えてみる積極的な姿勢が大切になります。

自分で調べるなどして解き方の糸口を見つけていくようにしましょう。

また、小学3年生からは算数、国語に加えて殆どの中学受験本番で必要になる理科と社会が扱われるようになり、「実力診断サピックスオープン」という模擬試験が始まります。

通塾日数は変わりませんが、週ごとに科目の組み合わせが異なり、意識して学習スケジュールなどの管理が必要になってきます。

4. 4年生

テーマ:本格化する授業を通して、発想と思考力を高める。

授業日数 2日/週
科目   算数・国語・理科・社会
時間   60分×3コマ

4年生は、「思考する力」「記述する力」を身につけていく重要な時期です。

ここからが特に本格的な授業になるため、このタイミングで入塾する人も多いです。

1日の授業は2コマから3コマになり、週1日のペースは週2回に変化します。

引き続き思考力や記述力を重視した、子どもたち一人ひとりの発想を引き出しながら、思考力を高めていく授業が展開されます。

さらに、この時期にしっかりと学習を日常生活のサイクルの中に組みこむことができるようになることも大切です。

5. 5年生

テーマ:基礎力の充実とともに、志望校を見極める。

授業日数 3日/週
科目   算数・国語・理科・社会
時間   90分×2コマ/日

サピックスの5年生は、受験学年では欠かすことのできない確固とした基礎力を、いっそう充実させるカリキュラムが組まれています。

また、授業は3コマから2コマになり、1コマが90分に変化します。

ペースも週2日から週3日になり、模試も確認テスト、復習テスト、組分けテスト、実力診断などと一気に増え、学習時間・拘束時間・体力と物理的負担が倍増します。

サピックスではここで脱落してしまったり、心身ともに疲弊して退塾してしまう生徒さんも多く、保護者の方の声掛けなどのケアにも注意が必要な時期です。

そして、5年生頃になると、子どもたち自身も志望校に関心を示し始めます。

サピックスの講師と面談なども行いながら、それぞれの個性を大切に、少しずつ志望校を見極めていきます。

子どもが志望校合格のための学習計画をスムーズに実践していけるように、きめ細かく指導しているのも特色です。

この時期には入試に必要な思考力や直観力を同時に養っていきます。

6. 6年生

テーマ:入試に打ち勝つ本物の学力・精神力を養う。

授業日数 2日/週(通常授業)+1日/週(土曜志望校別特訓)
科目   算数(A/B)・国語(A/B)・理科・社会 ※土特は算国理社
時間   80分×3コマ(通常授業)/日 ※土特は75分×4コマ/日

6年生では、合格をめざして、子どもたちの学力・個性・志望校に合わせた「学力別」「志望校別」のクラス編成で授業が進められます。

各クラスとも、その学習レベルに合わせて基礎、応用、発展のさまざまな問題を何度も繰り返し演習し、確実な力をつけていきます。

また、「デイリーサピックス」などを用いた平常授業とは別に週1日「土曜志望校別特訓」を実施。

さらに9月以降に「難関校SS(サンデー・サピックス)特訓」が加わることで、年間を通して、実力のピークを入試当日に合わせた特訓カリキュラムが組まれています。

その一方で、各種模試によって志望校への合格可能性を探ると同時に、学力面でも精神面でも入試という試練に打ち勝つ本当の実戦力を養います。

※GWには志望校の入試傾向やレベルを確認するGS特訓があります。
希望者のみが参加で、9時から17時まで勉強漬けで実践演習を行います。
※夏季集中志望校錬成特訓は5日間、志望校レベルに応じた授業が行われます。
※その後は難関校SS特訓にて苦手を克服して得意を伸ばすカリキュラムが実施されます。
※正月特訓は1日8時間。12月30日、31日、1月2日、3日です。
入試直前のため、体力温存や感染防止のため参加せず、個人塾や家庭教師を利用して完全に自分の志望校に的を絞った最終調整や総ざらいを行う人も多いです。

※具体的なスケジュールは校舎によって異なります。
詳細はお近くの校舎までお問い合わせください。

以上、今回は、SAPIX生の一週間の授業日数・科目数・時間について、各学年のねらいや授業の特徴と併せてお伝えしました。

次回は⑤「SAPIX生はどんな一週間を過ごしているか⑴」の続編として、SAPIXに通う6年生の、一週間の具体的な学習スケジュールをお話しします。

日々の家庭学習にどのようにSAPIXの宿題や課題を組み込んでいくと良いか、ぜひ参考にしてくださいね。

SAPIXに転塾・入塾を考えている皆さんや、サピックスに在籍しているものの違和感を覚えている受験生の皆さんに向けたこの記事が、少しでも力になれることを祈っています。

SAPIXはどんな塾?2023 ~④SAPIXとの相性を見極める 後編~

目次

1. 子どもをサピックスに通わせる場合の親のサポート例
2. SAPIXとの相性チェックリスト
3. 相性を見極めるために大切なこと

御三家や難関中学受験で突出した合格実績を誇るSAPIX(サピックス)。

SAPIX紹介記事③では、中学受験界で知らない人はいない大手進学塾SAPIXに関して、「我が子や我が家とSAPIXの相性はどうなのか」を中心にお話ししてきました。

今回はその続編をお送りします。

1.子どもをサピックスに通わせる場合の親のサポート例

前回お話ししたSAPIXと相性が良いと言える生徒の特性についてはもちろんのこと、SAPIXとの相性を考えるうえで大切なことのひとつにご家庭の環境があります。

SAPIXはこれまでもお伝えしてきた通り、保護者の方の負担が少なくない塾の代表格です。

具体的には以下のようなサポートが必要になってくるので、これらのフォローが継続的に可能な状況であるかどうかも、よくチェックしておきましょう。

教材整理、管理

SAPIXの教材は他塾の一般的なテキストスタイルと異なり、授業毎に当日配布される冊子・プリント・小テスト形式です。

その量は非常に膨大で、生徒自身で全ての教材を必要な時(定期テスト対策や過去問の類題演習用など)に効率よく使えるよう管理しておくことは難しいため、基本的には保護者の方のサポートが欠かせません。※SAPIXの教材整理についてはこちら

送迎、宿題フォロー、スケジュール管理

SAPIXの授業は終了時刻が遅めです。
例えば2023年の春期講習で比較すると、
SAPIX 18:00
四谷大塚 16:50
日能研 16:30
早稲アカ 15:00

2023年の通常授業では
SAPIX 21:00
四谷大塚 20:40
日能研 20:45
早稲アカ 20:30
といった感じです。

総合時間で比較すると他塾に比べ決して多いわけではありませんが、終了時刻が遅くなりがちなので、校舎から家まで遠いなど、場合によっては送迎の必要も出てくるでしょう。

また、SAPIXは宿題量が膨大です。

そのため生徒それぞれが習熟度に応じて取捨選択の上で取り組む必要があるのですが、その判断を生徒本人が正確に行うことは至難の業です。

この作業は基本的に保護者の方など第三者が行うことが望ましいため、そのようなフォローが日常的に必要であることも覚えておきましょう。

前回の記事でもお話ししたように、SAPIXは完全復習型です。

授業内容の深い理解や定着演習は家庭学習にゆだねられている部分が大きいため、一週間・一か月の復習・宿題・定期テスト対策などの学習スケジュールをしっかりと組み、進捗状況を見ながら臨機応変に組み替えていく必要があります

これもまた生徒自身で完璧に行うことは困難なため、保護者の方など第三者による日常的なフォローが欠かせない部分と言えるでしょう。

2. SAPIXとの相性チェックリスト

※当てはまるほどSAPIXと相性が良く、その恩恵を享受しやすい状況であると言えます。

★生徒の状況

・成績優秀(トップレベルに近い)、習熟度が高い
・学習意欲が高くやる気がある
・競争好きで負けず嫌いである
・ストレス耐性が高い(sapixの頻繁なクラス替えに一喜一憂しない)
・日々の家庭学習・復習の習慣があたりまえに定着している
・御三家、難関校突破に照準を当てたSAPIX教材の難度・授業の進度についていくことが出来る
・毎回授業内のみで、ある程度内容を理解して来ることが出来る
・授業内のみで十分な理解は出来ないが、家庭教師などで毎回確実にフォロー出来る態勢が整っている
・御三家、難関校突破を目指している

★ご家庭の状況

・我が子が毎日あたりまえに机に向かう習慣がある、もしくはそのようにサポートすることが可能である
・日々の教材整理、管理のサポートが可能である
・学習スケジュールの管理、日々の宿題フォローが可能である
・我が子が授業についていけない場合、家庭教師や個別指導などのフォロー態勢を整えることが可能である(経済面やスケジュール調整などあらゆる面で)
・場合によって送迎などのサポートが可能である
・御三家、難関校突破を目指している

3. 相性を見極めるために大切なこと

さて、皆さんの適性はいかがでしたでしょうか。
SAPIXとの相性を見極めるために大切なことはただ一つ、現状をありのまま正確に見ることです。

SAPIX通塾を考えるご家庭の中には、毎年一定数の「極端なブランド志向の方」「合格実績だけに目を奪われたSAPIX信者の方」「高すぎるプライドでお子さんの現状や苦痛に目を向けてあげられない方」「SAPIXからの転塾は恥と思い込んでいる方」がいらっしゃいます。

素晴らしい合格実績を誇る大手進学塾SAPIXですが、何度もお伝えしていますように、我が子とSAPIXの「相性」を確かめもせずお子さんをSAPIXに放り込んでしまったり、「入塾すれば安泰」と勘違いしてその後一切の状況確認・フォローしなかったりした場合に苦しむことになるのは、大切なお子さんご本人です。

「中学受験をするなら御三家・難関校突破に照準を当てたSAPIXでなければ」とか、「SAPIXについていけなければ負け・転塾は恥」というとらえ方や思い込みは非常に盲目的で危険です。
そして、このような態度で中学受験に臨んでしまったご家庭の多くが最後まで事態を好転できず、お子さんにとって苦しいだけの日々の末、いわゆる「全落ち」などの辛い結果を招いてしまうケースが多いことを、頭の片隅に留めておいていただけたら幸いです。

中学受験が出来るのは一生でたった1度きり。
お子様の自己肯定感を育み、ご家族の絆を強くするという素晴らしい側面を併せ持つ有意義な中学受験体験のためにも、どうか今回お伝えしたポイントを参考にSAPIXとの相性を注意深く確かめ、お子様ご自身にとってのびのびと実力を伸ばせる最適な進路を選んでいただければ幸いです。

見極めに迷う場合にはご家族だけで悩まず、ぜひ校舎の先生(在籍中の場合)や、中学受験指導の経験が豊富な、信頼できる専門家に相談してみてくださいね。

以上、シリーズ4回目の今回は、「我が子や我が家とSAPIXの相性はどうなのか」の続編をお送りしました。

次回以降のSAPIX紹介記事では「SAPIXの生徒はどんな一週間を過ごしているのか」「SAPIXで結果を出すために大切なことはなにか」等、SAPIXの気になる点や最新情報をさらに詳しくお話していきます。

SAPIXはどんな塾?2023 ~③SAPIXとの相性を見極める 前編~

目次

1. 軽視できないSAPIXとの“相性”
2. なぜ「あのSAPIX」に通塾しても合格できないのか
3. どのような生徒・家庭がSAPIXに向いているのか

御三家や難関中学受験で突出した合格実績を誇るSAPIX(サピックス)。

SAPIX紹介記事➁では、中学受験界で知らない人はいない大手進学塾SAPIX通塾に関するメリット・デメリットをお伝えしました。

シリーズ3回目の今記事では、「我が子や我が家とSAPIXの相性はどうなのか」を中心にお話ししていきます。

1.軽視できないSAPIXとの“相性”

名実ともに御三家・難関校突破のトップ進学塾であるSAPIXにも、向き不向きが当然あります。

SAPIX紹介記事①でもお伝えした通り、全ての中学受験生がSAPIXに入塾さえすれば難関校に合格できるかといえば必ずしもそうではなく、むしろSAPIX入塾から受験本番まで終始下位クラスのまま浮上できず、最終的に一つも合格を勝ち取れなかった、というケースも意外なほど多いのがSAPIXの現実なのです。

2. なぜ「あのSAPIX」に通塾しても合格できないのか

そのようなケースが多い最大の理由は、御三家・難関校突破に非常に強いメソッドを持つSAPIXが「通塾(授業を受けて帰ってくる)だけでは恩恵が受けられない塾の代表格」であるからです。

SAPIXメソッドの恩恵を十分に享受するためには様々な条件があります。

お子さんやご家庭の状況によってはその恩恵を受け取ることが出来ないどころか、前回の記事でお伝えした「SAPIX通塾のメリット・デメリット」のうちのデメリットばかりを引き受けることになりかねません。

SAPIXへの通塾・転塾を考えていらっしゃる場合は、お子さんの性格や状況・ご家庭の方針や状況にSAPIXが本当に合っているのかどうか、ぜひ今回の記事も参考になりながらご家族でよく話し合い、相性を見極めた上で決断されることをおすすめいたします。

3. どのような生徒・家庭がSAPIXに向いているのか

それではどのような生徒・ご家庭がSAPIXに向いているのか、SAPIXの恩恵を十分に享受するために必要な条件は何なのか、具体的に見ていきましょう。

SAPIX最大の特徴はこれまでにもお伝えしてきた通り、

●御三家・難関校突破を見据えたカリキュラム
●完全復習型の授業スタイル
●保護者の負担が少なくない

という3点です。

完全復習型であるSAPIXの授業は予習が出来ないので、生徒たちは授業当日に初めてその日取り組む問題と対峙します。(※カリキュラムは年間スケジュールで発表されているため、単元のテーマを事前に把握しておくことは可能)

さらに授業内容は御三家・難関校突破を見据えたハイレベルな演習中心であり、それに付いて来られる約二割(成績上位)の生徒に照準を合わせ、彼らと講師との対話のような形式で容赦なくズンズン進んで行きます。

つまり、SAPIXの生徒には、授業中先生の話を集中して聞き、ハイスピードで難度の高い演習・解説に食らいついて行ける実力(処理能力)・姿勢が欠かせないということです。

SAPIXの授業は、やる気に満ちた集中力のある生徒、競争好きな生徒、SAPIXの出題レベルに難なくついていける生徒にとっては非常に新鮮でワクワクする時間です。

一方、やる気や集中力に欠ける生徒、周りと比較されることを好まないマイペースな生徒、SAPIXの難度やスピードについていくのが困難な生徒にとっては、ちんぷんかんぷんで挫折感しか得られない可能性すらある、無意味で苦しい時間になってしまうのです。

次に、家庭学習について。

たとえ授業中はその進度・難度に満足についていけなくとも、自宅でしっかりフォロー出来る態勢が整っている場合、SAPIXとの相性が悪いとは言い切れません。

完全復習型・ハイレベル演習中心のSAPIXでは、演習内容の深い理解・定着を家庭学習にゆだねています。

つまりは自宅で復習ができるレベルまで、授業内のみで、ある程度内容を理解して来られる状態であることがSAPIXの学習スタイルでうまくやっていく最低条件ということになりますが、そうでなくとも中学受験に精通した家庭教師などの第三者が毎授業内容を確実にフォロー出来る態勢が整っている場合は、授業内で理解が不十分である部分をその都度補い、次回授業に向けた十分な準備をすることが出来ますから、有意義なSAPIX通塾も可能=SAPIXとの相性は悪くない(SAPIXの恩恵を享受出来得る)と言えるのです。

(後編に続く)

【2023年版】SAPIXはどんな塾?➁ ~ SAPIX通塾のメリット・デメリット~

目次

1. SAPIX通塾のデメリット
2. SAPIX通塾のメリット

御三家や難関中学受験で突出した合格実績を誇るSAPIX。

前回のSAPIX紹介記事では中学受験界で知らない人はいない大手進学塾SAPIX(サピックス)が一体どのような塾であるのか、その概要をお伝えしました。

今回は引き続き、SAPIX通塾のメリット・デメリットを中心にお話ししていきます。

さて、まずはいきなりですが、SAPIXに通塾した場合の【デメリット】から見ていきましょう。

1.SAPIX通塾のデメリット

①懇切丁寧な解説は望めない

前回お伝えしたように、SAPIXは御三家や難関中学受験合格をメインに見据えたオリジナル教材を用いています。

授業内では先生が次々と出す問題をスラスラと、もしくはちょうど良い手応えを感じながら解いて行くことが出来る成績優秀な生徒を中心に進められ、全員に十分と言えるほどの懇切丁寧な解説は望めません。

これはSAPIXが不親切とか特別そうであるというわけでは無く、言葉を選ばずに言ってしまえば、大手進学塾というものは基本的にそういうものだと思っていただければと思います。

②成績優秀な生徒のペースで授業が進む

①の理由のひとつでもありますが、大手進学塾も商売である以上、ライバルである他の大手進学塾より一人でも多く御三家や有名中学合格者を排出し、合格実績の数字を上げることでその宣伝広告を見た次年度の新入生を多数獲得しなければなりません。
そのような特性上、大手進学塾の先生方はどうしても【いま在籍している中で特に優秀な生徒の力をさらに伸ばし、出来得る限り合格実績を上げる】ことに重点を置いた授業を行わざるを得ないのです。

もちろん、大手進学塾で授業を行う先生方の情熱がそこだけに注がれているわけでは決してありません。
先生方はいつも一人一人の生徒に熱心に、愛情を持って向き合っているものです。

そして、SAPIXはもちろん、四谷大塚や日能研や早稲田アカデミー等その他大手塾も、それぞれに補習、個別指導、質問教室など、授業について行くのが難しい生徒や詳しい解説を要する生徒に向けた様々なサポート体制を用意してはいます。

しかし、大手進学塾では基本的に「在籍している中で特に優秀な生徒を中心に授業が進む」という側面があることは、是非とも保護者の皆さんの心に留めておいていただきたい事のひとつです。

③通塾だけでは無意味

以上のような理由から、御三家や難関中学突破を目指す難度の高い授業を提供しているSAPIXではほとんどの生徒が講義の中だけで十分な理解を得ることは出来ません。

つまりは、SAPIXは多くの他塾のように授業に参加しているだけである程度知識や技術が身に付くような場所ではなく、「通塾だけでは無意味」な塾の代表格であり、授業中に先生の話を集中してよく聞き、授業内だけである程度きちんとその内容を理解・消化出来る生徒でなければ、いくら御三家や難関中学合格に有効な素晴らしいメソッドを持っていてもその恩恵を受けることが出来ない場所なのです。

④保護者の全面的サポートが欠かせない

前回のSAPIX紹介記事でもお伝えした通り、前回もお伝えしたとおり、SAPIXの授業は予習不可能な当日配布形式のオリジナルテキストを用いた完全復習型スタイルです。

また授業内容は難度が高く、演習が中心になっていますから、授業内容の確実な定着やそのための演習は、授業終了後の各自による自習に委ねられているわけです。

しかし授業内のみである程度その日の内容を消化できていなければ、帰宅してから自力で復習すること自体が困難であり、復習がきちんとできなければ当然学習内容が身に付かないまま次の授業を受けることになりますから、悪循環でどんどん授業は解らなくなって行き、やがてはクラスの中で遅れを取るようになり、気が付けば下位クラスに転落したまま浮上できず本番を迎える……というケースが非常に多く見られる塾でもあります。

この事態を回避するために、多くのご家庭においては保護者による物理的・金銭的なあらゆる面での全面的サポート(自宅学習のフォロー・宿題や復習のスケジュール管理・教材整理・個別指導料等の発生等)が欠かせなくなることも念頭に置いておきましょう。

以上がSAPIX通塾の主なデメリットです。

素晴らしい合格実績を誇る大手進学塾SAPIXですが、お子様の状況次第ではこれらの危険や負担を伴うことも重要な事実です。

中学受験生の保護者の方々の中には残念ながら毎年一定数の、合格実績だけに目を奪われた盲目な「SAPIX信者」がいらっしゃるものです。

我が子とSAPIXの「相性」を確かめもせずお子さんをSAPIXに放り込んでしまったり、「入塾すれば安泰」と勘違いをしてその後の状況を一切確認・フォローしなかったりしたときに、苦しむのはお子さんご本人です。

SAPIXが非常に優れた塾であるのはもちろんですが、前述のようなデメリットもしっかり頭の片隅に置かれた上で、お子様の「SAPIXとの相性」もじっくり見極めつつ上手にサピックスを利用していただきたく、あえてデメリットを先にお伝えさせていただきました。

(相性が絶望的である場合を除き、デメリット回避の方法は多々あります。それはまた別の記事でお伝えいたします。)

次に、SAPIXに通塾した場合の【メリット】を見ていきましょう。

2. SAPIX通塾のメリット

本来はこちらからお話ししたかったのですが、SAPIXには突出して高い御三家・難関校合格率を誇るだけの非常に優れたメソッドがあります。

①学習意欲を刺激するシステム

SAPIXは成績に応じた非常に細かいクラス編成がされており、クラス変更の頻度も多いため、特に競争心の強い生徒にとっては非常に刺激的な学習環境となっています。

また、各クラスで授業毎に教材が配布されるシステムについてですが、これは全員が同じ初見という条件下での勝負になるため、学習意欲の高い生徒にとっては非常にワクワクするものです。

②御三家・難関校突破に最適な教材

また、そのオリジナルテキストの内容は御三家・難関校突破に向けた一切「無駄がない」ものになっています。

これはデメリットでお伝えした余裕の無さ・家庭学習の大きな負担、という懸念事項の裏返しでもありますが、詳しい解説や基礎演習を最低限に抑えた、他塾では類を見ないほど超実践的な演習内容であり、何十年もかけて講師陣が過去問研究を重ねたSAPIXならではの、御三家・難関校合格を狙う受験生にとって最適な教材に仕上がっています。

特に国語・算数のテキストはほぼ問題だけの構成で、「どう解くか」「どう考えるか」「なぜそうなるか」などの詳しい説明はほぼ無いに等しいですが、無駄を省いた分、その演習内容は本番と同等レベルかつボリューム、ときにはそれ以上の十分な内容となっており、これらのテキストやSAPIXのテストで常時7割以上正答出来る状態にもっていくことが出来れば、上記のような中学校への合格はもはや約束されたようなもの、と言っても過言ではありません。

③刺激的な学習環境

レベルが高いのは教材だけではありません。

SAPIX、特にその上位クラスに集まる生徒の優秀さは、大手進学塾の中でも突出しています。

やはり上位クラスほど学習内容は高度になりますし、受験に対する目的意識がはっきりした、自覚のある受験生がそろっています。

そのような環境に身を置くことで、競争心・学習意欲の強い生徒は特に実力を伸ばしやすくなり、刺激的な受験生活を送ることが出来るでしょう。

④充実した対策講座

SAPIXは対策講座の充実度も特記事項です。

春期講習、夏期講習などの季節講習はもちろん、難関校SS特訓、入試対策演習講座、それぞれの志望校に向けた対策講習など、実に多くの講座が用意されています。

また、高学年や直前期だけでなく、新1年生向けの「もうすぐ1ねんせい」、新4年生向けの「新4年生準備講座」など、低学年向けの講習もたくさん用意されています。

⑤御三家・難関校突破の最短コース

繰り返しになりますが、SAPIXが毎年突出した合格実績をたたき出し、長年大手進学塾の中でトップを走り続けている事実は、SAPIX通塾が有名中学突破の最短コースと言える何よりの証です。

前回の紹介記事でもお伝えした通り、例えば2023年度開成中学校では合格者419名のうち64%(268名)がSAPIX生、桜蔭中学校では290名中68%(197名)がSAPIX生というような結果を残しています。

ただし全ての中学に圧倒的、というわけではもちろんありませんから、入塾を検討する際は、ご自身の志望校におけるSAPIXの合格占有率もぜひチェックしてみてくださいね。

以上、今回はSAPI通塾のメリット・デメリットについてお話ししました。

次回以降のSAPIX紹介記事では、我が子や我が家とSAPIXの相性はどうなのか、SAPIXの生徒はどんな一週間を過ごしているのか、SAPIXで結果を出すために大切なことはなにか等、SAPIXの気になる点や最新情報をさらに詳しくお話していきます。

SAPIXに転塾・入塾を考えている皆さんや、サピックスに在籍しているものの違和感を覚えている受験生の皆さんに向けたこの記事が、少しでも力になれることを祈っています。

6年生の夏期講習後半の過ごし方で気をつけたいこと

目次

1. お盆の特訓をどうするかを考えましょう
2. 夏休み 後半「 再スタート」 という気持ちで
3. 9月以降は、より個人別の学習が重要になる

各塾の夏期講習が始まって、2週間が経とうとしています。

特に6年生は、連日長時間の塾通いと宿題、早い 塾では過去問にも取りかかっており、大量の学習に追われていることと思います。

今回は、6年生の夏休み後半の過ごし方についてお話ししたいと思います。

1.お盆の特訓をどうするかを考えましょう

サピックスではお盆の期間に「夏期集中志望校錬成特訓」が行われます。
夏期講習もそうなのですが、それ以上に演習中心の授業となります。

「志望校錬成」と言われると、どうしても受けなければならないように思うのですが、志望校が決まっており、学力も順調について合格の目処が立ちそうだ、という状況であれば、もちろん参加を強くおすすめします。

逆に、今の時点では志望校の偏差値に大きく届いていないケースや、苦手科目・苦手単元がかなりある、という お子さんには、参加を強くはお勧めしていません。

もちろんケースバイケースであり、参加することによってモチベーションが上がるのであればそれも良いとは思うのですが、その時間を使ってこれまでの穴埋めをしたいというご家庭には、無理にお勧めするタイプの講座ではないと思っています。

ただし、参加せずに家庭学習がきっちりできるという前提があればいいのですが(名門指導会の場合は、この期間を使って弱点補強や9月に向けての準備を行うお子さんも多いです)、参加せずに家にいたけれどあまり有意義に過ごせなかった、という結果になるなら、参加した方が良いでしょう。

サピックスだけでなく、お盆の期間に6年生の特別講座を設けている塾は多くあります。

お子さんの現状とご家庭でできることを検討した上で、(申し込んでしまったので参加するということではなく)実際に参加するかどうかを考えるといいと思います。

2. 夏休み 後半「 再スタート」 という気持ちで

夏休み後半も夏期講習が続きますが、今一度授業の受け方について確認した上で夏期講習 後半に臨んでいただければと思います。

6年生の夏期講習はこれまで習った全てのことを、ひと夏でもう一度すべて振り返る、というカリキュラムになっている塾がほとんどです。

普段の授業のように「まず 習って理解できたら問題を解く」というスタイルではなく、どんどん問題を解いて自分に足りないところを発見し、穴埋めしていくという授業になります。

このことを再度思い出し、夏期講習の授業に関しては「授業で解いた問題は全て事業で理解して帰ってくる」という気持ちで取り組みましょう。

それでも、どうしても「 消化不良」の部分は出てきます。
これを翌日の授業までにできるだけ補充して次の日に臨む、この繰り返しになりますね。

大変な毎日が あと3週間ほど続きますが、ぜひ忙殺されることなく、目的を持って学習を続けていただければと思います。

3. 9月以降は、より個人別の学習が重要になる

6年生は9月以降、志望校別の日曜特訓が始まります。
志望校の学校名を冠したコースが存在し、そのコースに在籍することができているお子さんは、志望校別特訓の学習が優先順位の1位になります。

一方、志望校の名前を冠したコースが存在せず(「 難関校 特訓」 といった、複数の学校を対象としたコースに在籍している場合)や、志望校のコースに入れなかったお子さんの場合、日曜特訓の重要性はぐっと下がります。

それでは何が優先順位の1位になるかというと、もちろん志望校の過去問になります。

過去問演習は1校につき 4科目が基本になりますが、受験するのは第1志望校だけでなく、 第2志望、 第3志望、そして「 前受校」と呼ばれる学校の過去問も解かなければなりませんね。

かなりの量の過去問を解かなければならないので、その時間を確保しておく必要があります。
また過去問は「解きっぱなし」ではなく、間違い直しをする必要もあります( この辺りの具体的な方法は、また後日お伝えしたいと思います)。

塾の日曜特訓がお子さんの志望校に特化していない場合、過去問演習をいかに有意義にこなしていくかが 合格に直結します。

9月を迎える前に、意識しておいていただければよいかと思います。

残りの夏の期間、有意義なものにしていきましょう!