習い事

6月はなぜ祝日が無いの? 新たな制定の可能性は?

目次

1. 「梅雨入り」の定義とは
2. 日本の祝日〜なぜ6月に祝日はないのか
3. 6月にどんな祝日があれば素敵かを考えてみる

雨が続いていますね。

中学受験生の皆さんは元気にやっていますか?

1. 「梅雨入り」の定義とは

関東地方にも梅雨入りが宣言され、紫陽花の花が美しく色づき、カタツムリたちも待ちに待った雨のシャワーに嬉しそうな様子が見られる今日この頃です。

実は気象庁による「梅雨入り」の決定には、雨の量や雨が続いた日数などの明確な基準はありません。

梅雨の定義は「春から夏に移行する過程で、その前後の時期と比べて雨が多くなり、日照が少なくなる季節現象」とされており、今までの天候とそこから1週間の予報をもとに、雨や曇りが多くなり始める頃を「梅雨入り」として発表しています。

ここのところ関東では雨が続いたかと思えばその後天気が回復し、そうかと思えばまた雨が降り……という状態のため、既に傘が手放せない毎日が到来していながらも、気象庁の梅雨入りの発表は延期され続けているというわけなのです。

しかし、いずれにせよ不安定で寒暖差の激しい時期です。

中学受験生の皆さんは、調節のしやすい服装で、身体を大切に過ごしてくださいね。

2. 日本の祝日〜なぜ6月に祝日はないのか

さて、身体を大切にするには睡眠、息抜きの散歩や運動、ちょっとした遠出が一番。

それに欠かせないのはやはり、たまの「お休みの日」ですよね。

先月はG.W.があり、塾の講習や模試がありつつも、少しは皆さんも息抜きが出来たのではないでしょうか。

しかし、ご存じの通り6月は祝日がありません。

カレンダーをめくって改めてガッカリしてしまった人もいたかもしれませんが、一体なぜ6月はお休みがないのでしょうか。

そもそも学校や会社が基本的にお休みになる「国民の祝日」は法律で定められた日であり、1年に16日あります。

その目的は日本の風習を育てるほか、感謝や敬意を表すため。

これまで、2020年の東京オリンピック開催年から10月第2月曜日の「体育の日」が「スポーツの日」と改称されたように、さまざまな理由で日程や名称が変更されたり、追加されたりしてきましたね。

ここで、2023年の国民の祝日を確認してみましょう。

・元日(1月1日)……1年の始まりを祝う
・成人の日(1月の第2月曜日)……新成人を祝い励ます
・建国記念の日(2月11日)……建国をしのび愛国心を養う
・天皇誕生日(2月23日)……天皇の誕生日を祝う
・春分の日(3月20〜21日頃)……自然をたたえ生物をいつくしむ
・昭和の日(4月29日)……昭和を顧み国の将来を思う
・憲法記念日(5月3日)……日本国憲法施行記念日
・みどりの日(5月4日)……自然の恩恵に感謝し豊かな心を育む
・こどもの日(5月5日)……子どもの人格を重んじ幸福を願うとともに母に感謝する
・海の日(7月第3月曜日)……海洋国国民として海に感謝し海洋国の繁栄を願う
・山の日(8月11日)……山の恩恵に感謝する
・敬老の日(9月第3月曜日)……老人を敬い長寿を祝う
・秋分の日(9月22日〜23日頃)……祖先を敬う
・スポーツの日(10月第2月曜日)……スポーツに親しみ健康な心身を培う
・文化の日(11月3日)……自由と平和を愛し文化をすすめる
・勤労感謝の日(11月23日)……勤労をたっとび生産を祝い国民互いに感謝し合う

以上

これらは皇室関連の伝統行事や何らかの記念日などが起源となっているのですが、6月には特別な皇室行事や記念行事がなかったため、祝日が無いまま今に至ります。
(2015年までは8月も祝日がありませんでしたが、11日に山の日が制定されました)

3. 6月にどんな祝日があれば素敵かを考えてみる

けれど、今後もずっと6月は1年のうちで唯一祝日が無い残念な月なのかといえば、そうとも限りません。

これまでは

・皇室関連の伝統行事や国に大きな出来事があった記念日などが特にない
・教育界からの反対が大きい(子どもたちの授業時間確保のため)
・経済界からの反対が大きい(多くの会社で定時株主総会が6月下旬であるため)

などの理由から、なかなか本格的に検討されることはありませんでしたが、ここ最近6月に祝日を作ろうという動きが高まってきています。

その大きな理由の一つが、過労死の問題です。

日本の祝日はアメリカやフランスの年間10日程度に比べれば非常に多いのですが、日本の長時間労働は世界的にも問題視されている上、職場でも有給がまだまだ取りづらいのが現実ですね。

そんな社会的背景もあって、過労死対策弁護団などから6月に祝日を制定するための要望が厚生労働省に提出されているのです。

祝日として候補に上がっている一つが、6月10日「時の記念日」です。

「時の記念日」は、天智天皇が日本初の水時計を作り、日本で初めて時計による時の知らせが行われたことを記念して制定されました。

長年お休みのなかった6月に、いつかこの時間の大切さを意識できる記念日が、祝日として制定されたら素敵ですね。

国民の祝日は、中学受験の時事問題でも頻出です。

今日お伝えした16日の国民の祝日はぜひ覚えておいてくださいね。

また、あなたなら6月にどんな祝日を作りたいか、日本の歴史を遡って考えてみるのも楽しいですね。

中学受験、本当にする?やめる? ~夏休み前に確認したいこと~

目次

1. 中学受験をやめようかと悩む理由
2. 中学受験のメリット
3. 中学受験のデメリット

だんだんと夏休みが近づいてきましたね。

ここから6年生は少しずつ過去問に取りくんだり、具体的な受験校選定をしたりと本格的な受験勉強・準備に入っていきます。

しかしながら、夏休み前のこの時期には、意外と

「実は中学受験を本当にするかどうか決めかねています」

と揺れる心で過ごしていらっしゃる生徒さんやご家庭も多いものです。

1.中学受験をやめようかと悩む理由

理由は様々ですが、

・我が子に受験生の自覚が感じられず、受験すること自体が難しい気がする。
・成績が一向に上がらず、合格できる自信がない。
・塾の講習や受験費用、入学後の学費に不安がある。
・中学受験をすることが良いかどうか判断できない。

など、受験生本人の精神面・成績面に対する不安や、金銭面・受験の意義に関する不安が多く聞かれます。

本人の精神面・成績面に関しては一人ひとり全く状況が異なるため一概には言えませんが、夏期講習を経てスイッチが入る生徒さんが大半です。

迷っているならばここで諦めてしまうよりも、夏期講習での本人の精神面や成績面の変化を見てから判断することをおすすめします。

普段勉強をサポートしている塾の先生や、中学受験指導の経験豊富な家庭教師の先生にも、ぜひ意見を聞いてみてください。

また、中学受験にまつわる費用・中学受験の意義に関しては個人差の少ない部分です。

そこで、中学受験について改めて考える材料として、改めて中学受験のメリット・デメリットを確認してみましょう。

2. 中学受験のメリット

①精神面の成長が期待できる

・目標に向かってめげずに努力を続けること。
・コンディションのすぐれない時も力を発揮すること。
・遊びたい気持ち、サボりたい気持ち、眠ってしまいたい気持ちなど、様々な感情や欲望をある程度自分でコントロールすること。
・成績やクラスの昇降、噂話や周りの様子など、様々な精神的負担にも大きく左右されず、自分のことに集中できる強い心を持つこと。

10代の多感な少年少女にとって、中学受験は体力面だけでなく精神面でも厳しい環境にさらされる、負担の大きなチャレンジです。

しかし、それゆえに、忍耐力、自制心、精神力が非常に鍛えられる機会ともなり得るのです。

②家族の絆が深まる

中学受験は親の受験とも言われます。

まだ年齢的に幼い受験生本人だけで、学習内容や受験日程のスケジューリングをすることは出来ません。

また、宿題や課題のフォロー、塾の送り迎え、弁当作り、教材の管理など、様々な場面で保護者の方の手を借りることもあるでしょう。

もちろん本番までに本人が不安定になり、精神的に支えてもらう機会も何度も出てくるでしょう。

そんな波瀾万丈の時間が、確かな家族の絆を育んでくれます。

これは、受験の最中や直後よりも、中学進学以降の親子関係の中で深く実感するものです。

合否に関係なく、この経験を経たことでより良好な(親子間でトラブルがあってもきちんと話し合い、互いを尊重しあって解決できる等)親子関係が築けたというご家庭は多いです。

③学ぶ喜びに出会える

まるで歯が立たなかった問題が自分の力で解けるようになる。

たくさんの知識が体系化し、様々なことが科目を超えて頭の中で繋がりを持っていく。

このように学ぶ喜びに出会えることは、中学受験における大きなメリットの一つです。

中学進学後の学習にも良い影響を及ぼすでしょう。

④進学希望の大学に一歩近づける

将来進学を希望している大学があり、それが偏差値的に難関である場合、中高一貫校に入学すること、中学時代から学力の高いクラスメイトに囲まれた環境で仲間と切磋琢磨出来ることは一つのメリットと言えます。

一般的な公立校では、どうしても全員が納得して進められるよう授業が行われます。

そのような学校ではクラスメイトの学力も様々なので、常に高度な授業を受けることはやや難しいでしょう。

中高一貫校は高校受験が不要であり、その分大学受験を見据えた6年間のカリキュラムが組まれています。

一般的にそれらの学校は、最後の1年間を各自の希望する大学受験に向けて有効に使えるようになっています。

以上が中学受験の代表的なメリットです。

3.  中学受験のデメリット

次に、デメリットも確認してみましょう。

①自由に遊べる時間がなくなる

「理想的な小学生時代の過ごし方」は、ご家庭の考え方によって大きく異なるものです。

小学生時代はとにかくのびのびと、余計なプレッシャーを与えず、たくさん身体を動かしたり、お友達と思い切り遊んだりして過ごして欲しい、という方針の場合、中学受験は残念ながら真逆に近い生活を送るものだと言わざるを得ません。

同じ受験するでも、高校や大学など別のタイミングを考えてみても良いかもしれません。

②費用面の負担が大きい

中学受験における出費は決して少ないとは言えません。

塾の授業料、講習代、教材費はもちろん、場合によっては通塾代や軽食代も必要になります。

塾代だけでも、代表的な大手進学塾の場合4.5.6年の3年間で1,700,000円くらいかかる計算です。

また、特に追い込み期は学習状況に応じて家庭教師代、個別指導代も通常時より多く必要になるでしょう。

次に受験費用ですが、大体1回につき20,000円~30,000円くらいが相場です。

練習なども含めて3~6校くらい受験する場合が多いので、ここでは60,000円~180,000円くらいかかると考えておきましょう。

合格後は、入学手続時納入金が必要になります。

入学金は全額を一括で支払う必要がある学校も、分割が可能な学校もありますが、基本的には進学しなくなった場合も返却はされません。(一部、延納や返却が可能な学校もあります)

基本200,000円~400,000円くらいですが、万が一のために複数の学校に納入するという場合もあるでしょう。

そして進学後の学費ですが、私立の場合、年間の学費は約100万円~150万円です。

中学・高校共に私立に6年間通った場合は、合計約600万円~900万円くらいが目安になります。

学費に加え、大学受験を考える場合は当然、塾代なども必要になります。

このように、金銭面の負担は少なくありませんので、計画的に準備しておくことが必要になるでしょう。

③価値観が狭まる可能性がある

中学受験を経て中高一貫校に進むことで、同じように高い志や学力を持つ仲間と出逢い、切磋琢磨出来る環境に身を置けることは大きなメリットです。

しかし、同時にそれはデメリットともとらえられます。

家庭環境や学力・考え方が180℃異なるような仲間や家庭との交流により様々な価値観に触れる機会は、公立中学に進学した場合に比べ少ないかもしれません。

以上、中学受験における代表的なメリット・デメリットを改めて確認してみました。

まだ中学受験を本当にするかどうか決めかねている皆さんは、上記の内容も参考に改めてご家族でよく話し合ってみてください。

「受験の天王山」とも言われる夏休みに突入する前に、中学受験生の皆さんがそれぞれに納得の行く道を見出し、力強く進んで行けることを心から願っています。

SAPIXはどんな塾?2023 ~⑮SAPIX6年 後期スケジューリング 後編~

目次

★6年後期 週間学習に取り入れたい内容の優先順位は?
①位:志望校過去問対策(似通った学校の過去問演習を含む)
②位:苦手分野克服(前期にやり残してしまった人のみ。)
③位:SS特訓 志望校別講座
④位:SS特訓 単科講座・土曜特訓
⑤位:合格への100題
⑥位:通常テキスト
★志望校合格を勝ち取ったSAPIX生の学習スケジュール例

御三家や難関中学受験で突出した合格実績を誇るSAPIX(サピックス)。

先日の記事では、これまでお伝えした6年前期にやっておきたい「苦手分野克服」作業を踏まえた、6年後期スケジューリングのポイント(前編)についてお話ししました。

シリーズ15回目の今回は、引き続き6年後期スケジューリングについて、より詳しい内容をお伝えしていきます。

★6年後期 週間学習に取り入れたい内容の優先順位は?

以前お話した通り、最終学年の6年生では前期と後期で日々の学習スケジュールを大きく見直す必要があります。

まずは現在の学習状況(苦手分野克服の作業が全て済んでいるかどうか、他に不安や積み残しがないか等)、そして、後期通塾スケジュール詳細をきちんと把握しておくことが大切です。

それらを踏まえ、改めて最適な学習スケジュールを組み直して効率的に学習できるかどうかが最後の成績の伸び・最終結果を大きく左右しますので、なんとなくではなく丁寧に計画してやっていきましょう。

①位:志望校過去問対策(似通った学校の過去問演習を含む)

自分の行きたい学校の傾向を知り尽くすこと、対策をし尽くすことは、合格に直結します。

土曜午前など、行う日を決めて計画的に進めてください。

過去問は第一志望校に関しては10回(年)分行うのが理想です。

なるべく本番までに2周解きましょう。

さらに、本番直前の12月や1月に、特に結果が振るわなかった年度のものを2.3年分やり直すと、自分の変化・成長が感じられ、自信がつくのでおすすめです。

②位:苦手分野克服(前期にやり残してしまった人のみ。)

この部分により過去問に一切太刀打ちできない状況であれば、1位の過去問対策よりもこちらを優先します。

SAPIXのオリジナル教材やテストはもちろん、状況に併せて市販の教材なども積極的に取り入れましょう。

こちらの記事もぜひ参考にしてくださいね。

・SAPIXはどんな塾?2023 ~⑩SAPIX6年 前期スケジューリング (2)~(苦手分野克服のポイント、復習に適した算数教材の紹介)
・SAPIXはどんな塾?2023 ~⑪SAPIX6年 前期 国語の苦手分野克服教材 (1)~
・SAPIXはどんな塾?2023 ~⑫SAPIX6年 前期 国語の苦手分野克服教材 (2)~
・SAPIXはどんな塾?2023 ~⑬SAPIX6年 前期 国語の苦手分野克服教材(3)~

③位:SS特訓 志望校別講座

SAPIXのウリであり、SAPIXの誇る合格実績の高さの要と言われている講座です。

志望校対策に直結した教材なので、決してやりっ放しにせずきちんと復習を行いましょう。

④位:SS特訓 単科講座・土曜特訓

短歌講座では、みなさんそれぞれの志望校に合わせて、算数は思考力or解法力、国語は記述表現力or読解力講座をそれぞれ選択受講していますね。
(理科、社会は知識論理力講座のみです)

こちらと土曜特訓の教材も、SS特訓志望校特別講座と同様に実践演習が中心の内容になっています。

実際に本番で出題されるものに比較的近いものなので、間違えた部分はしっかり復習しておきましょう。

特別講座の教材よりは難易度が低く、いわゆる御三家と呼ばれる学校を狙っている人たちには併願校対策にもなります。

特に算数・国語は念入りにやっておいてくださいね。

⑤位:合格への100題

SS特訓で配布され、基本授業では扱われません。

ただし、主に過去の入試で実際に扱われたものが採用されているので手応えのある教材であり、「余裕があれば」取り組んでおきたいものです。

⑥位:通常テキスト

この時期は、あまり通常テキストにこだわる必要はありません。

もちろん余裕があれば取り組んでも良いですが、あくまでも最後の追い込み時期は自分の志望校に合わせた学習が効果的であり最優先であるということを念頭においておきましょう。

※こちらの順位にはあえて組み込んでいませんが、各種模試のやり直しももちろん重要です。

模試のやり直しは溜め込まず、なるべく早く、その都度やりましょう。

★志望校合格を勝ち取ったSAPIX生の学習スケジュール例

こちらは、見事志望校合格を勝ち取った、あるSAPIX生の学習スケジュールです。

一つの参考にしてみてくださいね。

***

◯全日のルーティン

起床am6:00
就寝pm10:00
朝活:朝食前
・国語/漢字と語句(国語の要、市販の問題集など)
・算数/計算(基礎力トレーニングなど)
夜活:就寝前
・理科と社会/暗記もの(サピックスメソッド コアプラスや自作の単語帳など)

◯曜日ごとの学習

・授業のあった翌日に、前日の内容を復習する
(直し重視なので無理に全教科やらず、残ったら土曜に対処する)
・土曜amは過去問をやる

◯その他決め事

・睡眠時間は削らない(8-8.5時間を必ず確保する)
・塾のある日は基本的に学校の宿題と夜活のみにして、体力を温存する
・SAPIXの宿題はホワイトボードの週間スケジュールに書き込み、いつどこで処理するかきちんと決めておく
・模試はなるべく早くやり直しをする

以上

***

上記は最終学年時にSAPIX上位クラスに通い、見事志望校合格を勝ち取った生徒さんの後期学習スケジュール(一例)です。

こちらの生徒さんは前期の夏休みまでに各教科の「苦手分野の克服」が済んでいるケースでしたので、そちらの作業がまだ残っている場合は、それも考慮してスケジューリングを行ってくださいね。

以上、今回はSAPIX6年後期スケジューリングのポイント(後編)をお伝えしました。

前期もそうですが、6年後期は特に取り入れたい学習内容の優先順位が一人一人の状況により大きく異なります。

前述の通り、こちらの記事で紹介した順位や具体例はあくまでも一例ですので、実際に毎日や一週間の学習スケジュールを組む際には、できる限り中学受験の指導経験豊富なプロ講師や塾の先生にも助言を求めてください。

第一志望校合格を勝ち取るため、自分にとって最適だと信じられる穴の無い学習計画を作成し、残された最後の日々を自信を持って走り抜けられますように。

SAPIXに転塾・入塾を考えている皆さんや、すでに在籍しているものの違和感を覚えている受験生の皆さんに向けたこの記事が、少しでも皆さんの力になれるよう祈っています。

SAPIXはどんな塾?2023 ~⑭SAPIX6年 後期スケジューリング 前編~

目次

★SAPIX6年後期 学習のポイントは?
★SAPIX6年後期 イベントスケジュール
★SAPIX 6年生後期 通塾スケジュールはどう変わる?
★SAPIX 6年後期 日曜日に関する注意点
★SAPIX6年後期 週間スケジューリングのポイントは?

御三家や難関中学受験で突出した合格実績を誇るSAPIX(サピックス)。

御三家や難関中学受験で突出した合格実績を誇るSAPIX(サピックス)。
先日の記事では、中学受験界で知らない人はいない大手進学塾SAPIXにおける、6年前期の重要課題「苦手分野克服」でSAPIX生が実際に用いている国語の復習教材(読解分野)についてお話しました。

シリーズ14回目の今回は、これまでお伝えした6年前期にやっておきたい「苦手分野克服」作業を踏まえた、後期スケジューリングのポイント(前編)をお伝えします。

★SAPIX6年後期 学習のポイントは?

以前お話した通り、最終学年の6年生では前期と後期で日々の学習スケジュールを大きく見直す必要があります。

まずは現在の学習状況(苦手分野克服の作業が全て済んでいるかどうか、他に不安や積み残しがないか等)、そして、後期通塾スケジュール詳細をきちんと把握しておくことが大切です。

それらを踏まえ、改めて最適な学習スケジュールを組み直して効率的に学習できるかどうかが最後の成績の伸び・最終結果を大きく左右しますので、なんとなくではなく丁寧に計画してやっていきましょう。

★SAPIX6年後期 イベントスケジュール

まずは6年後期(9月以降)のイベントを確認します。

◯9月
テスト:
合格力判定サピックスオープン(第1回)
学校別サピックスオープン

講習:
難関校SS特訓

◯10月
テスト:
合格力判定サピックスオープン(第2回)
学校別サピックスオープン
マンスリー実力テスト

講習:
難関校SS特訓

◯11月
テスト:
合格力判定サピックスオープン(第3回)
学校別サピックスオープン
マンスリー実力テスト
面接模試

講習:
難関校SS特訓

◯12月
テスト:
合格力判定サピックスオープン(第4回)
学校別サピックスオープン

講習:
冬期講習
正月特訓
難関校SS特訓

◯1月
講習:
冬期講習
正月特訓
難関校SS特訓

(以上2023年度)

★SAPIX 6年生後期 通塾スケジュールはどう変わる?

次に、6年前期と後期の通塾スケジュールの変化を再確認しておきましょう。

〈前期まで〉
◯授業日数 2日/週(主に火曜・木曜)
      +土曜志望校別特訓
◯科目   算数・国語・理科・社会

◯時間   80分×3コマ(1日につき3科目)
      ※土特は75分×4コマ(4科目)

*ある首都圏校舎の例*
▫︎火曜:17:00-21:00(平常授業)
    算数80分×2コマ
    理科80分×1コマ

▫︎木曜:17:00-21:00(平常授業)
    国語80分×2コマ
    社会80分×1コマ

▫︎土曜:14:00-19:00(土曜志望校別特訓)
    算数・国語・理科・社会×各75分(各1コマ)

以上が前期の基本スケジュールです。

〈後期から〉
上記に加え、下記の授業がスタートします。

▫︎日曜:9:00~18:45(難関校SS特訓/サンデー・サピックス)
志望校別講座 80分授業×4コマ
単科講座  100分授業×2コマ
(13:00-13:45はお昼休憩)

具体的な時間割はこのようなものです。
〈SS特訓 時間割〉(一例)
志望校別講座(社会) 9:00-10:20
志望校別講座(算数) 10:20-11:40
志望校別講座(国語) 11:40-13:00
昼休憩       13:00-13:45
志望校別講座(理科) 13:45-15:05
単科講座(算数・思考力) 15:15-16:55
単科講座(国語・記述表現力) 17:05-18:45

★SAPIX 6年後期 日曜日に関する注意点

以前お伝えしたように、SAPIXの授業は平常・講習共に基本的に30分以上の大きな休憩を取らないことが特徴の一つですが、後期から始まるSS特訓(サンデー・サピックス)では13:00-13:45に昼休憩が設けてあり、生徒は弁当持参になります。

講座は志望校別講座と単科講座の大きく2つに分かれており、生徒は午前と午後にそれぞれ自分の選択した講座に参加します。

講座が無い日曜日は基本的に模試があるため、後期からは日曜日にまとまった家庭学習の時間は取れなくなると考えておきましょう。

※SS特訓についてはこちらの記事で詳しくお話ししています。

★SAPIX6年後期 週間スケジューリングのポイントは?

前述の通り、7日間のうち6年後期からの通塾は週4日になるため、塾がない日は3日のみです。

つまり、この3日で、個々の課題とは別に、塾で実施された4日分のテストや講義の復習も行う必要があるということです。

もちろんそれと並行して志望校の過去問対策もありますし、人によってはさらに、前期にやり残してしまった苦手分野克服作業もありますから、テキストやテストの全てのやり残しや間違った問題を扱うことはできません。

ですから、⑥年後期は自分にとっては何が優先すべき部分であるか、よく考えて学習スケジュールを組むことが重要です。
受験までのラストスパートの拠り所となる大切な部分なので、ここはできるかぎり独断ではなく、中学受験の指導経験豊富なプロ講師や塾の先生の助言をもらって行うようにしてくださいね。

以上、今回はSAPIX6年後期スケジューリングのポイント(前編)をお話ししました。
次回後編では、数ある教材や講座の中から、6年後期の週間学習に取り入れたい内容の優先順位、見事志望校合格を勝ち取ったSAPIX生の学習スケジュールの具体例などをお伝えします。

SAPIXに転塾・入塾を考えている皆さんや、すでに在籍しているものの違和感を覚えている受験生の皆さんに向けたこの記事が、少しでも皆さんの力になれるよう祈っています。

SAPIXはどんな塾?2023 ~⑬SAPIX6年 前期 国語の苦手分野克服教材(3)~

目次

★読解の復習教材★
●SAPIX Bテキスト・各種テスト(6年)
●SAPIX 土曜特訓教材
● 『新小学問題集 中学入試編』(ステージⅠ・Ⅱ・Ⅲの3種)

御三家や難関中学受験で突出した合格実績を誇るSAPIX(サピックス)。

前回の紹介記事『SAPIXはどんな塾?2023 ~⑫SAPIX6年 前期 国語の苦手分野克服教材 (2)~』では、中学受験界で知らない人はいない大手進学塾SAPIXにおける6年前期の重要課題「苦手分野克服」でSAPIX生が実際に用いている国語の復習教材(知識分野)についてお伝えしました。

シリーズ13回目の今回は、国語の苦手分野克服でSAPIX生が実際に用いている、読解分野の教材等についてお話ししていきます。

★読解の復習教材★

知識分野と同じく、読解分野でも教材をSAPIXのオリジナルテキストに限定する必要はありません。

むしろ、一度取り組んだSAPIXの教材を用いた復習のみでは読解力は上がりません。

この後お話ししますが、講師にも相談しながら自分の志望校に合った復習用教材を見極め、学習を進めていきましょう。

まずは中学受験国語における読解復習(演習)で、SAPIXの6年生が実際に使用している教材をお伝えしていきます。

●SAPIX Bテキスト・各種テスト(6年)

ご存知の通り、SAPIXのBテキストやテストはいわゆる御三家・難関校入試(特に開成、麻布、駒場東邦など最難関の男子校)を長年研究し尽くした上で作られており、引用されている文章自体もそれらの学校の過去問から用いられているものが殆どです。

大手中学受験塾の中でもSAPIXの国語教材は扱っている文章のチョイス、オリジナル問題ともに非常に秀逸で上記のような学校の記述対策としては最も優れていると言っても過言ではありません。

ある程度読解・記述力のある人(SAPIXの各種テストの記述分野で常時6割以上は得点できる人)は、ぜひともこれらの復習をやりましょう。

その際、6年(もしくは余裕があれば5.6年)全てのテキストやテストの間違えた問題を解き直すのももちろんアリですが、基本的に読解の復習は知識分野の復習と異なり、一度解いたものの文章の内容や答えが記憶に残りやすいため効果が得られにくく、時間が限られている場合はあまりおすすめ出来ません。

これらの教材を使用しての復習は、あくまでもコツを掴むため・身体で答え方や型を覚えるための作業と思ってください。(時間がたっぷりあればもちろん全て解き直しをしてもOKです。それができる時間と根性と作業量があれば、読解力は必ず上がります。やり方は以下を参考にしてくださいね。)

大切なのは復習の際、ある程度(5〜10分程度)考えてもまるで太刀打ちできなければ、20-30分そこで止まってしまわずに、潔く答えを見ることです。

ただし、答えと解説を見て納得して終わりではありません。
それでは何の力にもなりません。

解答を読んで本文のどこからヒントを得たのか、その思考のプロセスを確認した上で、必ず模範解答を、そっくりそのままノートなどに書き写してください。

実際に手を動かしてこの作業をたくさんこなすことにより、それぞれの文種における問われ方、答え方、型が自然と身に付いて、コツが掴めてきます。

※模範解答を導くに至った思考のプロセスについては、残念ながらSAPIXテキストの解答には十分な解説が付属していません。
できることならばここで中学受験国語のプロ講師に解説を仰ぎ、しっかり理解・納得が出来てから書き写し作業に移ることが理想です。
(国語読解の復習による読解力アップには、家庭教師が非常に効果的です)
この繰り返しで力が付いていきます。

テストの方は、多少ですが解説欄に答えの導き方も解説されているのでそちらをよく読みましょう。

国語の読解力は一朝一夕ではアップしません。
しかし、やり方さえ間違わなければ、確実に得点出来るようになる分野です。

できればプロの力も借りつつ、地道に手を動かすことで、身体で文種ごとの解き方のコツを掴み取り、読解(記述)を得意分野に変えていきましょう。

●SAPIX 土曜特訓教材

SAPIXの各種テストやテキストよりは文章が短めで、問題のレベルもテキストと同等〜易しめのものが多いです。(テストよりは明らかに難易度が低いです)

ですから、テスト直しやテキストの復習はレベル的に少し困難、という人はこちらから取り組んでみましょう。

中学受験でよく問われる基本的な型を演習できる問題が多く、こちらの教材による復習は一般的な学校の読解対策としても効果的です。

● 『新小学問題集 中学入試編』(ステージⅠ・Ⅱ・Ⅲの3種)

教育開発出版
問題集本体と別冊解答つき
参考価格:2,420円

中学入試指導の現場に即した新基準シリーズ
学年配当内容を基準としたオリジナルカリキュラム
ステージⅠ・Ⅱ・Ⅲの構成
(Ⅰ・4年相当/Ⅱ・5年相当/Ⅲ・6年相当)

こちらは前述の土特教材よりさらにグッと易しく、文章も短く、記号問題が多めです。

基礎的な記号問題の演習もしたい、志望校に読解問題はあまり出ない、もしくはせいぜい15-50字程度のもののみ、等という場合におすすめです。

また、記述が大の苦手で基礎からやり直さないとまずい、テスト直しやテキストの復習どころではない!!という人も、こちらから取り組んでみると良いでしょう。

本来は塾用教材のため少し入手し辛いですが、教科書を扱っているような書店に行くと簡単に購入できます。

(ネット通販もありますが、Amazon等のサイトではボールペン付きで2倍近い価格になっているものもあるので、ペンが不要という方は気をつけてくださいね)

思考力・判断力・表現力に必要な基礎・基本をやり直したい人向けで、ジャンルごとに読解問題を学習できるのが特徴です。

ステージⅠ・Ⅱ・Ⅲの構成になっており、自分に合ったレベルのものを購入することができますが、Ⅰ・4年相当/Ⅱ・5年相当/Ⅲ・6年相当というオリジナルサイトの案内はSAPIX生に限っては当てはまりません。(SAPIXの授業で言うと、読解部分はそれぞれ3年・4年・5年相当程度と考えてください。)

さて、ここまでいくつか教材や復習のポイントをお伝えしましたが、前述の通り、国語の読解力は一度取り組んだSAPIXの教材を用いた復習のみでは上がりません。

国語の読解力アップの秘訣は、何をおいても実践演習です。

これらの基本的な復習作業を終えた後(夏期講習以降)は、できる限りプロの国語講師に相談しながら自分の志望校の出題傾向に合った教材(問題集・似通った傾向の学校の過去問)を見極め、過去問をメインにドンドン(初見の問題の)実践演習に取り組んでいきましょう!

以上、今回は国語の「苦手分野克服」でSAPIX生が実際に用いている読解分野の教材などについてお伝えしました。

ここまでSAPIX関連の記事が続きましたが、街にはクリスマスソングも流れ始め、6年生の皆さんはいよいよ本番を意識する時期になりましたので、次回はこの時期に関する学習の注意点等をお伝えします。

SAPIX6年前期の「苦手分野克服」作業を踏まえた後期スケジューリングについてもまたの機会にお伝えしますので、5年生以下の皆さんはしばしお待ち下さいね。

合格に向けて日々奮闘している皆さんに向けたこの記事が、少しでも力になれることを祈っています。

SAPIXはどんな塾?2023 ~⑫SAPIX6年 前期 国語の苦手分野克服教材 (2)~

目次

★語句の復習教材★
●SAPIXAテキスト・デイリーチェックテスト等(5・6年すべて)
●SAPIX 土特教材(5・6年すべて)
●『中学入試 でる順過去問』
●『小学総合的研究 わかる国語 改訂版』

御三家や難関中学受験で突出した合格実績を誇るSAPIX(サピックス)。

前回の紹介記事では、中学受験界で知らない人はいない大手進学塾SAPIXにおける、6年前期の重要課題「苦手分野克服」でSAPIX生が実際に用いている国語の復習教材(漢字分野)についてお伝えしました。

シリーズ12回目の今回は、引き続き国語の「苦手分野克服」でSAPIX生が実際に用いている教材(語句分野)についてお話ししていきます。

★語句の復習教材★

前回もお伝えした通り、「苦手分野克服」の学習においては必ずしも使用教材をSAPIXのオリジナルテキストに限定する必要はありません。

講師にも相談し、場合によっては自分の状況やレベルに合った市販の問題集も取り入れながら進めていきましょう。

それでは、中学受験国語の知識分野において漢字と並び「要」である語句の復習教材を見ていきます。

●SAPIXAテキスト・デイリーチェックテスト等(5・6年すべて)

解説こそ最小限ですが、SAPIXのオリジナルテキストに採用されている知識問題は実に洗練されています。

特に慶應中等部などあらゆるジャンルの語句・漢字が問われる学校を志望している場合は、何が出ても良いように、最低限5・6年の全テキスト・デイリーチェックテストの知識問題くらいは難なく解けるようにしておきましょう。
(中等部対策の場合それだけでは足りませんが、一般的な知識問題を出す学校にはこれだけでもある程度対応が可能です。)

まずは5・6年のデイリーチェックテストの全問題を解き直しましょう。

もともと授業前の5~10分程度のテストですから(制限時間はクラスにより異なります)そう時間はかかりません。

その後、できればAテキストの知識ジャンルも全て復習しておきたいところですが、この作業に6年前期に取り組む機会を逃しており、時間が非常に限られている場合などは、最低限テストの解き直しで引っかかった分野のAテキストを復習しましょう。

Aテキストは授業内の解説ありきのため、教材内に十分な解説はありません。

この復習がもしも一人ではうまく行かない場合はプロ講師の力を借りて基礎からやり直すのがおすすめですが、「あと一歩で納得できる」程度ならば、この後に紹介する参考書を使って取り組んでみるのもおすすめですよ。

●SAPIX 土特教材(5・6年すべて)

分野知識の復習にはSAPIXの土特教材も有効です。

ジャンルがまとまっているので、苦手なところを効率よくスキマ時間で復習できます。

ただし分量は非常に少ないので、得手・不得手の確認程度に使ったり、大して心配ないジャンルを念のためさらっと復習したり、というような使い方が良いでしょう。

●『中学入試 でる順過去問』

ことわざ・語句・文法 合格への1204問 四訂版
旺文社
定価1,078円
137頁
レベル:基礎〜やや難

こちらは市販の問題集です。

近年の中学入試を徹底的に分析し、頻出度の高い問題を、入試に「よく出る順」に掲載したもの。

つまり、6年前期の苦手分野克服対策にはもちろん、本番までカウントダウン、という差し迫った時期の追い込みにももってこいの効率的な復習教材なのです。

1つの単元は「まとめのページ」→「スピードチェック」→「入試問題にチャレンジ! 」の3ステップで構成されており、無理なく着実に合格への力をつけることができます。

巻頭には国語の入試傾向とその対策がわかる分析記事が、巻末には入試直前に総確認ができる「直前チェック編」がついています。

1頁あたりの分量がまちまちで、かなりボリュームのあるところとサクッと終えられるところの差が大きいですが、毎日少しずつ進め易い作りで、SAPIX生の中でも復習に用いている人が多い教材です。

●『小学総合的研究 わかる国語 改訂版』

佐藤洋一 監修
旺文社
価格 : 2,970円(税込)
A5判
576ページ、オールカラー

レベル:基礎〜やや応用
こちらはさきほど「SAPIX Aテキスト・デイリーチェックテスト等(5・6年すべて)」を用いた復習方法の中で触れた、非常に頼れる参考書です。

サピ教材や問題集などでわからないことや納得できない部分に出くわしたとき、ぜひこの参考書で確認してみてください。
大抵のことは解決します。

小学5・6年生はもちろん、小学3・4年生から使えますので、この記事を読んでいらっしゃる方が低~中学年の場合も、普段の学習にぜひ役立ててみてください。

基礎〜応用まで小学校の国語学習においてはどのジャンルに関してもある程度網羅した内容で、図や写真も用いてわかりやすく説明されています。
日常的に国語の疑問点を調べたり、時間のある時に読み物として楽しく読んだりして、国語の一般的な知識・語彙力を確かなものにしましょう。

分厚く重いので持ち歩きには適しませんが、演習問題も多少掲載されているので自宅でのちょっとした演習教材としても使えます。
ただし前述の通り小学校の国語学習のほとんどのジャンルを網羅しておりボリュームがあるため、時間が限られている場合は一冊全てを読み返したり演習したりすることは不可能です。

その際は中学受験の経験豊富なプロ講師などに相談し、志望校や自分の状況に合わせ、優先順位の高い復習箇所を厳選してもらいましょう。
ちなみに、各種読解に関しても少しですが触れられていますよ。

以上、今回は国語の「苦手分野克服」でSAPIX生が実際に用いている教材(語句分野)についてお伝えしました。

次回以降は、国語の「苦手分野克服」でSAPIX生が実際に用いている教材(読解分野)や、後期のスケジューリングで重視するポイントや具体例など、みなさんが気になる点をさらに詳しくお話していきます。

SAPIXに転塾・入塾を考えている皆さんや、すでに在籍しているものの違和感を覚えている受験生の皆さんに向けたこの記事が少しでも力になれることを祈っています。

SAPIXはどんな塾?2023 ~⑪SAPIX6年 前期 国語の苦手分野克服教材 (1)~

目次

1. SAPIX6年生 国語の「苦手分野克服」に適した教材は?
2. 漢字の復習教材
●サピックスメソッド 漢字の要 STEP1
●サピックスメソッド 漢字の要STEP2
●サピックスメソッド 漢字の要 STEP3
●中学入試 でる順過去問 漢字 合格への2610問 四訂版
●漢字マスター一〇九五題6年 改訂新版

御三家や難関中学受験で突出した合格実績を誇るSAPIX(サピックス)。

前回の紹介記事⑩では、中学受験界で知らない人はいない大手進学塾SAPIXにおける、6年前期の重要課題「苦手分野克服」のポイントと、その際にSAPIX生が用いている算数の教材についてお伝えしました。

シリーズ11回目の今回は、国語の「苦手分野克服」のためにSAPIX生が実際に用いている教材についてお話ししていきます。

1. SAPIX6年生 国語の「苦手分野克服」に適した教材は?

得点力を底上げするためには、「苦手分野克服」が欠かせません。

そして、そのためには自分の弱点を正確に、漏れなく把握することが第一です。

自分が授業内や、問題を解いている際に感じている主観も大切ですが、ここでは「なんとなく」ではなく、直近一年程度のマンスリーや組分け、模試などの結果を用いて、徹底的に学習の抜けや苦手な部分を炙り出しましょう。

あまりにもフォローしなくてはならない部分が多い場合には、限られた時間の中で課題の取捨選択も必要になってきます。

生徒さん自身ではその的確な判断やスケジューリングはとても難しいので、できる限り炙り出しの段階からプロの力を借りつつ、どの分野を、どの時期に、どのような手順で復習していくのか、事前に良く計画を練るようにしてください。

また、国語も算数と同様、「苦手分野克服」の学習において必ずしも使用教材をSAPIXのオリジナルテキストのみに限定する必要はありません。

講師にも相談し、場合によっては自分の状況やレベルに合った市販の問題集も取り入れながら進めていきましょう。

それでは、算数に次いでご相談の多い国語の復習教材について、SAPIXの6年生が実際に用いているものを早速見ていきましょう。

2. 漢字の復習教材

中学受験国語の知識分野において要となるのは、もちろん漢字と語句です。
まずは、漢字教材からご紹介します。

●サピックスメソッド 漢字の要 STEP1

マスターブック
企画・制作:サピックス小学部
定価 :1,320円(税込)
サイズ:B5判
レベル:基礎〜標準

こちらはSAPIXのオリジナル教材です。
有名中学で出題された過去8年分の問題を徹底分析して、入試の「要(かなめ)」となる頻出漢字を厳選。
SAPIX小学部の受験指導を活かした独自の構成・配列により、毎日くり返し学習すれば有名中学に合格するための「漢字力」が身につきます。

細部ミスに注意すべき漢字、一文字で問われる漢字、字は易しいが意味の難しい漢字、難しい読みの熟語等狙われやすいテーマごとの学習のほかにも、同音異義語・同訓異字、各熟語、類義語・対義語、さらには筆順や画数、部首、かなづかい、送り仮名、漢字の成り立ちなどまで、あらゆるジャンル、テーマから学習出来る様に工夫された、非常に有効なテキストです。

高レベルの漢字が出題される学校を志望している人は、こちらとこちらのステップ2・3を完璧にしておけると大きな自信になります。

●サピックスメソッド 漢字の要 STEP2

単元別基礎演習
企画・制作:サピックス小学部
定価 :990円(税込)
サイズ:B5判 107頁
レベル:標準〜やや難

前述のテキストの続編。
過去8年間で出題された頻出の入試漢字を精選、SAPIX小学部独自の単元別編集で効率よく漢字の学力をアップできるテスト形式の問題集。
有名中学の入試問題にも挑戦することで、すばやく実力を確認して弱点を補強できる。
『漢字の要 STEP1 マスターブック』に完全対応。

ステップ1で入試に頻出のテーマは大方網羅しているのでテーマ的にはほぼ変わりません。
より実践的な部分が多いので、ぜひ繰り返し演習し、本番に役立つよう完璧にしておきましょう。

●サピックスメソッド 漢字の要 STEP3

入試実戦演習
企画・制作:サピックス小学部
定価 :990円(税込)
B5判 103頁
レベル:標準〜応用

前述のテキストの続編。
過去8年間で出題された頻出の入試漢字を厳選、中学入試に直結するサピックス独自の実戦テストを40回収録した問題集。
多種多様な問題形式に完全対応、最高レベルの漢字力を仕上げることが出来ます。
『漢字の要 STEP1 マスターブック』『漢字の要 STEP2 単元別基礎演習』と組み合わせて、いっそう効率的に漢字力を完成させましょう。
たとえ受験校の漢字が高レベルだから、自分は漢字が得意だから、などの理由があれども、いきなりこのテキストで復習することはお勧めしません。
こちらは実践演習としては非常に有効ですが、テーマごとの学習がなく、抜けが生じてしまうためです。
あくまでも1.2を完璧にした上で、仕上げとしてこちらの総まとめテキストを利用すると効果的です。

●中学入試 でる順過去問 漢字 合格への2610問 四訂版

旺文社
頁数:124p
価格:1,078円(税込)
レベル:基礎〜やや難

こちらは市販の問題集です。
近年の中学入試を徹底的に分析し、頻出度の高い問題を「でる順」に掲載してあります。
1つの単元は基本的には「まとめのページ」→「スピードチェック」→「入試問題にチャレンジ! 」の3ステップで構成されているので、無理なく着実に合格への力をつけることができます。
巻頭には国語の入試傾向とその対策がわかる分析記事が、巻末には入試直前に総確認ができる「直前チェック編」がついています。

●漢字マスター一〇九五題6年 改訂新版

みくに出版
日能研教務部
頁数:184p
価格:880円(税込)
レベル:基礎〜標準

こちらは日能研の漢字ドリルですが、書店やネットショップでも入手可能です。
中学入試を見すえた確かな漢字力がつく問題集、中学受験用教材のロングセラー『漢字マスター』シリーズの6年生版が、新学習指導要領に合わせて改訂されました。

1日3題取り組むと、1年で1095題(本書の全問題)を解くことができます。
難易度は低めなので難しい漢字が出題される学校の対策には向きませんが、1ページあたりの問題も少なく、また繰り返し同じ漢字が出てくるので漢字に苦手意識が強い人、一度ではなかなか身につかない人の基礎力定着には非常に効果的でおすすめです。

また本書は漢字や熟語が短文の中に織り込まれている問題形式がほとんどなので、「意味」「使い方」まで理解した学習ができることも特徴です。
入試によく出る「同音異義語・同訓異字」「反対語」「四字熟語」などもある程度対応しています。

以上、今回はSAPIX6年前期の重要課題である「苦手分野克服」の際にSAPIX生が実際に用いている教材(国語/漢字分野)についてお伝えしました。

次回以降は、「苦手分野克服」でSAPIX生が実際に用いている教材(国語/語句・読解分野)や、後期のスケジューリングで重視するポイントや具体例など、みなさんが気になる点をさらに詳しくお話していきます。

SAPIXに転塾・入塾を考えている皆さんや、すでに在籍しているものの違和感を覚えている受験生の皆さんに向けたこの記事が少しでも力になれることを祈っています。

SAPIXはどんな塾?2023 ~⑩SAPIX6年 前期スケジューリング (2)~

目次

1. SAPIX6年生 「苦手分野克服」のポイントは?
2. SAPIX6年生 「苦手分野克服」に適した算数の教材は?

御三家や難関中学受験で突出した合格実績を誇るSAPIX(サピックス)。

前回の紹介記事⑨では、中学受験界で知らない人はいない大手進学塾SAPIXの最重要カリキュラム『SS特訓』開始を踏まえた、6年前期の過ごし方・「苦手分野克服」の重要性についてお伝えしました。

シリーズ10回目の今回は、「苦手分野克服」のポイントや、SAPIX6年生がそのために実際に用いている教材(算数)についてお話していきます。

1. SAPIX6年生 「苦手分野克服」のポイントは?

前回お伝えした通り、6年前期の重要課題である「苦手分野克服」には、まず自分の主観はもちろん、マンスリーや組分け、その他模試などの結果を用いた正確な弱点把握が非常に大切です。

あまりにも学習の抜けが多い場合や、苦手分野が殆どといった場合には、課題の取捨選択も必要になってきます。

自分一人では難しいので、できる限りここではプロの力も借りながら、自分の苦手な単元や特定の計算、学習の抜けなどのあぶり出しを確実に行い、どの分野を、どの時期に、どのような手順で復習していくのか計画を練りましょう。

2. SAPIX6年生 「苦手分野克服」に適した算数の教材は?

「苦手分野克服」学習において、必ずしも使用教材をSAPIXのオリジナルテキストに限定する必要はありません。

講師にも相談し、場合によっては自分の状況やレベルに合った市販の問題集も取り入れながら進めていきましょう。

今回は、特にご相談の多い算数の復習教材について、SAPIXの6年生が実際に用いているものをいくつかご紹介します。

○サピックス分野別シリーズ 算数 標準20回テスト

1平面図形
2割合と比・和と差の文章題
3場合の数
4立体図形
5数の性質
6速さとグラフ
7規則性

1枚ずつ切り離して取り組める、ドリル風のSAPIXのオリジナル教材です。

校舎で分野ごとに必要なものだけ購入し、重要分野を集中的に学習したり、苦手を克服したりと効率良く学習出来ます。

タイトル サピックス分野別シリーズ 算数 標準20回テスト
企画・制作 サピックス小学部
判型(セット内容) B4判・別冊解答付き
価格 定価 各 1,100円(本体1,000円+税)
販売方法 校舎販売

○算数分野別問題集 ベイシック 基本60題

1割合
2比
3速さ
4平面図形(1)
5平面図形(2)

入試で重要な単元を確実にマスターするために編集された分野別問題集です。

4までは4・5年生の教材、5は5・6年生の教材として販売されています。
「例題」や「アプローチ」で考え方を定着させ、「ステップ」で理解度を確認、「チャレンジ」で応用問題に取り組み、基礎力の定着を図ります。
タイトル 算数分野別問題集 ベイシック 基本60題
企画・制作 サピックス小学部
判型(セット内容) B5判・別冊解答・解説付き
価格 定価 各 880円(本体800円+税)
販売方法 校舎販売

○土特教材

土特のテキストを復習に用いている生徒さんも多いです。
問題量が少なく、難易度も高すぎず低すぎない入試標準レベルの実践問題ばかりなので、さらっとやり直しておきたい程度の復習や、各分野の理解度が入試標準レベルに達しているか簡単に確かめたいときにも役立ちます。

○SAPIXメソッド 算数絶対基礎力の完成 パワーアップトレーニング 5年生

基礎の基礎からやり直す必要がある場合、こちらを使用しても良いでしょう。

50パターンの問題が、1パターンにつき10問ずつ、計500問収録されています。

サピックスで毎月配布される教材「基礎力トレーニング」で身につけた基礎力をパワーアップさせる目的で販売されていますが、基礎知識の復習にも有効です。

タイトル SAPIXメソッド 算数絶対基礎力の完成 パワーアップトレーニング 5年生
企画・制作 サピックス小学部
判型(セット内容) B5判・別冊解答・解説付き
価格 定価 1,320円(本体1,200円+税)
販売方法 校舎販売

○5・6年の通常テキスト・プリント類

ドリルや問題集ではなく、ふだんのテキストをフル活用する生徒さんも多いです。

たとえば「立体図形」の分野が苦手ならば、まず「立体図形」という名前の入った5・6年のテキストナンバー・プリント類をすべて洗い出し、まとめます

そして、それを基礎から一気にやっていきましょう。
(ドリルや問題集などで復習を行い、こちらを最終チェックに用いるのも有効です)

テキストやプリントのナンバーが若いものから取り組んでいくことで、自分はどのレベルまでは到達していて、どこから歯が立たないのかすぐに分かりますよ。

サピックスの通常テキストやプリントで取り上げられている問題は入試で扱われやすい厳選されたものばかりなので、この方法は分野ごとの力を確実に定着させる方法として非常に有効であり、おすすめです。

多少洗い出し作業に手間がかかるのがデメリットですが、徹底した復習がしたい場合は、準備の作業を親御さんなどにも手伝ってもらい、ぜひトライしてみてくださいね。

以上、今回はSAPIX6年前期の重要課題である「苦手分野克服」のポイントや、その際にSAPIX生が実際に用いている教材(算数)についてお伝えしました。

次回以降は、「苦手分野克服」でSAPIX生が実際に用いている教材(国語)や、後期のスケジューリングで重視するポイントや具体例など、みなさんが気になる点をさらに詳しくお話していきます。

SAPIXに転塾・入塾を考えている皆さんや、すでに在籍しているものの違和感を覚えている受験生の皆さんに向けたこの記事が少しでも力になれることを祈っています。

SAPIXはどんな塾?2023 ~⑨SAPIX6年 前期スケジューリング (1)~

目次

1. SAPIX6年 前期の過ごし方が、後期の伸びを決める
2. SAPIX6年 前期は「苦手分野克服」を徹底
3. SAPIX6年 「苦手分野克服」学習の進め方

御三家や難関中学受験で突出した合格実績を誇るSAPIX(サピックス)。

前回の紹介記事⑧では、中学受験界で知らない人はいない大手進学塾SAPIXに通う6年生の週間スケジュールに関して、後期から始まる『SS特訓』に焦点を当ててお伝えしました。

シリーズ9回目の今回は、前回ご紹介したSAPIXの最重要カリキュラム『SS特訓』の後期開始を踏まえ、SAPIX6年ではどのようにスケジューリングをすると良いのか、前期のうちに重視しておきたいポイントを詳しくお話ししていきます。

1. SAPIX6年 前期の過ごし方が、後期の伸びを決める

SAPIXの6年前期は、受験本番を迎える最終学年の一年間の中でも、まだギリギリ「余裕がある」と言うことができる時期です。

そしてこの前期の過ごし方こそが、夏期講習や過去問対策スタート以降の成績の伸び方・後期の追い込みスケジュールに大きな影響を及ぼしてくることをぜひ覚えておいてください。

重要なのは6年生の夏期講習前から最悪でも講習終了頃までに、日々のルーティンや毎週プラスαして行っている学習とは別に、しっかり時間をとって、各教科・分野の「苦手分野克服」を済ませておくことです。

2. SAPIX6年 前期は「苦手分野克服」を徹底

苦手分野克服の必要性をきちんと認識せず、6年前期を日々に追われてなんとなく過ごしてしまうと、夏期講習以降、実践演習や過去問対策が本格的に始まる、いわゆる「得点力アップ」の力をつけるべき時期に、同時進行で苦手分野克服のための学習に取り組まなくてはならなくなってしまいます。

これは追い込みの大切な時期において非常に足手まといな作業であり、非効率的です。

本番に向けて自分の得意科目・得意分野の実力をさらに伸ばし、本番で確実に得点に結びつけられるようにする「得点力アップ」のための学習と、「苦手分野克服」のための学習は全く別物です。
本来は、後者をきちんと終えた上で最終的な得点力アップの作業に入るべきであり、それでこそ効果も出せるのです。

つまり、前半のいい加減な過ごし方による苦手分野克服のやり残しは、夏休み以降いよいよ本番に向けた「志望校対策」演習に全身全霊で取り組もうという時期に、それにかける時間と体力を大幅に奪い、最終的な合否に大きな悪影響を与えることに繋がりかねないということです。

ですから6年前期のスケジューリングは特に慎重に、自分の苦手分野克服のために必要なことは何かをしっかり見極めて行いましょう。

ここでは是非、個別指導や家庭教師など中学受験指導のベテランの力も活用してください。

理科・社会ももちろんですが、特に配点の高い算数・国語に苦手分野が残っている場合は特に徹底してやっておきましょう。

積み残してしまった苦手分野克服に集中して取り組めるのは6年前期が最後の、そして最良のタイミングなのです。

3. SAPIX6年 「苦手分野克服」学習の進め方

まずはこのように取り組み始めましょう。

1.ここ数ヶ月〜1年の模試や小テストの結果を参考に、自分がどの科目の、どの分野が弱いのかを洗い出す。
2.どの教材を使い、どのような順序で行うのが効果的なのかを見極める。

ただし、教材は必ずしもSAPIXのテストやオリジナル教材が最適とは限りません。
各々の状況により、市販のテキストやドリルの方が効果的な場合も大いにあります。

また、テストからの洗い出しも、意外と自分だけでは大切な部分を見落としがちです。
(例えば算数において、問題点は「特定の分野」ではなく「特定の種類の計算」であり、そこでいつも失点しているケースなど)

6年前期のスケジューリングにおいて中学受験のベテラン講師等に助言をもらう際には、この段階から参加してもらうことがおすすめです。
問題点の正確な洗い出しや使用教材、取り組む順序の決定は、苦手分野克服の要です。

なんとなくではなく、ぜひ丁寧に行ってくださいね。

以上、今回はSAPIXの最重要カリキュラム『SS特訓』の後期開始を踏まえ、SAPIX6年で前期のうちに重視しておきたい「苦手分野克服」学習についてお伝えしました。

次回以降は「苦手分野克服」や復習の際にSAPIX生が用いている教材のご紹介、後期のスケジューリングで重視するポイントや具体例など、みなさんが気になる点をさらに詳しくお話していきます。

SAPIXに転塾・入塾を考えている皆さんや、すでに在籍しているものの違和感を覚えている受験生の皆さんに向けたこの記事が少しでも力になれることを祈っています。

SAPIXはどんな塾?2023 ~⑦SAPIX生 6年後期の一週間(1)~

目次

1. SAPIX 6年生後期 週間スケジューリングを再考しよう
2. SAPIX 6年生後期 通塾スケジュールはどう変わる?
3. SS特訓 単科講座は6コース

御三家や難関中学受験で突出した合格実績を誇るSAPIX(サピックス)。

前回の紹介記事⑥では、中学受験界で知らない人はいない大手進学塾SAPIXに通う6年生【前期】の具体的な週間スケジュール例や学習のルーティンにしていること、+αの学習などについてお伝えしました。

シリーズ7回目の今回以降は続編として、主に6年生後期のスケジューリングに焦点を当ててお話していきます。

1. SAPIX 6年生後期 週間スケジューリングを再考しよう

前回お伝えした通り、最終学年の6年生では前期と後期で週間スケジュールを見直す必要があります。

現在の学習状況や後期の通塾スケジュールをきちんと把握し、改めて最適な学習スケジュールを組み直すことが最後の成績の伸びや最終結果を大きく左右します。

なんとなく後期に突入するのではなく、計画性を持って丁寧にやっていきましょう。

2. SAPIX 6年生後期 通塾スケジュールはどう変わる?

まずは、SAPIX 6年生後期の通塾スケジュール内容を詳しく見ていきます。

〈前期まで〉

◯授業日数 2日/週(主に火曜・木曜)
      +土曜志望校別特訓
◯科目   算数・国語・理科・社会

◯時間   80分×3コマ(1日につき3科目)
      ※土特は75分×4コマ(4科目)

*ある首都圏校舎の例*
▫︎火曜:17:00-21:00(平常授業)
    算数80分×2コマ
    理科80分×1コマ

▫︎木曜:17:00-21:00(平常授業)
    国語80分×2コマ
    社会80分×1コマ

▫︎土曜:14:00-19:00(土曜志望校別特訓)
    算数・国語・理科・社会×各75分(各1コマ)

以上が前期の基本スケジュールです。

〈後期から〉

後期は上記に加え、下記の授業がスタートします。

▫︎日曜:9:00~18:45(難関校SS特訓/サンデー・サピックス)
志望校別講座 80分授業×4コマ
単科講座  100分授業×2コマ
(13:00-13:45はお昼休憩)

具体的な時間割はこのようなものです。
〈SS特訓 時間割〉(一例)
志望校別講座(社会) 9:00-10:20
志望校別講座(算数) 10:20-11:40
志望校別講座(国語) 11:40-13:00
昼休憩       13:00-13:45
志望校別講座(理科) 13:45-15:05
単科講座(算数・思考力) 15:15-16:55
単科講座(国語・記述表現力) 17:05-18:45

SAPIXの授業は平常・講習共に基本的に30分以上の大きな休憩を取らないことが特徴の一つですが、後期から始まるこのSS特訓(サンデー・サピックス)では13:00-13:45に昼休憩が設けてあり、生徒は弁当持参になります。

講座は志望校別講座と単科講座の大きく2つに分かれており、生徒は午前と午後にそれぞれ自分の選択した講座に参加します。

講座が無い日は基本的に模試があるため、後期からの日曜日は基本的にまとまった家庭学習の時間が取れなくなると考えておきましょう。

3. SS特訓 単科講座は6コース

単科講座には以下の6コースがあります。

〈SS特訓 コース一覧〉

・算数 思考力講座
・ 〃  解法力講座
・国語 記述表現力講座
・ 〃  読解力講座
・理科 知識論理力講座
・社会 知識論理力講座

「単科講座」とは、9月〜1月までの5ヶ月間で苦手分野を集中的に学習し、弱点克服することを目的とした教科別特訓講座です。
上記の6講座から一人一人が自分の志望校や現在の学習状況に応じて、希望する講座を2つ選択受講できます。

6年後期における全ての課題のうち最重要課題はもちろん各々の志望校対策・過去問演習ですが、これらはSAPIXの授業内では扱いません。
よってSAPIXでは6年後期のSAPIXカリキュラムの中で、このSS特訓を最重視しています。(SS特訓内の重視度はもちろん志望校別講座>単科講座です)

このSS特訓こそがSAPIXのずば抜けた合格率の決め手であるといっても過言ではなく、SAPIの講師陣も6年後期で提供する授業の中ではこの講座の受講・復習を最優先としているわけですが、生徒さん自身やご家庭の中だけで受講に最適な単科講座を見極めることはなかなか難しいようで、毎年多くのご相談を受けています。

そこで次回はまず、単科講座それぞれの内容や選択のポイントについて詳しくお話していきます。
ぜひ参考にしてみてくださいね。

以上、今回はSAPIX生の6年後期スケジュールについてお話しました。

次回以降はSAPIX 6年後期から始まるSS特訓の講座内容や選択方法のヒント、後期のスケジューリングで重視するポイントや具体例、復習におすすめの教材など、みなさんが気になる点をさらにくわしくお話していきます。

SAPIXに転塾・入塾を考えている皆さんや、サピックスに在籍しているものの違和感を覚えている受験生の皆さんに向けたこの記事が、少しでも力になれることを祈っています。