目次
東大の「足切り」基準が厳しくなる?
足切り基準の厳格化は「2次試験を丁寧に行う」ため?
そもそも東大合格者は共通テストで「ギリギリの点」はとらない/a>
「逆算」で大学受験に備えよう
受験勉強にいそしむ皆さんの中には、志望する中学校合格の先に東京大学への進学を見据えている人もいると思います。
そこで今日は、東京大学が12日に公表した2025年度入試の選抜要項についてお伝えします。
東大の「足切り」基準が厳しくなる?
ポイントは、大学共通テストの成績によって一般選抜の二次(個別)試験に進む受験者を絞る、いわゆる〝足切り”の基準をこれまでより厳しくする、ということです。
たとえば2025年度入試に前回と同じ人数の志願があった場合、単純計算で、2次試験を受けられる志願者は1000人以上減ることになります。
第一段階選抜通過者の募集人数に対する具体的な倍率は次の通りです。
※ 第一段階選抜の基準変更は理科三類以外の5科類で行います。人数は募集人数、カッコ内は24年度入試までの倍率。それぞれ、カッコの無い倍率に達した場合、第一段階選抜を行います。
文科一類=401人 約2.5倍(約3.0倍)
文科二類=353人 約2.5倍(約3.0倍)
文科三類=469人 約2.5倍(約3.0倍)
理科一類=1108人 約2.3倍(約2.5倍)
理科二類=532人 約3.0倍(約3.5倍)
理科三類=95人(97に変更予定) 約3.0倍(約3.0倍)
※2024年度入試では第一段階選抜で約900人が不合格。
足切り基準の厳格化は「2次試験を丁寧に行う」ため?
足切り基準引き上げについて東大側は、
「大学入学共通テストによる基礎学力の選抜をより厳格に行い」、「2次試験をより丁寧に行う」
ためであり、
「より深く答案に向き合い、より一層丁寧に採点を行える」
と記者会見で説明しました。
試験への人員確保の必要性も理由のひとつとしています。
また、2025年度入試では、科類に関わらず全受験生に共通テストの「情報I」を新たに課しています。
※配点は100点。旧教育課程履修者は「旧情報」を選択可。
これは来年度から高校の新教育課程で学んだ受験者が志願することを受けての変更ですが、2次(個別)試験では科目変更は行わず、出題内容は旧課程を履修した既卒者への配慮を行うと発表しています。
そもそも東大合格者は共通テストで「ギリギリの点」はとらない
「情報I」については昨年12月6日に公表されていたものの、〝足切り”基準引き上げについては2025年度の大学入学共通テストまで190日を切ったこのタイミングでの公表であり、寝耳に水と焦っている大学受験生も少なくないようです。
特に東大は二次試験の配点が大きいので、大学入試共通テスト対策にはなるべく時間をかけず、その分二次試験対策をしっかりと、という作戦でここまでやってきた人もある程度いるためでしょう。
しかし、東京大学の二次試験で合格ラインを叩き出せる受験生は、そもそも一次試験である共通テストの足切り基準点は余裕を持って上回っているケースが多く、ギリギリセーフのラインから二次試験で挽回し、最終的に合格を掴むというケースは元よりあまりないそうです。
ですから、実際に東京大学に合格する実力を備えて受験に臨む受験生にとっては、この変更は特段恐れることではないということですね。
(最終的な合格までは望んでおらず、二次試験までの「記念受験」が目的だった人たちには残念なニュースになるかもしれませんが)
「逆算」で大学受験に備えよう
東大進学を見据えている中学受験生にとって、大学受験は確かにまだまだ先の話ですし、皆さんが入試を受ける頃には2次試験の科目追加などさらなる条件変更がある可能性が高く、今回の変更に併せて慌てて何かをする必要はもちろんありません。
けれども受験勉強における目標(志望校合格)には「逆算」に基づいた学習計画や実践が大変有効です。
入学を志望する中学校にしろ、その先に見据えた高校・大学にしろ、気になる学校から発信されるニュースや方針変更の動向は常にチェックし、少しでも早いタイミングから対応出来るように備えておきましょう。
大手中学受験塾に通う皆さんは、受験情報や中学校の入試要項(出題内容や配点、募集定員など)の最新情報を授業内でいち早くつかみやすいですが、塾なしで中学受験を目指す皆さんは特にその点に気をつけ、SNSで気になる学校の公式アカウントをフォローしたり、こまめに公式ホームページを確認したりするようにしてくださいね。
皆さんが受験情報の獲得に遅れを取ったり、(ときに意図的に流布される)「うわさ」に惑わされたりすることなく、常に最新の正確な情報を獲得・活用しながら、充実した受験生活を送れるよう願っています。
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